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第51話 秘密のアイテム
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デメルとガイアナ姫の剣術ごっこが終わった後、皆で朝食を摂った。
ナツヤとクルスは口数が少なく、デメルとガイアナ姫だけが賑やかに食事していた。
最後は二人で仲良く後片付けをしていた。
「では、失礼する」
クルスの家の前で、ガイアナ姫は頭を下げた。
「姫、何もおもてなし出来ず申し訳ありません。それに、お医者様まで紹介していただいて……」
ナツヤが丁寧に頭を下げる。
「いや、こちらこそ突然訪問してすまなかった。お陰で庶民の生活がほんの少し理解出来た。クルスの生活振りも少し分かったからな」
ガイアナ姫は笑顔で応える。
そして、クルスの方を向き、片目を閉じる。
ウインクのつもりだろうか……
昨晩、ガイアナ姫はクルスの部屋にも訪問した。
「これがクルスの部屋かぁ~」
物珍しそうに腐った板で出来たボロボロの部屋を見渡す。
「あ!」
クルスが隠していた裸婦が描かれた羊皮紙を床下から見つけ出した。
港町マドニアで手に入れたクルスのお気に入りだった。
ゲームでは、『えっちな絵』というアイテム名だ。
使うと、画面がうっすらピンク色になり、
「クルスは興奮した!」
というメッセージが出て来る。
『えっちな絵』を手に、ガイアナ姫はこう言った。
「まったく~アティナがいても、こんなもの見てたりするんだな~。男ってヤダヤダ」
散々な夜だった。
昨晩のことを意味したウインクだろうか。
(弱みを握られた気分だ……)
少し気分が暗くなるクルスだった。
そんなことお構いなしで、ガイアナ姫は笑みを作り、クルスの手を取った。
「クルス、村の入り口まで送ってくれ」
村の門の前には馬車が止められていた。
ガイアナ姫を迎えに来た馬車だ。
その周りには護衛の兵士が数名待機している。
「ガイアナ姫、帰りは馬車なんですか?」
クルスは疑問に思ったことを素直に問い掛けた。
「ん? 変か?」
ガイアナ姫は眉を上げた。
「変って言うか……いつも馬に乗って来るじゃないですか?」
ゲームでもいつもそうだった。
馬車に乗るのはエンディングでドレスを着て結婚式に向かう時だけだった。
「ああ……。ちょっと考え事したいんでな」
真剣な顔だった。
(考え事? 一体何だろう?)
質問したかったが、ガイアナ姫だって立派な貴族だ。
しかも一国を治める王の娘だ。
その姫が真顔で考え事がしたいと言った。
多少仲良くなったとはいえ、そんな身分のお方がどんなことを考えているか訊くのは、庶民として踏み込み過ぎだと思った。
「じゃあ。クルス。またな」
そう言い残すと、ガイアナ姫は馬車に乗り込んだ。
クルスは昼にパルテノ村を出るつもりだ。
その前に、パン屋に寄ることにした。
もちろん、アティナに会っておきたかったからだ。
「あ、クルス!」
「アティナ!」
会った瞬間、お互い自然と相好を崩す。
笑顔のまま二人で見つめ合った後、アティナの方から話し掛けた。
「今日、出発するんだよね」
「うん」
アティナが眉根を寄せ心配そうな顔になる。
「大丈夫だよ。無事にアポロの花を持って帰って来るよ」
「うん……」
アティナは目を伏せた。
彼女は知らない。
クルスがパルテノ村を離れたら、自分に災いが起こるかもしれないということを。
「アティナ、信じてくれないかもしれないけど……話しておくよ」
クルスは息を吸い込み、鼓動を落ち着かせ様とした。
だが、心臓は早鐘を打つ様に激しく律動するばかりだった。
「何? クルス。改まって……」
つづく
ナツヤとクルスは口数が少なく、デメルとガイアナ姫だけが賑やかに食事していた。
最後は二人で仲良く後片付けをしていた。
「では、失礼する」
クルスの家の前で、ガイアナ姫は頭を下げた。
「姫、何もおもてなし出来ず申し訳ありません。それに、お医者様まで紹介していただいて……」
ナツヤが丁寧に頭を下げる。
「いや、こちらこそ突然訪問してすまなかった。お陰で庶民の生活がほんの少し理解出来た。クルスの生活振りも少し分かったからな」
ガイアナ姫は笑顔で応える。
そして、クルスの方を向き、片目を閉じる。
ウインクのつもりだろうか……
昨晩、ガイアナ姫はクルスの部屋にも訪問した。
「これがクルスの部屋かぁ~」
物珍しそうに腐った板で出来たボロボロの部屋を見渡す。
「あ!」
クルスが隠していた裸婦が描かれた羊皮紙を床下から見つけ出した。
港町マドニアで手に入れたクルスのお気に入りだった。
ゲームでは、『えっちな絵』というアイテム名だ。
使うと、画面がうっすらピンク色になり、
「クルスは興奮した!」
というメッセージが出て来る。
『えっちな絵』を手に、ガイアナ姫はこう言った。
「まったく~アティナがいても、こんなもの見てたりするんだな~。男ってヤダヤダ」
散々な夜だった。
昨晩のことを意味したウインクだろうか。
(弱みを握られた気分だ……)
少し気分が暗くなるクルスだった。
そんなことお構いなしで、ガイアナ姫は笑みを作り、クルスの手を取った。
「クルス、村の入り口まで送ってくれ」
村の門の前には馬車が止められていた。
ガイアナ姫を迎えに来た馬車だ。
その周りには護衛の兵士が数名待機している。
「ガイアナ姫、帰りは馬車なんですか?」
クルスは疑問に思ったことを素直に問い掛けた。
「ん? 変か?」
ガイアナ姫は眉を上げた。
「変って言うか……いつも馬に乗って来るじゃないですか?」
ゲームでもいつもそうだった。
馬車に乗るのはエンディングでドレスを着て結婚式に向かう時だけだった。
「ああ……。ちょっと考え事したいんでな」
真剣な顔だった。
(考え事? 一体何だろう?)
質問したかったが、ガイアナ姫だって立派な貴族だ。
しかも一国を治める王の娘だ。
その姫が真顔で考え事がしたいと言った。
多少仲良くなったとはいえ、そんな身分のお方がどんなことを考えているか訊くのは、庶民として踏み込み過ぎだと思った。
「じゃあ。クルス。またな」
そう言い残すと、ガイアナ姫は馬車に乗り込んだ。
クルスは昼にパルテノ村を出るつもりだ。
その前に、パン屋に寄ることにした。
もちろん、アティナに会っておきたかったからだ。
「あ、クルス!」
「アティナ!」
会った瞬間、お互い自然と相好を崩す。
笑顔のまま二人で見つめ合った後、アティナの方から話し掛けた。
「今日、出発するんだよね」
「うん」
アティナが眉根を寄せ心配そうな顔になる。
「大丈夫だよ。無事にアポロの花を持って帰って来るよ」
「うん……」
アティナは目を伏せた。
彼女は知らない。
クルスがパルテノ村を離れたら、自分に災いが起こるかもしれないということを。
「アティナ、信じてくれないかもしれないけど……話しておくよ」
クルスは息を吸い込み、鼓動を落ち着かせ様とした。
だが、心臓は早鐘を打つ様に激しく律動するばかりだった。
「何? クルス。改まって……」
つづく
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