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白い猫
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蒼という綺麗な青年とお金で買った時間を過ごしてから、
数日が経っていた。
普通では中々出来ない同性のセックスを楽しむつもりでいたのに、実際には触れることすらしていない。
不思議と、したい、とも思わなかった。
蒼は儚くて、よく分からない。
不動の一位のはずなのに、手練手管もないように思える。
ただひとつ言えることがあるとするなら、
何をした訳でもないのに彼のことで頭がいっぱいだと言うことだ。
仕事の合間に食事でもつまもうと冷蔵庫を開ければ、
そこには大した食材が入っていないことに気付く。
買い物、行かないと。
外からは雨の音がしていた。
雨の中買い物へ行くというのも面倒だが、傘をさして行く他ない。
外へ出ると、冷たい空気が一瞬で体を冷やす。
まだまだ寒いな、と体感すれば、
毛布に縋るようにくるまっていた彼のことを思い出す。
蒼は、今頃も誰かとセックスをしているのだろうか。
いくら酷くされるのが好きと言えど、
首元にあった痣なんか見つけてしまえば、心配にもなる。
さした傘に、雨粒がぶつかり、跳ねた。
今日はこれから、更に雨が強まるらしい。
近くのスーパーで買い物を終えて帰宅しようとする中、
"みぃ、みぃ"というか細い声が聞こえた。
目をやると、木の裏に段ボールが置かれており、中に小さな猫がいる。
白猫なのだろうが、薄汚れている。
当然雨でずぶ濡れだ。
猫は、俺と目が合うなり更に強く鳴く。
それはまるで何かを訴えているようだ。
「捨てられてんの?」
とりあえず、傘の中に猫を入れてやる。
顔も濡れているからか、まるで猫は泣いているようにも見える。
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