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第2章 終焉の夜
第16話 滅びゆく世界
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俺たちが隣町のエルデ町を目指して走っていると、辺りの商店街や家屋が火の海に飲み込まれて焼け野原しか映っていなかった。俺は叫びながら独り言を呟いた。
「どうなっているんだ? 全て黒魔術師がやったのか?」
「ええ、黒魔術師は国民を脅して支配するために、悪夢だけではなく力によってねじ伏せようとしています」
「なぜ黒魔術師は今日に限ってこのような攻撃をしたんだ?」
「理由は分かりませんが、黒魔術師は隣国のポルトガ王国を占領したことで彼らに自信がついたと思われます。彼らは欲を求めて、この世界を支配するために今度は私たちの国を狙い始めたのでしょう」
「ならば俺が黒魔術師の計画を食い止めるしかない」
「ええ、必ず阻止しましょう。東条様、これからもあなたのお力が必要です。私たちのためにご協力して頂けないでしょうか?」
「もちろん、協力する。俺は国を守るためなら出来る限り何でもやるさ」
「ありがとうございます。感謝します」
俺はオビリア様と話していると隣町のエルデ町に到着した。
エルデ町は既に400人以上の黒魔術師によって占拠されており、血まみれの町人が逃げ惑っていた。すると俺たちを見つけた大勢の町人が俺たちに必死な表情で駆け寄ってきた。
「オビリア女王様、この町を助けてください! 家屋は全焼して友達が殺されてしまいました! 黒魔術師を一刻も早く懲らしめてください!」
「私たちの町を取り戻してください! 私の人生が詰まった町を守ってください!」
悲壮な表情をしている町民に対してオビリア様は優しい表情と声で話しかけた。
「皆様のお気持ちは十分理解しました。とても怖くて辛かったでしょう。私たちは皆様の大切な町を奪った黒魔術師を決して許しません。皆様は一旦、私の城へ避難して頂けないでしょうか? 皆様が避難している間に私たちがこの町を取り戻します。私のために立ち上がった魔道士も同じ気持ちです」
オビリア様が俺たちに振り向くと、俺たちは小さく頷いた。
「シエラ、皆様を城へ案内して頂けますか?」
「はい、お母様」
「では皆様、シエラと一緒に城へ避難してください」
町民はシエラ様の案内に従って城へ避難しようとしていた。しかし俺たちを見つけた黒魔術師がシエラ様に向けて槍を放ってきた。高速で飛来してきた槍はシエラ様の腹を貫通し、悲鳴を上げながら地面に倒れ込んでしまった。オビリア様と町民は一斉に騒がしくなった。
「シエラ、目を覚まして! 今すぐ治療するから待っていて!」
「俺たちは終わりだ! どうすればいいんだ!」
黒魔術師の攻撃が放たれた後、大勢の黒魔術師が俺たちと町民を囲んだ。黒魔術師は円を描くように俺たちを囲み、俺たちの逃げ道を塞いだ。黒魔術師のリーダーは低い声で大笑いしていた。
「まだ生き残りがいたのかよ。お前らも俺たちの遊び道具としていじめてやるから覚悟しな」
俺たちを絶対に生かして帰らせないつもりだろう。俺は黒魔術師と戦う覚悟を決めて仲間を見回した。
「アメリア、フレイ、ミア、俺たちが逃げ道を開拓するぞ。一気に黒魔術師を仕留めるぞ」
「ええ、分かっているわ。すぐに終わらせて町民を避難させましょう」
「そうね、東条くんの言う通りだね。この町を取り返そうね」
「奴らの目的を潰すために私も戦う。だが東条、魔力が枯渇する危険性があるから衝撃波を使いすぎるな。焦る気持ちは分かるが、魔力の管理を徹底しろ」
「ミア、分かっているさ。魔力の消費を抑えて戦うさ。いくぞ!」
4人は一斉に離れ、別々に行動し始めた。
俺はオビリア様とシエラ様を狙っている黒魔術師の排除を優先した。俺は彼女らに攻撃をしようとしている黒魔術師に対して光の粒子で生成した投げナイフを連続で放った。投げナイフは黒魔術師の頭に突き刺さり、意識を失っている間に至近距離で光の球体を腹にぶつけた。黒魔術師は全身が光に包まれながら黒い灰となって爆風と共に消えた。
アメリアとフレイは協力して攻撃を開始した。アメリアは槍を構えながら彼女らに近づいてくる黒魔術師に拳銃で黒魔術師の足元を狙って発射した。そしてフレイは弾が当ってふらついている大勢の黒魔術師に対して、光を放っている大剣で彼らの腹を斬り裂いた。アメリアとフレイの連携攻撃で彼らは黒い灰となって消え始めた。
