勇者召喚でハーレム世界に転生するはずだった平凡な高校生。拾われた森の中で盗賊に拾われて暗殺者に育てられて無双!

yonechanish

文字の大きさ
7 / 65

第7話 赤ん坊が原因で貴族と盗賊の関係が悪化

しおりを挟む
「わわ! 何だこの赤ん坊は!?」

 タルボの腕に抱かれた宗孝は大声を出し、泣き叫んだ。

「おい! どうした!」

 突然泣き出した宗孝に困惑するタルボ。
 その隙に宗孝はその手から魔石を奪った。

「おい! 赤ん坊! その石を渡しなさい!」

 ユメルが魔石を取り上げようとする。
 だが、宗孝は必死で抵抗した。

(魔石といえばゲームや異世界ファンタジーで重要なアイテムだ。それを簡単に渡すなんて、この盗賊団の親分、意外に世間知らずなのか? 簡単に取られる訳にはいかねーだろ! 駆け引きの道具に使わなけりゃもったいない!)

 小さな手足をばたつかせながらもそう思った。
 ギド盗賊団が有利な立場になれば、宗孝の立場も安全も保障される。
 どうやらギド盗賊団は貴族に利用されている様にも見えるし、ここは、駆け引きの道具として魔石を盗賊団として所有した方がいいと考えた。

 そのことをタルボに伝えたいのだが、言葉が出ない。
 だから、魔石を大事そうに抱え、目で訴えた。

 タルボの瞳と宗孝の瞳が重なる。

「おっと、ユメルの願いとはいえ、やっぱこの魔石とやらを容易く渡すのはもったいねぇなあ……」

(やった!)

 自分の願いがタルボに伝わった様だ。

「何だと!? 貴様……。雇い主に逆らう気ですか?」

 ユメルは眉間に皺を寄せた。
 いつの間にか、丁寧な言葉遣いが少し荒々しい言葉遣いに変わった。

「逆らうも何も、俺たちは対等じゃねぇか。俺たちは依頼された仕事をこなし、お前らから報酬を貰う。身分なんか関係ない。そんな関係だろ?」

「くっ……」

 タルボは脳筋キャラっぽく見えて、意外に頭が切れる。
 宗孝は感心した。

「魔石の収集は仕事として依頼したはずです。お前達は仕事を反故にするのですか? ならば、契約違反で今後お前達に仕事を依頼しませんよ」

 諭す様に言うが、呼気や目から焦りと怒りが露わになっている。
 ユメルは盗賊団の子分達を見渡し、取引の様な事を持ちかける。

「それでいいのですか? 仕事が無ければ、報酬も与えませんよ」

 子分達がざわつき始めた。
 仕事が無ければ、ご飯が食べられない。
 そんな単純な脅しだった。

「あんた……」

 マイファが心配そうにタルボの側に寄り添う。
 彼女の腕の中でアイリーンはすやすや眠っていた。

(こんな状況なのに、良く寝れるな)

 アイリーンの肝の太さに宗孝は驚いた。

「勝手にしろよ。俺たちは盗賊だ。自分達で獲物を探して強奪した金品で生活するよ。お前ら貴族とは仕方なく付き合ってたんだ。先代の親父からの付き合いだからな。だが、俺の代になってからは違う」

 タルボは一歩踏み出し、ユメル侯爵を睨みつけた。

「それにお前らと仕事するのは窮屈だったんだ。取り分の割合は半分ずつだし、アサシンを育成しろだの言って来る。この際だ、俺たちは俺たちのやり方でやらせてもらうぜ!」

「くっ……」

 タルボの言葉に、ユメルは歯ぎしりした。

 宗孝が魔石の重要性を訴えたことで、ギド盗賊団とユメル家の間に亀裂が入り始めた。

 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...