『向量操作』で世界を覆す

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プロローグ

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俺の名前は日比谷蒼矢ひびやそうや、年は16。

最近は異世界系の小説にハマっていて色々読んでいる。

今俺は教室の自分の席に座って外を眺めている最中だ。

そんなことをしていると隣から声がかけられた。

「おはよう蒼矢君」

「あっ、おはよう葵」

今俺に挨拶をした彼女の名前は神宮葵かなみやあおい

肩まで伸ばした黒い髪に淡い目をしており可愛くさらに思いやりがある優しい性格のため学校内の男子に人気がある。

俺の幼稚園からの幼馴染で俺が好きな人でもある。

ちなみに家も教室の席も隣同士だ。

「蒼矢君、貸してくれた小説返すね。面白かったよ」

「それは良かった」

「また今度機会があったらお願いしてもいい?」

「いいよ」

葵は両手を合わせて笑顔で俺にお願いしてくる。

見ての通り俺は葵に自分が読んでいる小説を貸しているから、他の人より距離が少し近い。

そのせいでクラスの一部の男子から恨みのこもった目で見られることがある。

葵の笑顔を見れるなら大したことはないが。

「おはよう蒼矢、神宮さん」

「おう、おはよう正輝まさき

「おはよう桐生きりゅう君」

彼の名前は桐生正輝きりゅうまさき

容姿端麗な優等生でクラスのリーダーのような存在だ。

入学当初は話す機会が無かったがなんやかんやで話してみると馬が合い今では親友となっている。

一度だけ俺、葵、正輝の3人で一緒に帰っていたときに葵を狙った不良4人に絡まれ、俺と正輝の2人で路地裏で4人ともシメたこともあった。

俺は密かに鍛えていたので大丈夫だったし、正輝に関しては中学時代に何回か経験していたらしいので問題なかった。

あの時に俺と正輝の絆はより強くなった気がする。

「そういえば蒼矢、今朝のニュース見たか?」

「この辺りで包丁で人が刺されて死んだってニュースか?」

「まだ犯人は見つかってないっていうのだよね?」

「ああ、俺と蒼矢は大丈夫かもしれないが神宮さんは危ないから家が近い蒼矢が一緒にいたほうがいいんじゃないか?」

「そのつもりだよ」

「それじゃあお願いね、蒼矢君」

「まかせて」

そのあと世間話をしていると担任の先生が教室に入ってきた。

「みんな、席についてくれ」

そう言われて教室にいた生徒は皆席についた。

「よし、全員席についたな。それじゃあ…!?」

先生が出席を取ろうとした瞬間、教室の床に魔法陣のようなものが出てきて教室の中が光る。

「な、なんだこれ!?」

「どうなってるの!?」

教室の中で他の生徒は混乱している。

だが混乱している間にも魔法陣の光はだんだん強くなっている。

最終的に光は目を開けてられないほど強くなると教室にいる人全員を包み込んだ。
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