ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

文字の大きさ
68 / 199

第68話 5大ギルドマスター集結! 救世主の命を狙う者達

しおりを挟む
 リンネと向かい合ったまま、私は数時間前のことを思い出していた。

 私は姫の城にいた。
 私だけでは無い。
 5大ギルドのギルドマスター全てが招集されていた。

「待たせたな」

 久々に姫の姿を見た。
 この世界の人間を統べる者、それが姫。
 黒く大きな瞳に通った鼻筋。
 唇は桜の花びらを二枚重ねた様に小さい。
 逆三角形の小さい顔を、ツヤツヤの黒髪が囲む。
 女の私が見ても、ため息が出る程美しかった。

「今日緊急に集まってもらったのは他でもない。遂に救世主が見つかったのだ」

 鈴の音が鳴る様な声が、広間に響いた。
 驚く者、表情ひとつ変えない者、口角を上げる者、黙り込む者。
 それぞれの胸の内を反映するかの様に、誰一人同じリアクションを取る者はいない。
 姫は私の目をじっと見た。
 姫は遂に私を救世主と認めてくれなかった。
 そのことが私をどれほど傷付けたか。

「救世主とはどんな奴だ? 会わせてくれ」

 マリアンが声を上げる。
 彼女がギルドマスターをつとめるDEATHは魔王討伐に消極的だ。
 救世主の登場を快く思っていない。

「今はまだ、お披露目することは出来ない」
「何故?」
「救世主はまだ脆弱な存在なのだ」
「だったら、我らDEATHが守るべきだ」

 その言葉を、姫は手で制した。
 マリアンが不機嫌そうに尋ねる。

「おいおい、なんでだよ」
「それはあなた方が一番良く分かっているはず」
「へっ。我々が、この世界を救う救世主様に危害を加える訳が無いじゃないか」

 姫の皮肉を、マリアンは受け取った様だ。
 彼女は真っ赤な髪を指で遊びながら鼻で笑った。

「まぁまぁ、マリアン様。いずれ救世主殿に会える時が来るでしょう。あなただって倒すなら強い相手の方が良いでしょう? その時の楽しみにとっておけば……」

 笑いながらそう言うのは、富の会のギルドマスター、ロゼ。
 彼女のギルドもどちらかといえば、魔王討伐には乗り気でない。

「救世主なぞこの世界のバグだ。興味がある。どんな奴か」

 丸眼鏡をクロスで拭きながらそう言うのは、ジャヴァ・パイソンのギルドマスター、アスミ。
 彼女のギルドは中立的立場だった。

「救世主様……早く会ってみたいものですわ……」

 メイド服のスカートを両の拳で握り締め、目を輝かせているのは絶対成敗のギルドマスター、モモ。
 ポンの商売を奪われた彼女のギルドは、大きな収入源を失った。
 そのため、5大ギルドの中で最底辺の地位になった。
 立ち位置的には、魔王討伐には積極的だ。

「ガイアは救世主についてどう思う?」

 マリアンが私に問い掛ける。
 私は笑顔を作り、こう言った。

「全力で支援するまでです」

 その後、話題は変わり、お互い情報交換を行った。(といっても、皆、それぞれが持つ本当に有益な情報は伏せているだろう)
 最後に、姫が場を締める様にこう言った。

「皆、思いはそれぞれあると思うが、救世主が見つかったことで魔王討伐に向けて一致団結してほしい」

 解散となった場から、皆、去って行く。
 城を出たところで、通信が入った。

<ガイア>

 姫からだ。

「何でしょう?」
<話したいことがあります。戻って来てください>

つづく
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~

あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。 それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。 彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。 シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。 それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。 すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。 〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟 そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。 同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。 ※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。

【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい

冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。 何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。 「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。 その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。 追放コンビは不運な運命を逆転できるのか? (完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

処理中です...