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第167話 本当に帰れるの?
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僕は11段目の水がめ座の段で、皆と合流した。
「ユウタ、もう戻ってこないと思ったぞ!」
マリアンが僕の手を力強く握りしめ、喜ぶ。
「ユウタさん、私、安心しました」
ガイアは僕の側まで来ると、僕の肩に小さな頭を傾けた。
「ちょっと、フィナのユウタに何するの!」
フィナがマリアンとガイアを僕に近づけまいと、ヒノキの棒を振り回す。
「よくやるよ。まったく」
少し離れたところにいるリンネのつぶやきが聞こえて来た。
「皆、聞いてくれ!」
僕は皆を見渡した。
同時にステータスも確認する。
HP、MPともそれ程減少していなかった。
「これからは、なるべくモンスターを倒さずに進もう!」
「何故だ、奴らは敵だぞ」
マリアンが声を上げる。
「いくら難易度が易しくなったとしても、慎重に行くべきだ。魔王が弱くなったとは思えない。今はHPとMPを温存し最後の戦いに臨むべきだ」
これは僕なりに考えた嘘ではある。
モンスターを殺すことで地球の人間が死ぬ。
皆は真実を知る必要はない。
これまで殺して来たモンスターのことは仕方がない。
ならば、少しでも犠牲を減らす。
倒すべきボスモンスターと魔王のみを倒して進むしかない。
「じゃ、モンスターが現れれば、逃げるということですね」
ガイアの確認に、僕は大きく頷いた。
「逃げるなんて戦士の恥だな」
マリアンが不満そうに言う。
◇
魚座の段に足を踏み入れた。
ここを攻略すれば、魔王と一騎打ちになる。
いよいよゲームも終わりだ。
「うわぁ! 綺麗!」
フィナがテンション高く飛び跳ねる。
濃い水色の天井と壁。
床は真っ黒だった。
天井には光の球が等間隔で設置されていて、真っ黒な床に白い斑点を作っている。
パーティはボスモンスターが生息するであろう場所を探索する。
「ユウタ」
リンネが声を掛けて来る。
「今のは嘘だろう」
「え?」
とぼけたが彼女にはお見通しの様だった。
「アスミから聞いた。モンスターを殺せば地球の人間が死ぬと」
「そうなんだ」
「甘いな。ユウタ。逃げても襲ってくるしつこいモンスターが現れたら私は迷わず殺す」
「リンネ……」
「そして、お前の命を狙うモンスターが現れたら迷わず私は、それを殺す」
辛いが嬉しい言葉だった。
「ところで、本当に地球に戻れるのか。それが心配だ」
改めてそう言われてみれば、気になる。
魔王を倒せば地球に戻れる。
それは、そうなるであろうという予測でしかなかった。
そして、それは僕らの希望だった。
人間としての肉体が地球に残された、レゴラスの様な者達はゲームがクリアされれば戻れるだろう。
戻る器があるのだから。
だが、僕らの様なゲームに閉じ込められた人間がゲームの中で作り出した存在は地球に転生できるのだろうか。
終わりのない旅を続けているころは、それは夢として僕らの気持ちを支えていた。
だけど、ゲームクリアが目前となった今、それは、本当にそうなるのか? という不安に変わりつつあった。
つづく
「ユウタ、もう戻ってこないと思ったぞ!」
マリアンが僕の手を力強く握りしめ、喜ぶ。
「ユウタさん、私、安心しました」
ガイアは僕の側まで来ると、僕の肩に小さな頭を傾けた。
「ちょっと、フィナのユウタに何するの!」
フィナがマリアンとガイアを僕に近づけまいと、ヒノキの棒を振り回す。
「よくやるよ。まったく」
少し離れたところにいるリンネのつぶやきが聞こえて来た。
「皆、聞いてくれ!」
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「これからは、なるべくモンスターを倒さずに進もう!」
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マリアンが声を上げる。
「いくら難易度が易しくなったとしても、慎重に行くべきだ。魔王が弱くなったとは思えない。今はHPとMPを温存し最後の戦いに臨むべきだ」
これは僕なりに考えた嘘ではある。
モンスターを殺すことで地球の人間が死ぬ。
皆は真実を知る必要はない。
これまで殺して来たモンスターのことは仕方がない。
ならば、少しでも犠牲を減らす。
倒すべきボスモンスターと魔王のみを倒して進むしかない。
「じゃ、モンスターが現れれば、逃げるということですね」
ガイアの確認に、僕は大きく頷いた。
「逃げるなんて戦士の恥だな」
マリアンが不満そうに言う。
◇
魚座の段に足を踏み入れた。
ここを攻略すれば、魔王と一騎打ちになる。
いよいよゲームも終わりだ。
「うわぁ! 綺麗!」
フィナがテンション高く飛び跳ねる。
濃い水色の天井と壁。
床は真っ黒だった。
天井には光の球が等間隔で設置されていて、真っ黒な床に白い斑点を作っている。
パーティはボスモンスターが生息するであろう場所を探索する。
「ユウタ」
リンネが声を掛けて来る。
「今のは嘘だろう」
「え?」
とぼけたが彼女にはお見通しの様だった。
「アスミから聞いた。モンスターを殺せば地球の人間が死ぬと」
「そうなんだ」
「甘いな。ユウタ。逃げても襲ってくるしつこいモンスターが現れたら私は迷わず殺す」
「リンネ……」
「そして、お前の命を狙うモンスターが現れたら迷わず私は、それを殺す」
辛いが嬉しい言葉だった。
「ところで、本当に地球に戻れるのか。それが心配だ」
改めてそう言われてみれば、気になる。
魔王を倒せば地球に戻れる。
それは、そうなるであろうという予測でしかなかった。
そして、それは僕らの希望だった。
人間としての肉体が地球に残された、レゴラスの様な者達はゲームがクリアされれば戻れるだろう。
戻る器があるのだから。
だが、僕らの様なゲームに閉じ込められた人間がゲームの中で作り出した存在は地球に転生できるのだろうか。
終わりのない旅を続けているころは、それは夢として僕らの気持ちを支えていた。
だけど、ゲームクリアが目前となった今、それは、本当にそうなるのか? という不安に変わりつつあった。
つづく
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