26 / 58
痺れ
しおりを挟む
綺麗に笑う人だな、と思う。
僕が接してきた人の笑みは、唇の端だけを上げた嫌な笑みが多かったのに。
「……でも、お金が勿体ない」
「別にセックスするためにお金払ってる訳じゃないし。
楽しければそれで良いよ」
楽しい?
無理矢理口に含んだ野菜炒めを咀嚼しながら、彼の顔を覗いた。
柔らかな表情だ。
小説を読んで、DVDを見て、寝てしまうような僕と一緒にいて、楽しいとは何だろう。
「良かったらDVDも持っていく?
最後の方少し見れてないでしょ」
「……家、DVD見れないから」
「へー今時珍しいね。
そしたらまた、次かな。
小説は是非持っていってよ」
「……うん」
今まで接してきた、どの客とも違う。
柳瀬さんは、一体何を企んでいるのだろう。
野菜炒めとご飯を胃の中に流し込んで、柳瀬さんと別れた。
また、指名すると言っていた。
「お疲れ様です、蒼さん」
車に乗り込むと、いつも通りに神崎さんが声をかけてくる。
「家に、帰る」
「はい、その紙袋は、貰い物ですか?」
「……うん、信じられないくらい甘い恋愛の、話」
「そうですか」
紙袋を持つ手が震える。
壁を叩いた痺れはもう癒えているはずなのに、どこか、体がおかしく感じる。
僕が接してきた人の笑みは、唇の端だけを上げた嫌な笑みが多かったのに。
「……でも、お金が勿体ない」
「別にセックスするためにお金払ってる訳じゃないし。
楽しければそれで良いよ」
楽しい?
無理矢理口に含んだ野菜炒めを咀嚼しながら、彼の顔を覗いた。
柔らかな表情だ。
小説を読んで、DVDを見て、寝てしまうような僕と一緒にいて、楽しいとは何だろう。
「良かったらDVDも持っていく?
最後の方少し見れてないでしょ」
「……家、DVD見れないから」
「へー今時珍しいね。
そしたらまた、次かな。
小説は是非持っていってよ」
「……うん」
今まで接してきた、どの客とも違う。
柳瀬さんは、一体何を企んでいるのだろう。
野菜炒めとご飯を胃の中に流し込んで、柳瀬さんと別れた。
また、指名すると言っていた。
「お疲れ様です、蒼さん」
車に乗り込むと、いつも通りに神崎さんが声をかけてくる。
「家に、帰る」
「はい、その紙袋は、貰い物ですか?」
「……うん、信じられないくらい甘い恋愛の、話」
「そうですか」
紙袋を持つ手が震える。
壁を叩いた痺れはもう癒えているはずなのに、どこか、体がおかしく感じる。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる