ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。

yonechanish

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第187話 私の大好きな人

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「ユウタ、よくやったわ!」

 エリスが僕の手を取って喜ぶ。
 僕より頭一つ背が低い彼女。
 僕の胸に飛び込み、上目遣いで見上げて来る。

「やっぱり、ユウタをずっと待ってて良かった」
「待っててくれたんだ」
「うん……」

 二人にしか分からない過去。
 僕にとっては忌まわしかった。
 彼女に裏切られたからだ。
 だけど、彼女と再会したことで僕の心の中のしこりが溶けていく。

「僕は君が本当にあの男に魂を売ったのかと、不安でたまらなかったし、悲しくて君を恨んでた」

 僕は胸の内を吐露する。
 積年の想いが堰を切ったように、心の奥底から湧き出て来る。

「……ごめん。あの時は、ああするしかなかったの」

 二人で逃げよう。
 奴隷生活から自由になろう。
 そう決めた夜。
 二人で外に飛び出した。
 一緒に逃げて、二人を誰も知らないところで平和に暮らそう。
 だけど、逃げる途中で彼女は裏切った。

「でも、ユウタのことはずっと想ってたよ」

 涙を浮かべた目元に触れた。
 刹那、僕は彼女を抱き寄せた。

「もう離さない!」
「私もっ!」



 あの人は、きっと魔王に魅入られているだけ。
 私はそう思っている。
 兎に角、あの女が魔王なら、倒してしまえばいい。
 地球《ちきゅう》に転生さえすれば、あの女はもう関係ない。
 あの女……魔王を倒す!
 ユウタもろとも。

「ユウタさん! ゴメン!」

 私は全てのMPを使い切る。

「聖戦《ジハード》」

 最強の聖魔法を唱え切った。
 私の両手から放たれた光が拡散し、ユウタとあの女を包み込む。
 瞬時にして辺り一面、白く染まり無の世界になる。
 改良版ダメージ計算式により、通常の数十倍のダメージを与えたはず。
 これで、あの女もろともユウタは消し飛んだ。

「ガイアさん! ごめん!」

 白き無の世界に突如、黒い裂け目が出来た。
 そこから黒い光が何本も帯状に噴き出してくる。
 それらが私めがけて襲い掛かる。

「ユウタ……さん……」

 私は目を疑った。
 黒い裂け目が徐々に広がり、中からユウタとあの女が現れた。
 ユウタのHPは1。
 彼は瀕死の状態になり私に向かって奇跡を発動したんだ。
 徐々に白き無の世界は、元通り埃っぽい街の風景に戻って行った。

「ごめんなさい」

 ユウタが私に向かって謝る。
 私は無数の黒い光に刺し貫かれ、死を待つ状態だった。
 それでも、彼の言葉はしっかりと聞こえた。

「私こそ……ごめんなさい」

 あなたを救えなくて。

「私、ユウタさんのために生きて来れて良かった……」

つづく
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