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第88話 おじいちゃんは廃人ゲーマー。学校休んで廃課金プレイ。
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「げほ!」
竜神の剣で背中から腹まで刺し貫かれたユウタは、口から血を吐いた。
彼のHPが減少していく。
「マリアン! ユウタは救世主なのです!」
ガイアが私に向かって叫ぶ。
「だから、どうした!?」
「彼こそが本当の救世主なのです。私は今、それを認めました。だから、彼を殺してはならない」
ガイアの表情はユウタと対峙していた時より、穏やかになっていた。
何かを受け入れたといった感じだ。
突然、背中に衝撃を感じた。
緑の髪が視界に入る。
「この悪者! ユウタから離れろ!」
フィナが私に向かってヒノキの棒を振り回す。
「うるさい!」
私は彼女を足蹴にした。
フィナは華奢な体をくの字にさせ、後方の木の幹に激突した。
「魔王が倒されれば、この世界が終わる! だから、それだけは阻止せねばならん!」
「何故です? 魔王は災厄でしかない!」
ガイアが問う。
「私はこの世界の王になるからだ」
私の祖父が言っていた。
地球より、この世界の方が素晴らしいと。
彼はこの世界はゲームで、地球に戻ろうと魔王に戦いを挑む仲間を殺したこともあると言っていた。
祖父は地球では廃人と呼ばれていたらしい。
廃人とは、ネットゲームにはまりこんで社会と接点を持てなくなった人間のことだ。
ゲームの世界から本当に出られなくなった祖父は、この世界で生きることを歓迎していた。
最初からこの世界に生まれた私には分からない感覚だが、ゲームが仮想からリアルに移行したのは廃人ゲーマーにとって理想郷だった様だ。
狩り場で毎日の様にモンスターを狩り、素材を手に入れ、武器を強化し、ギルドを作り、仲間を集め、クエストをクリアする。
祖父は誰にも文句を言われず、その日々を楽しんでいた。
私は彼に言わせると、電子データらしい。
私の父もまた、そうだ。
血を受け継ぐことが出来ない代わりに、考えだけはしっかり受け継いだ。
祖父から、この世界の生き方や楽しみ方を学んだ。
お陰で誰よりも早く高いレベルに到達出来たし、この世界最大のギルドのマスターにもなれた。
そう。
私には、廃人の思想が流れている。
地球という現実に戻ることを、この思想が拒んでいるのだ。
だから、救世主は殺さなければならない。
一生ゲームの中に閉じこもっているためには。
「死ねぇ! ユウタ!」
私は両手に力を籠め、竜神の剣の柄をグルリと回す。
ユウタの背中がえぐれる。
「マリアン、僕達はそれでも、魔王を倒さなければならないんだ!」
叫ぶユウタの身体が光り輝いた。
つづく
竜神の剣で背中から腹まで刺し貫かれたユウタは、口から血を吐いた。
彼のHPが減少していく。
「マリアン! ユウタは救世主なのです!」
ガイアが私に向かって叫ぶ。
「だから、どうした!?」
「彼こそが本当の救世主なのです。私は今、それを認めました。だから、彼を殺してはならない」
ガイアの表情はユウタと対峙していた時より、穏やかになっていた。
何かを受け入れたといった感じだ。
突然、背中に衝撃を感じた。
緑の髪が視界に入る。
「この悪者! ユウタから離れろ!」
フィナが私に向かってヒノキの棒を振り回す。
「うるさい!」
私は彼女を足蹴にした。
フィナは華奢な体をくの字にさせ、後方の木の幹に激突した。
「魔王が倒されれば、この世界が終わる! だから、それだけは阻止せねばならん!」
「何故です? 魔王は災厄でしかない!」
ガイアが問う。
「私はこの世界の王になるからだ」
私の祖父が言っていた。
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祖父は地球では廃人と呼ばれていたらしい。
廃人とは、ネットゲームにはまりこんで社会と接点を持てなくなった人間のことだ。
ゲームの世界から本当に出られなくなった祖父は、この世界で生きることを歓迎していた。
最初からこの世界に生まれた私には分からない感覚だが、ゲームが仮想からリアルに移行したのは廃人ゲーマーにとって理想郷だった様だ。
狩り場で毎日の様にモンスターを狩り、素材を手に入れ、武器を強化し、ギルドを作り、仲間を集め、クエストをクリアする。
祖父は誰にも文句を言われず、その日々を楽しんでいた。
私は彼に言わせると、電子データらしい。
私の父もまた、そうだ。
血を受け継ぐことが出来ない代わりに、考えだけはしっかり受け継いだ。
祖父から、この世界の生き方や楽しみ方を学んだ。
お陰で誰よりも早く高いレベルに到達出来たし、この世界最大のギルドのマスターにもなれた。
そう。
私には、廃人の思想が流れている。
地球という現実に戻ることを、この思想が拒んでいるのだ。
だから、救世主は殺さなければならない。
一生ゲームの中に閉じこもっているためには。
「死ねぇ! ユウタ!」
私は両手に力を籠め、竜神の剣の柄をグルリと回す。
ユウタの背中がえぐれる。
「マリアン、僕達はそれでも、魔王を倒さなければならないんだ!」
叫ぶユウタの身体が光り輝いた。
つづく
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