ミアは俺と同じく単独行動で戦っていた。黒魔術師はミアに目掛けて黒色の球体を一斉に発射してきた。だがミアは両手にショットガンを構えて黒い球体を光の弾と衝突させて無効化した。その後ミアは黒い球体の攻撃を回避しながら彼らに駆け寄り、銃身を彼らの額に当てながら発砲し続けた。光に覆われた彼らは銃撃音と共に黒い灰となって散らばった。さらにショットガンを捨ててから両手に剣を持ち、光を集めた剣で彼らの首を斬り裂きて激しい接近戦に切り替えた。
アメリアとフレイとミアが黒魔術師の人数を減らしている頃、俺はシエラ様の意識を失って取り乱しているオビリア様に話しかけた。
「オビリア様、俺がシエラ様を治療しようか? すぐに回復させてやる」
「東条様、お願い致します」
俺は町民に見つめられながらシエラ様の治療を始めた。まずはシエラ様に深く刺さっている槍を思いっきり抜き、すぐに血が溢れている患部に手を当てた。俺は両手に光を集めてシエラ様の腹に回復魔法を唱えた。俺はアメリアから貰った魔導書の1460ページの内容を実践した。
「患部に両手を覆い、少しずつ魔力を与え続ける。患者の負傷部分を元の状態に戻すことをイメージしながら、全身に溜まっている魔力を放出させる」
俺は1分間シエラ様の腹に手を当て続けると、シエラ様が目を開けた。俺はシエラ様から両手を離すと、シエラ様の傷口が治っていた。その光景を見ていたオビリア様と町民は歓喜して俺を称えた。
「東条様、今回も助けて頂きまして、ありがとうございます」
「さすが魔道士! よくやった!」
回復したシエラ様は立ち上がり、俺に深くお辞儀をした。シエラ様は痛みを感じず、攻撃を受ける直前のような健康状態であり、サファイアのように輝いている青色の瞳で俺を見つめていた。
「東条様、私の命を救って頂きまして、ありがとうございます。東条様は私の命の恩人です。私は東条様に何を差し上げれば宜しいでしょうか?」
「俺に気遣わなくていい。俺は平和のために戦っているだけだ。シエラ様はオビリア様と共に城へ逃げてくれ」
「ですが私はまだ東条様に恩返しができておりません」
「申し訳ないが、今は受け取れない。俺は黒魔術師を倒すために今から戦うから次回でいいか?」
「恩返しは次回の機会にさせていただきます。では私も東条様と一緒に戦います」
「シエラ様はオビリア様と一緒に休んでくれ。俺が町民の命を救う」
「いいえ、私も戦います。私も町民の命やアルストレイア王国を救うためにここに来ました。私のことは気にしないでください」
「分かった、絶対に無理をしないでくれ。オビリア様はどうする?」
「私はシエラの護衛に回ります」
「ああ、オビリア様も気をつけてくれ。今度の黒魔術師は一筋縄ではいかないから危険だと思ったら俺に構わず逃げてくれ」
「承知致しました。ありがとうございます」
「一気に黒魔術師を仕留めるぞ!」
俺は町民を囲んでいる黒魔術師に対して攻撃を再開した。彼らの人数は俺の仲間のお陰で徐々に減り、残り約150人になった。
俺は町民に対して攻撃を仕掛ける黒魔術師に向けて右手で構えているハンドガンで光の弾を彼らの額に向けて発射した。そして混乱している彼らに対して左手で構えている槍で彼らの鳩尾を突き刺した。槍から大量の光の粒子が溢れ出し、彼らは光の集合体に包まれながら黒い灰となって消えた。
オビリア様とシエラ様は一緒に直径2メートルの魔法陣を目の前に生成していた。白熱電球のように光を放っている魔法陣はバリアのように黒魔術師が何百発も放っている黒色の球体を防いだ。黒魔術師が黒い球体を生成している瞬間、彼女らは魔法陣から目を覆うほど輝いている太い光線を放った。彼女らが放った光線は攻撃力が弱いが、彼らの腹を貫通して弱らせることに成功した。そして黒魔術師が怯んでいる間に俺が素早く彼らの背後に回り込んでから槍を突き刺してトドメを刺した。
午前3時、俺たちがエルデ町を支配していた黒魔術師をすべて倒した。俺は必死に戦い抜いたアメリア、フレイ、ミアに駆け寄った。彼女らは大汗をかいていたが傷はなかった。
「アメリア、大丈夫か?」
「ええ、私たちは無事わよ。東条くんは平気?」
「ああ、俺は平気だ。アメリア、ありがとう。フレイもお疲れ様」
「東条くんも無事で良かったよ。私たちはエルデ町を守れたね」
「そうだな、フレイもよく頑張った。ミアも大変だったな」
「私は心配しなくていい。東条のほうが厳しい戦いだったと思う」
