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第40話 偽物の魔石
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「違う……。これは、違う……」
エルミネアは粉々になった女神像と、その中に入っていた魔石を見て首を横に振った。
魔石は茶色だった。
「違うとは? エルミネア」
ユメル侯爵が不思議そうに問い掛ける。
「この魔石は偽物だ。輝きが足りない。私にはわかる。……バカにしおって……」
エルミネアはタルボを睨みつけた。
タルボはニヤリと笑った。
「バカ野郎。わざわざ盗みに入ると知ってて本物を、置いておくかよ。出直してこい」
と、言うと同時にユメル侯爵の目の前に移動した。
それはまるで瞬間移動の様だった。
「じゃ、返してもらうぜ」
タルボの腕からアイリーンを奪う。
両足を傷付けられ、右腕を失った男がこんなに素早く動ける訳が無い。
だが、こういうこともある。
タルボの火事場のバカ力だった。
もちろん、最後の。
「あ!」
ユメル侯爵が声を上げる。
聖槍ゲイボルグを片手に、赤ん坊を片手に、慣れない手つきで抱いていた。
アイリーンを盗んでくださいと言わんばかりだった。
タルボはアイリーンを左腕でしっかりと抱きとめると、出口に向かって走り出した。
このことを、カドレア侯爵に伝えなければ。
「待て!」
ユメル侯爵が叫ぶ。
だが、タルボは振り返らない。
「親分! 逃げてください! うわ!」
ルヒトや子分の声が聞こえる。
「ええい! 雑魚どもめ! うっとうしい!」
激高の声を上げるユメル侯爵。
刃と刃がぶつかり合う音、肉が切り裂かれる音、血が吹きしぶく音が、タルボの耳にも届く。
(お前ら、やっぱり俺の子分だぜ)
タルボは走りながら、その耳から子分たちの戦いぶりを、脳に焼き付けた。
◆
「おぎゃあああああ!」
ムネタカは大声で泣いた。
(大変なことになってるぞ! ユメル侯爵が攻めて来ている! 早くタルボを救え!)
「え? 何? ムネタカ?」
地下での惨状を知らないマーシャは首を傾げた。
カドレア騎士団はタルボから何かあるまで動くなと言われていた。
全て、タルボに任せていたのだ。
つまり、彼らは待機中だった。
エルミネアは粉々になった女神像と、その中に入っていた魔石を見て首を横に振った。
魔石は茶色だった。
「違うとは? エルミネア」
ユメル侯爵が不思議そうに問い掛ける。
「この魔石は偽物だ。輝きが足りない。私にはわかる。……バカにしおって……」
エルミネアはタルボを睨みつけた。
タルボはニヤリと笑った。
「バカ野郎。わざわざ盗みに入ると知ってて本物を、置いておくかよ。出直してこい」
と、言うと同時にユメル侯爵の目の前に移動した。
それはまるで瞬間移動の様だった。
「じゃ、返してもらうぜ」
タルボの腕からアイリーンを奪う。
両足を傷付けられ、右腕を失った男がこんなに素早く動ける訳が無い。
だが、こういうこともある。
タルボの火事場のバカ力だった。
もちろん、最後の。
「あ!」
ユメル侯爵が声を上げる。
聖槍ゲイボルグを片手に、赤ん坊を片手に、慣れない手つきで抱いていた。
アイリーンを盗んでくださいと言わんばかりだった。
タルボはアイリーンを左腕でしっかりと抱きとめると、出口に向かって走り出した。
このことを、カドレア侯爵に伝えなければ。
「待て!」
ユメル侯爵が叫ぶ。
だが、タルボは振り返らない。
「親分! 逃げてください! うわ!」
ルヒトや子分の声が聞こえる。
「ええい! 雑魚どもめ! うっとうしい!」
激高の声を上げるユメル侯爵。
刃と刃がぶつかり合う音、肉が切り裂かれる音、血が吹きしぶく音が、タルボの耳にも届く。
(お前ら、やっぱり俺の子分だぜ)
タルボは走りながら、その耳から子分たちの戦いぶりを、脳に焼き付けた。
◆
「おぎゃあああああ!」
ムネタカは大声で泣いた。
(大変なことになってるぞ! ユメル侯爵が攻めて来ている! 早くタルボを救え!)
「え? 何? ムネタカ?」
地下での惨状を知らないマーシャは首を傾げた。
カドレア騎士団はタルボから何かあるまで動くなと言われていた。
全て、タルボに任せていたのだ。
つまり、彼らは待機中だった。
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