パーティから追放されたのは神に選ばれし救世主だった。~チートスキルで元のパーティを見返し、全知全能の冒険者になってやる!~

yonechanish

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第56話 人間を殺す

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(よし!)

ハルトは決意を固めた。
あの酷い目に合わされた日々を。
ジークフリートの憎たらしい顔に泥を塗りつけることを想像する。
ぶっつぶす!

「ならば、その闇パーティ討伐のための兵を、こちらからもだそう」

ラインハルホ国は快諾。
そして、

「私も戦いに参加したーい!」

ラフィーナ姫が元気よく手を上げた。

「ダメだよ。君は公務があるんだから」

夫であるドルジ王子にたしなめられる。
頬を膨らませそっぽを向くラフィーナ姫。
確かにラフィーナ姫が力を貸してくれればかなり戦いが楽になりそうだ。

「では今日は一旦、お開きとしよう」

ラインハルホ国王の声で食事会は終了した。



そして、夜。
ハルトは城の四つある尖塔のうちの一つ、南の尖塔の屋上で夜空を見ていた。
そして、バルクが来るのを待っていた。

「やぁ、ハルト君。待たせてゴメン」

バルクが爽やかな笑顔で現れた。
そして、隣に立つと、ハルトと同じように空を見上げる。
星々が輝いている。
二人は暫く無言のまま見つめていた。
すると、突然、バルクは言う。
真剣な表情だった。

「ハルト君。聞いて欲しいことがある」
「はい」
「僕は今、とても後悔している」
「後悔?」
「あぁ。君の気持ちも考えずに、勝手に暴走してしまった」
「……」

(なんのことだ?)

「恐らく、君の属していたドラゴンテイルズも殲滅されることになるだろう」
「ああ、そのことですか。大丈夫です。俺はあのパーティに酷い目にあわされた。復讐するつもりです。丁度いい口実です」
「ああ、そうだったな。君の復讐が優先だった。丁度いいね。だが、一つ確認したい」
「何でしょう?」
「君は人間を殺したことがある?」

ハルトは答える。
それはない。
人を殺すことに抵抗があった。
だから、今まで殺さなかった。
でも、今は違う。
もう躊躇しない。
ドラゴンテイルズの奴らだけは殺す。
ハルトは答えた。
バルクはハルトの目を見て、ハルトの本気を感じた。
そして、続ける。

「僕の予想だと、ガーレット国王の闇パーティはラインハルホ国に戦争を仕掛けてくるはずだ。そうなると、当然、ハルト君にも戦ってもらうことになると思う」
「勿論です」
「当然、人間を殺すことになる」
「相手はある意味魔王軍の一員。容赦はない。場合によっては命を落とすかもしれない。だから殺される前に殺す気持ちでいかないと、殺される」
「覚悟の上ですよ」
「それでも、行くかい?」
「行きますよ」
「わかった」

バルクは立ち上がると、ハルトに手を差し伸べた。

「一緒に行こう。僕たち二人で」
「え?」
「この世界を救う為に。そして……」
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