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痺れ
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何の返事もしていないのに野菜炒めとご飯が運ばれて、向かいに柳瀬さんが座る。
「蒼ってさ。細いけど普段ちゃんと食べてるの?」
「……コンビニの、おにぎりとか」
「へぇ。お金持ってるんだから、もっと良い物食べたらいいのに。
夜はまだ?」
「……うん」
「そしたら、食べられるだけでいいから食べたら」
お皿に盛られている野菜炒めが、
にんじんの赤やピーマンの緑と共にぐちゃぐちゃに混ざり合っているように見える。
これもきっと、昨日のおかゆみたいに胃の中で不快に残るのだろうと思う。
「いただきます」
柳瀬さんが丁寧に手を合わせて箸を握る。
食べたくないな、こんな、得体の知れないもの。
仕方なく箸を握った手が強く痺れて、それを思わず机に落とす。
先ほど強く壁を叩いたから、手の痺れがまだ抜けていない。
「手、少し赤くなってるじゃん」
伸びてきた手が、そっと手の平に触れる。
引っ掻くでも強く握るでもない触れ方に悪寒が走る。
「冷やす?」
「そんな……大層なものじゃ、ない」
慣れない感覚に上手く言葉が出せなかった。
手を握られているような、撫でられているような優しい触れ方に、
手の痺れは腕へ、心へと広がっていっているように感じた。
「蒼ってさ。細いけど普段ちゃんと食べてるの?」
「……コンビニの、おにぎりとか」
「へぇ。お金持ってるんだから、もっと良い物食べたらいいのに。
夜はまだ?」
「……うん」
「そしたら、食べられるだけでいいから食べたら」
お皿に盛られている野菜炒めが、
にんじんの赤やピーマンの緑と共にぐちゃぐちゃに混ざり合っているように見える。
これもきっと、昨日のおかゆみたいに胃の中で不快に残るのだろうと思う。
「いただきます」
柳瀬さんが丁寧に手を合わせて箸を握る。
食べたくないな、こんな、得体の知れないもの。
仕方なく箸を握った手が強く痺れて、それを思わず机に落とす。
先ほど強く壁を叩いたから、手の痺れがまだ抜けていない。
「手、少し赤くなってるじゃん」
伸びてきた手が、そっと手の平に触れる。
引っ掻くでも強く握るでもない触れ方に悪寒が走る。
「冷やす?」
「そんな……大層なものじゃ、ない」
慣れない感覚に上手く言葉が出せなかった。
手を握られているような、撫でられているような優しい触れ方に、
手の痺れは腕へ、心へと広がっていっているように感じた。
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