「ミアも接近戦で戦ってくれて、ありがとう。全員無事で良かったぜ」
俺は仲間の無事を確認して、4人で握手を交わした。
午前3時10分、俺たちは水の魔法を唱えて消火活動を終えると町民は俺たちを大きな拍手で称えた。
「よくやってくれた! ありがとう、魔道士様!」
「この町を救って頂きまして、ありがとうございます」
俺たちは笑顔を取り戻した町民に褒められていたが、町民たちの間を縫って1人の少女が割り込んできた。少女は俺たちに近づき、悲壮な表情で頼み込んだ。少女は金髪のミディアムヘアー、茶色を基調とした魔法学校の制服、身長157センチのFカップの体型、黄色に輝く瞳が特徴である。
「私は魔道士のエレナです。あなたが東条さんですか?」
「そうだ」
「お願いがあります。私に力を貸してください。魔法学校が黒魔術師に占拠されてしまいました」
「魔法学校には何人の生徒が閉じ込められている?」
「私以外、全員の生徒が黒魔術師に監視されて動けない状況です。教師は貴族に雇われている魔道士によって生徒を置いて避難しました」
「アメリアの言う通り、魔法学校は腐っているな。エレナはどうやって魔法学校から抜け出したんだ?」
「私は1ヶ月前にアメリアさんが魔法学会の雑誌に投書していた『悪夢を救う方法』に記載している黒魔術師の対処方法を実践しました。光の魔法を唱えて黒魔術師が怯んでいる間に逃げました」
それを聞いたアメリアが目を丸くして驚いていた。
「よく対処方法を覚えていたわね! 私の友人であるエミリーを救う方法が全1000ページ中十数行しかないのに!」
「魔法学会のお偉いさんが投稿している『悪夢から逃れられるお守りについて』よりアメリアさんが投稿していた『悪夢を救う方法』のほうが衝撃的でしたから記憶していましたよ」
「私の知識で助かって良かったわ。読んでくれて、ありがとう」
「いえいえ、アメリアさんも投書してくれて、ありがとうございます」
アメリアとの話が終わるとオビリア様がエレナに近づいてきた。
「魔法学校も黒魔術師の被害に遭われているのですね。では早速、魔法学校に向かいましょう。私たちも今すぐ魔法学校に向かいます。東条様も宜しいでしょうか?」
「もちろんだ、生徒の命が危ない。みんな、急ぐぞ!」
「ありがとうございます。ご協力感謝します」
俺たちはエルデ町の町民に励まされながら7人の魔道士は魔法学校へ向かった。
「どうなっているんだ? 全て黒魔術師がやったのか?」
「ええ、黒魔術師は国民を脅して支配するために、悪夢だけではなく力によってねじ伏せようとしています」
「なぜ黒魔術師は今日に限ってこのような攻撃をしたんだ?」
「理由は分かりませんが、黒魔術師は隣国のポルトガ王国を占領したことで彼らに自信がついたと思われます。彼らは欲を求めて、この世界を支配するために今度は私たちの国を狙い始めたのでしょう」
「ならば俺が黒魔術師の計画を食い止めるしかない」
「ええ、必ず阻止しましょう。東条様、これからもあなたのお力が必要です。私たちのためにご協力して頂けないでしょうか?」
「もちろん、協力する。俺は国を守るためなら出来る限り何でもやるさ」
「ありがとうございます。感謝します」
俺はオビリア様と話していると隣町のエルデ町に到着した。
エルデ町は既に400人以上の黒魔術師によって占拠されており、血まみれの町人が逃げ惑っていた。すると俺たちを見つけた大勢の町人が俺たちに必死な表情で駆け寄ってきた。
「オビリア女王様、この町を助けてください! 家屋は全焼して友達が殺されてしまいました! 黒魔術師を一刻も早く懲らしめてください!」
「私たちの町を取り戻してください! 私の人生が詰まった町を守ってください!」
悲壮な表情をしている町民に対してオビリア様は優しい表情と声で話しかけた。
「皆様のお気持ちは十分理解しました。とても怖くて辛かったでしょう。私たちは皆様の大切な町を奪った黒魔術師を決して許しません。皆様は一旦、私の城へ避難して頂けないでしょうか? 皆様が避難している間に私たちがこの町を取り戻します。私のために立ち上がった魔道士も同じ気持ちです」
オビリア様が俺たちに振り向くと、俺たちは小さく頷いた。
「シエラ、皆様を城へ案内して頂けますか?」
「はい、お母様」
「では皆様、シエラと一緒に城へ避難してください」
