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第187話 私の大好きな人
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「ユウタ、よくやったわ!」
エリスが僕の手を取って喜ぶ。
僕より頭一つ背が低い彼女。
僕の胸に飛び込み、上目遣いで見上げて来る。
「やっぱり、ユウタをずっと待ってて良かった」
「待っててくれたんだ」
「うん……」
二人にしか分からない過去。
僕にとっては忌まわしかった。
彼女に裏切られたからだ。
だけど、彼女と再会したことで僕の心の中のしこりが溶けていく。
「僕は君が本当にあの男に魂を売ったのかと、不安でたまらなかったし、悲しくて君を恨んでた」
僕は胸の内を吐露する。
積年の想いが堰を切ったように、心の奥底から湧き出て来る。
「……ごめん。あの時は、ああするしかなかったの」
二人で逃げよう。
奴隷生活から自由になろう。
そう決めた夜。
二人で外に飛び出した。
一緒に逃げて、二人を誰も知らないところで平和に暮らそう。
だけど、逃げる途中で彼女は裏切った。
「でも、ユウタのことはずっと想ってたよ」
涙を浮かべた目元に触れた。
刹那、僕は彼女を抱き寄せた。
「もう離さない!」
「私もっ!」
◇
あの人は、きっと魔王に魅入られているだけ。
私はそう思っている。
兎に角、あの女が魔王なら、倒してしまえばいい。
地球《ちきゅう》に転生さえすれば、あの女はもう関係ない。
あの女……魔王を倒す!
ユウタもろとも。
「ユウタさん! ゴメン!」
私は全てのMPを使い切る。
「聖戦《ジハード》」
最強の聖魔法を唱え切った。
私の両手から放たれた光が拡散し、ユウタとあの女を包み込む。
瞬時にして辺り一面、白く染まり無の世界になる。
改良版ダメージ計算式により、通常の数十倍のダメージを与えたはず。
これで、あの女もろともユウタは消し飛んだ。
「ガイアさん! ごめん!」
白き無の世界に突如、黒い裂け目が出来た。
そこから黒い光が何本も帯状に噴き出してくる。
それらが私めがけて襲い掛かる。
「ユウタ……さん……」
私は目を疑った。
黒い裂け目が徐々に広がり、中からユウタとあの女が現れた。
ユウタのHPは1。
彼は瀕死の状態になり私に向かって奇跡を発動したんだ。
徐々に白き無の世界は、元通り埃っぽい街の風景に戻って行った。
「ごめんなさい」
ユウタが私に向かって謝る。
私は無数の黒い光に刺し貫かれ、死を待つ状態だった。
それでも、彼の言葉はしっかりと聞こえた。
「私こそ……ごめんなさい」
あなたを救えなくて。
「私、ユウタさんのために生きて来れて良かった……」
つづく
エリスが僕の手を取って喜ぶ。
僕より頭一つ背が低い彼女。
僕の胸に飛び込み、上目遣いで見上げて来る。
「やっぱり、ユウタをずっと待ってて良かった」
「待っててくれたんだ」
「うん……」
二人にしか分からない過去。
僕にとっては忌まわしかった。
彼女に裏切られたからだ。
だけど、彼女と再会したことで僕の心の中のしこりが溶けていく。
「僕は君が本当にあの男に魂を売ったのかと、不安でたまらなかったし、悲しくて君を恨んでた」
僕は胸の内を吐露する。
積年の想いが堰を切ったように、心の奥底から湧き出て来る。
「……ごめん。あの時は、ああするしかなかったの」
二人で逃げよう。
奴隷生活から自由になろう。
そう決めた夜。
二人で外に飛び出した。
一緒に逃げて、二人を誰も知らないところで平和に暮らそう。
だけど、逃げる途中で彼女は裏切った。
「でも、ユウタのことはずっと想ってたよ」
涙を浮かべた目元に触れた。
刹那、僕は彼女を抱き寄せた。
「もう離さない!」
「私もっ!」
◇
あの人は、きっと魔王に魅入られているだけ。
私はそう思っている。
兎に角、あの女が魔王なら、倒してしまえばいい。
地球《ちきゅう》に転生さえすれば、あの女はもう関係ない。
あの女……魔王を倒す!
ユウタもろとも。
「ユウタさん! ゴメン!」
私は全てのMPを使い切る。
「聖戦《ジハード》」
最強の聖魔法を唱え切った。
私の両手から放たれた光が拡散し、ユウタとあの女を包み込む。
瞬時にして辺り一面、白く染まり無の世界になる。
改良版ダメージ計算式により、通常の数十倍のダメージを与えたはず。
これで、あの女もろともユウタは消し飛んだ。
「ガイアさん! ごめん!」
白き無の世界に突如、黒い裂け目が出来た。
そこから黒い光が何本も帯状に噴き出してくる。
それらが私めがけて襲い掛かる。
「ユウタ……さん……」
私は目を疑った。
黒い裂け目が徐々に広がり、中からユウタとあの女が現れた。
ユウタのHPは1。
彼は瀕死の状態になり私に向かって奇跡を発動したんだ。
徐々に白き無の世界は、元通り埃っぽい街の風景に戻って行った。
「ごめんなさい」
ユウタが私に向かって謝る。
私は無数の黒い光に刺し貫かれ、死を待つ状態だった。
それでも、彼の言葉はしっかりと聞こえた。
「私こそ……ごめんなさい」
あなたを救えなくて。
「私、ユウタさんのために生きて来れて良かった……」
つづく
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