ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第7話 この世界におけるゴブリンについて

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「ここがユウタの部屋だ」

 ネスコが僕に与えてくれたのは、とても細長い空間だった。
 寝そべることくらいしか出来ない。

「明日はクエストだから、良く寝ておくように」

 僕はその言葉に従った。
 枕に頭を乗せた。
 色々あった一日だった。
 疲れているはずなのに、頭の中は冴えていた。
 この日最後に起きた出来事。
 エルフの少女、フィナと出会ったせいだ。
 彼女に一目惚れした僕は、何も出来ず悶々としていた。
 恋愛をする気は無い。
 過去の出来事がフィナへの思いを妨げる。

<起きてる?>

 脳内に直接声を掛けられる感じ。
 リンネの声だ。
 フレンドリストに登録したメンバー同士は、脳内で通信が出来る。

「うん」
<ギルドが大変なことになってる>

 リンネは僕が去った後の鉄騎同盟について話してくれた。
 ペガサス旅団が攻めて来たこと。
 それを返り討ちにしたこと。
 その後すぐに、ペガサス旅団のバックについてるギルド『DEATH』が話をつけに来たこと。

「DEATHが……」

 僕は絶句した。
 5大ギルドの一つDEATHが身近で行動したことに。
 世界には大小様々なギルドが存在するが、そのほとんどは5大ギルドのどれかの傘下に入っている。

<ナオシゲが殺られた>
「え……」

 お調子者で僕には優しかった角刈りの武闘家。
 ナオシゲの笑顔が僕の脳内を通り過ぎて行った。
 僕が『永遠の回復補助エターナル・リカバリー・アシスト』を解除したせいで、かつての仲間が死んだ。

「『絶対成敗』は動いたのか?」

 絶対成敗もまた5大のギルドの一つ。
 絶対成敗は鉄騎同盟のバックについている。

<まだ話してない>

 そこで通話は途切れた。
 僕の方から通話を送るが、リンネからの反応は無い。
 僕の胸はざわついた。
 今日は一睡も出来そうにない。



「おはよう」

 僕の顔に緑色の髪が覆い被さる。
 エルフの少女フィナ。

「お、おはようございます……」
「もう。敬語なんて使わないでよ。同じギルメンなんだからさ」

 ツヤのある長い髪の間から飛び出した尖がった耳がピクピク動いている。
 大きなブラウンの瞳に僕の寝ぼけ顔が映り込んでいる。

「今日はイタヲ村に現れるゴブリンの討伐クエストよ。皆でパーティを組んで行くんだから。ユウタも早く準備してね」

 ゴブリンは魔王が召喚するモンスターの中で、最もポピュラーだ。
 緑色の肌をしていて、背丈は130cmから150cm。
 醜い顔は常にしかめられている。
 強さは個体によってばらつきがあり、武器を巧みに使う者もいれば、低級な魔法を使う者もいる。
 まだまだ謎の多いモンスターだが、群れを成し集団で行動することが確認されている。
 レベル20の者であれば、余程の集団を成していなければ苦労せず倒すことが出来る。

「ゴブリンは10体。集団で夜な夜なイタヲ村の畑を荒らし、農作物を盗んでいるとのことだ。今回はユウタの戦力を確認したいから、5人全員でパーティを組んで行く」

 ギルドホールの会議室にネスコの声が響く。

「たった10匹のゴブリンに俺達全員が出動とは。人件費かかるなあ」

 そうボヤくのは狼男のトウマ。
 彼は何か腕に注射を打っていた。

「トウマ。『ポン』はやめろって言ってるだろ」

 ネスコに怒られるが、トウマは無視していた。

つづく
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