町民はシエラ様の案内に従って城へ避難しようとしていた。しかし俺たちを見つけた黒魔術師がシエラ様に向けて槍を放ってきた。高速で飛来してきた槍はシエラ様の腹を貫通し、悲鳴を上げながら地面に倒れ込んでしまった。オビリア様と町民は一斉に騒がしくなった。
「シエラ、目を覚まして! 今すぐ治療するから待っていて!」
「俺たちは終わりだ! どうすればいいんだ!」
黒魔術師の攻撃が放たれた後、大勢の黒魔術師が俺たちと町民を囲んだ。黒魔術師は円を描くように俺たちを囲み、俺たちの逃げ道を塞いだ。黒魔術師のリーダーは低い声で大笑いしていた。
「まだ生き残りがいたのかよ。お前らも俺たちの遊び道具としていじめてやるから覚悟しな」
俺たちを絶対に生かして帰らせないつもりだろう。俺は黒魔術師と戦う覚悟を決めて仲間を見回した。
「アメリア、フレイ、ミア、俺たちが逃げ道を開拓するぞ。一気に黒魔術師を仕留めるぞ」
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「そうね、東条くんの言う通りだね。この町を取り返そうね」
「奴らの目的を潰すために私も戦う。だが東条、魔力が枯渇する危険性があるから衝撃波を使いすぎるな。焦る気持ちは分かるが、魔力の管理を徹底しろ」
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4人は一斉に離れ、別々に行動し始めた。
俺はオビリア様とシエラ様を狙っている黒魔術師の排除を優先した。俺は彼女らに攻撃をしようとしている黒魔術師に対して光の粒子で生成した投げナイフを連続で放った。投げナイフは黒魔術師の頭に突き刺さり、意識を失っている間に至近距離で光の球体を腹にぶつけた。黒魔術師は全身が光に包まれながら黒い灰となって爆風と共に消えた。
アメリアとフレイは協力して攻撃を開始した。アメリアは槍を構えながら彼女らに近づいてくる黒魔術師に拳銃で黒魔術師の足元を狙って発射した。そしてフレイは弾が当ってふらついている大勢の黒魔術師に対して、光を放っている大剣で彼らの腹を斬り裂いた。アメリアとフレイの連携攻撃で彼らは黒い灰となって消え始めた。
ミアは俺と同じく単独行動で戦っていた。黒魔術師はミアに目掛けて黒色の球体を一斉に発射してきた。だがミアは両手にショットガンを構えて黒い球体を光の弾と衝突させて無効化した。その後ミアは黒い球体の攻撃を回避しながら彼らに駆け寄り、銃身を彼らの額に当てながら発砲し続けた。光に覆われた彼らは銃撃音と共に黒い灰となって散らばった。さらにショットガンを捨ててから両手に剣を持ち、光を集めた剣で彼らの首を斬り裂きて激しい接近戦に切り替えた。
アメリアとフレイとミアが黒魔術師の人数を減らしている頃、俺はシエラ様の意識を失って取り乱しているオビリア様に話しかけた。
「オビリア様、俺がシエラ様を治療しようか? すぐに回復させてやる」
「東条様、お願い致します」
俺は町民に見つめられながらシエラ様の治療を始めた。まずはシエラ様に深く刺さっている槍を思いっきり抜き、すぐに血が溢れている患部に手を当てた。俺は両手に光を集めてシエラ様の腹に回復魔法を唱えた。俺はアメリアから貰った魔導書の1460ページの内容を実践した。
「患部に両手を覆い、少しずつ魔力を与え続ける。患者の負傷部分を元の状態に戻すことをイメージしながら、全身に溜まっている魔力を放出させる」
俺は1分間シエラ様の腹に手を当て続けると、シエラ様が目を開けた。俺はシエラ様から両手を離すと、シエラ様の傷口が治っていた。その光景を見ていたオビリア様と町民は歓喜して俺を称えた。
「東条様、今回も助けて頂きまして、ありがとうございます」
「さすが魔道士! よくやった!」
回復したシエラ様は立ち上がり、俺に深くお辞儀をした。シエラ様は痛みを感じず、攻撃を受ける直前のような健康状態であり、サファイアのように輝いている青色の瞳で俺を見つめていた。
「東条様、私の命を救って頂きまして、ありがとうございます。東条様は私の命の恩人です。私は東条様に何を差し上げれば宜しいでしょうか?」
「俺に気遣わなくていい。俺は平和のために戦っているだけだ。シエラ様はオビリア様と共に城へ逃げてくれ」
「ですが私はまだ東条様に恩返しができておりません」
「申し訳ないが、今は受け取れない。俺は黒魔術師を倒すために今から戦うから次回でいいか?」
「恩返しは次回の機会にさせていただきます。では私も東条様と一緒に戦います」
「シエラ様はオビリア様と一緒に休んでくれ。俺が町民の命を救う」
