ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第165話 地球は僕らを受け入れてくれるのか

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「てめぇ! この野郎!」

 溶けて消えた戦士の仇とばかりに、残された4人のメンバーがサンドウオームを袋叩きにする。
 彼らは逃げ惑うモンスターを引き裂き、焼き上げ、引きつぶした。
 その姿は人間というよりもモンスターだった。
 まるでもがき苦しむサンドウオームの様子を楽しんでいるかのようだった。
 そんな彼らの背後から土煙を上げて、数十体のサンドウオームが向かってくる。
 仲間の危機を感知して駆け付けているのだ。

「お、おい! あれ!」

 武闘家の青年が気付いた時にはもう遅かった。

「げふ!」
「ぐぴゃ!」
「ぶっぴ!」

 仲間達は次々サンドウオームから吐き出される粘液の餌食になっていた。
 最後に残った武闘家の青年は15体のサンドウオームに囲まれていた。

「すまん!」

 土下座した額にザラザラした砂の感触が伝わる。
 それが最後に彼が感じたこの世界での感触だった。



 5機のドローンは煙を出しながら、墜落して行った。
 兵士達は地面に激突しひしゃげたドローンを拾い上げた。
 銃器を取り上げ、中央に埋め込まれたCPUやメモリが搭載された小型コンピュータを特殊な機械で抜き取った。



 魔界プロジェクトの電子的な世界と、現実の地球ちきゅうとの間で、この様な惨状が繰り返されていた。



 山羊の段のボスモンスターは、タキシードを着た人間の身体に山羊の頭という姿だった。
 倒すのに多少苦労はした。
 が、世界更新アップデート後の難易度調整の後とあってはラストダンジョンのボスモンスターといえど、往時の勢いはなかった。

「リンネ」
「うん」

 アスミに声を掛けられる。
 私は思ったことを口にする。

「これで地球ちきゅうの人間が一人死んだわけか」
「そうだ」

 私達がモンスターを倒すことで、命が消えていく。
 それは私達が魔王を倒し、戻ろうとしている世界に住む人間の世界だった。

「魔王を倒す、つまりゲームをクリアしたら戦争に勝利するということか?」

 私の問いにアスミは無言で頷いた。

「魔王とは地球ちきゅうでいうところの何者なのだ」
「A国の王」

 日本の敵国であるA国を統べる者。
 魔王はその人物と紐づけられている。



「僕達は地球ちきゅう上の人間を殺していたのか……」

 ネスコの言葉に僕は酷くショックを受けた。
 転生を夢見て戦って来た。
 その生まれ変わる先の世界に住む住人達を僕は殺して来た。

「僕達はただ利用されていただけなんだね……。無料のオモチャで釣られ、沢山の人間達がゲームを遊んでると思わされながら、実際は人を殺していた」
「ユウタ。それが真実だ」
「そりゃ、誰も実際に戦いたくなんてないよね。日本も良く考えたもんんだよ。徴兵するよりも面白いゲームで遊ばせた方が人も集まるし、モンスターを倒しても罪の意識は無い」
「そして、お前はそれでも戦わなくてはならない」

 ネスコの肉球が優しく僕の肩を叩いた。

つづく
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