「いいえ、私も戦います。私も町民の命やアルストレイア王国を救うためにここに来ました。私のことは気にしないでください」
「分かった、絶対に無理をしないでくれ。オビリア様はどうする?」
「私はシエラの護衛に回ります」
「ああ、オビリア様も気をつけてくれ。今度の黒魔術師は一筋縄ではいかないから危険だと思ったら俺に構わず逃げてくれ」
「承知致しました。ありがとうございます」
「一気に黒魔術師を仕留めるぞ!」
俺は町民を囲んでいる黒魔術師に対して攻撃を再開した。彼らの人数は俺の仲間のお陰で徐々に減り、残り約150人になった。
俺は町民に対して攻撃を仕掛ける黒魔術師に向けて右手で構えているハンドガンで光の弾を彼らの額に向けて発射した。そして混乱している彼らに対して左手で構えている槍で彼らの鳩尾を突き刺した。槍から大量の光の粒子が溢れ出し、彼らは光の集合体に包まれながら黒い灰となって消えた。
オビリア様とシエラ様は一緒に直径2メートルの魔法陣を目の前に生成していた。白熱電球のように光を放っている魔法陣はバリアのように黒魔術師が何百発も放っている黒色の球体を防いだ。黒魔術師が黒い球体を生成している瞬間、彼女らは魔法陣から目を覆うほど輝いている太い光線を放った。彼女らが放った光線は攻撃力が弱いが、彼らの腹を貫通して弱らせることに成功した。そして黒魔術師が怯んでいる間に俺が素早く彼らの背後に回り込んでから槍を突き刺してトドメを刺した。
午前3時、俺たちがエルデ町を支配していた黒魔術師をすべて倒した。俺は必死に戦い抜いたアメリア、フレイ、ミアに駆け寄った。彼女らは大汗をかいていたが傷はなかった。
「アメリア、大丈夫か?」
「ええ、私たちは無事わよ。東条くんは平気?」
「ああ、俺は平気だ。アメリア、ありがとう。フレイもお疲れ様」
「東条くんも無事で良かったよ。私たちはエルデ町を守れたね」
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「私は心配しなくていい。東条のほうが厳しい戦いだったと思う」
「ミアも接近戦で戦ってくれて、ありがとう。全員無事で良かったぜ」
俺は仲間の無事を確認して、4人で握手を交わした。
午前3時10分、俺たちは水の魔法を唱えて消火活動を終えると町民は俺たちを大きな拍手で称えた。
「よくやってくれた! ありがとう、魔道士様!」
「この町を救って頂きまして、ありがとうございます」
俺たちは笑顔を取り戻した町民に褒められていたが、町民たちの間を縫って1人の少女が割り込んできた。少女は俺たちに近づき、悲壮な表情で頼み込んだ。少女は金髪のミディアムヘアー、茶色を基調とした魔法学校の制服、身長157センチのFカップの体型、黄色に輝く瞳が特徴である。
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「そうだ」
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「魔法学校には何人の生徒が閉じ込められている?」
「私以外、全員の生徒が黒魔術師に監視されて動けない状況です。教師は貴族に雇われている魔道士によって生徒を置いて避難しました」
「アメリアの言う通り、魔法学校は腐っているな。エレナはどうやって魔法学校から抜け出したんだ?」
「私は1ヶ月前にアメリアさんが魔法学会の雑誌に投書していた『悪夢を救う方法』に記載している黒魔術師の対処方法を実践しました。光の魔法を唱えて黒魔術師が怯んでいる間に逃げました」
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「私の知識で助かって良かったわ。読んでくれて、ありがとう」
「いえいえ、アメリアさんも投書してくれて、ありがとうございます」
アメリアとの話が終わるとオビリア様がエレナに近づいてきた。
「魔法学校も黒魔術師の被害に遭われているのですね。では早速、魔法学校に向かいましょう。私たちも今すぐ魔法学校に向かいます。東条様も宜しいでしょうか?」
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俺たちはエルデ町の町民に励まされながら7人の魔道士は魔法学校へ向かった。
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