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急報
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次の日のもうすぐ昼になる頃。
俺は今、ルミナの尻尾のブラッシングをしていた。
理由はルミナに尻尾のブラッシングを頼まれたからだ。
「ほら、終わったぞ」
「おとーさん、ありがとうなの」
俺にお礼を言うとルミナは自分の尻尾を触った。
「モフモフになってるの」
「そうか、それならよかった」
俺はそろそろ出発するために外していた装備を身につける。
ルミナも朝のうちに昨日買った服に着替えていた。
「よし、これで準備ができた。ルミナはもういいか?」
「準備オッケーなの」
「なら行くか」
俺はルミナと一緒に部屋から出てレオン様のいる執務室へと向かった。
ちなみに道はナビが教えてくれた。
執務室についたのでノックをして中に入る。
「失礼します」
「おお、来たか。ということはもう行くのだな…」
「はい、お世話になりした」
「ありがとうなの」
「そうか、達者でな」
「レオン様も健康には気をつけてください。じゃあこれで…」
「失礼します!」
俺が部屋から出ようとすると急にドアが勢いよく開かれクルトさんが入ってきた。
「蒼矢様もいたのですね!ちょうどよかった!」
「クルトよ、何があった?」
「同盟国であるグラート魔王国がルイン魔王国の攻撃を受けているとの連絡が先程来ました!」
「なんだと!?」
「現在は2週間前から滞在していた勇者様とその仲間が凌いでいる状態です。ですがルイン魔王国は四天王の内2人の姿が確認されているため戦況は良くないとのことです!」
「なに!?四天王だと!?」
「レオン様、四天王ってなんですか?」
「四天王というのはルイン魔王国の魔王直属の精鋭の部下だ。その強さは他の魔族とは一線を画しており、一人で軍隊を上回る強さだという」
「なぜこのタイミングで?それも2人も」
「分からん。だがキャマロッツ王からの話だと勇者はまだレベル上げの途中だったはずだ。となると一定のレベルに達したのを確認してレベル上げと同時にこれから先訪れるであろう対人戦の経験を積ませようとした可能性が高い。そこを狙われたかもしれん。どうやって知ったかはわからんがな」
「勝てると思いますか?」
「正直な話勝てる見込みは無いだろう。なんせ相手は四天王2人だ。成長途中の勇者とその仲間じゃ分が悪い」
「……グラート王国のどこの街が攻撃されているんですか?」
「確かルイン魔王国と面しているカートンという街です」
「ルミナ、今クルトさんが言った街がどっちにあるかわかる?」
「ん~~、あっちなの」
「ありがとうな。レオン様、ルミナを預かっててもらえませんか?」
「……行くつもりか?」
「はい」
「死にに行くようなものだぞ」
「それでもです。それに死ぬつもりはありません」
「そうか、何を言っても止めることはできないのだな……ならせめてこれを持っていけ」
レオン様はそう言うと机の中から液体の入った透明な瓶を4本出して俺に渡した。
「これは?」
「緑色の方はハイポーションだ。これさえあれば生きていれば心臓を串刺しにされても治る。青色の方はハイマナポーション、飲めば魔力を完全に回復できる」
「なぜこんなものを?」
「簡単だ。お主に死んで欲しく無いからだ。だから絶対に生き残れ」
「ありがとうございます」
俺は感謝してアイテムボックスにしまう。
「その子のことも任せろ」
「お願いします」
「おとーさん、どうしたの?」
不穏な空気を感じ取ったのかルミナが不安そうに聞いてくる。
「お父さんは今から危険な戦場に行くんだ。ルミナを連れてったら危ないか少しここで待っててくれ」
「一緒にいっちゃダメなの?」
「危ないから来て欲しく無いんだ。だから待っててくれ」
「いやなの!」
俺がルミナに待ってるように言うとルミナが急に大きな声で拒否してきた。
「ルミナも一緒に行くの」
「でも…」
「一緒に行くの!」
驚いた。
今までルミナがこんなに感情を露わにしたことは一度もなかったのに。
「そっか…じゃあお父さんと約束してくれ。約束してくれれば一緒に来てもいい」
「約束?」
「まず何があっても絶対にお父さんから離れないこと。これはいいね?」
「絶対に離れないの」
「次が……」
俺は一呼吸置いて言った。
「どんなに怖くっても、どんなに逃げたくても、お父さんを信じること。この二つを絶対に守ること、いいね?」
「約束するの」
「よし、いい子だ」
俺はルミナの頭を撫でてレオン様の方を向く。
「レオン様。そこの窓から出てもいいですか?」
「構わん」
「ありがとうございます」
俺はルミナを前と同じように抱っこして窓の方へと行く。
窓を開けて少し身を乗り出す。
「ではレオン様、行ってきます!」
「ああ、行ってこい」
俺は窓から飛び降りてこの前と同じ方法で空を飛んで全速力で向かった。
時は少し遡り。
クラスメイトこと勇者一行はカートンの街にいた。
その街の防壁の上には葵、正輝、志寿佳の姿があった。
「それにしてもここが敵対してる魔王との戦争の最前線だとは思えないほど街に活気があるね。桐生君はどう思う?」
「そうだなぁ、俺は最前線だからこそ活気付いているんだと思うよ」
「?、どう言うこと?」
「多分、街を活気付かせることによって士気を高めてるんじゃないのか」
「へぇ、なるほどね~」
「たしかにそれなら街が活気付いていることの説明がつきます」
「ならこの平和を守るためにも、この街が占領されないように私たちが守らないとね」
「そうだね、神宮さ…」
「敵襲~~~!」
そんな風に3人が話していると平穏な街の雰囲気を壊すかのようにして敵襲の知らせが響いた。
「神宮さん、雪本さん、行こう!」
「うん!」
「分かってます!」
3人はそれぞれ『異界具』を顕現して防壁の外へと降りる。
降りた瞬間巨大な水の玉が飛んできた。
「神宮さん!」
「オッケー!」
葵はアスクレピオスの杖を地面に突き立てこう言った。
「守護聖域!」
瞬間、白く光り輝くドーム状の防壁が出現し水球を防いだ。
「あら、防がれたのかしら?まあいいわ」
上方から声が聞こえたので上を向くとそこには悪魔のような翼と尻尾、角が生えて肌の色が少し暗く、黒いドレスのようなものを着た女性が浮かんでいた。
「……お前は誰だ?」
「人に名前を聞く時は自分から言うのが常識じゃないかしら?」
「さっきの魔法もお前か?」
「……まあいいわ。私はルイン魔王国の魔王様直属の精鋭である四天王の一人、『挫折』のアズベラ。あなたの言う通りさっきの魔法は私がやったものよ」
「なぜあんなことをした?」
「なぜって、魔王様の命令だからに決まってるじゃない」
「そうか。なら、俺はお前を倒さなければならない」
「……へぇ、それならやってみなさいよ!」
アズベラは空中から正輝に向かって、伸ばした爪で斬りかかり、正輝がそれをエクスカリバーで受け止める。
戦いの火蓋が切って落とされた。
俺は今、ルミナの尻尾のブラッシングをしていた。
理由はルミナに尻尾のブラッシングを頼まれたからだ。
「ほら、終わったぞ」
「おとーさん、ありがとうなの」
俺にお礼を言うとルミナは自分の尻尾を触った。
「モフモフになってるの」
「そうか、それならよかった」
俺はそろそろ出発するために外していた装備を身につける。
ルミナも朝のうちに昨日買った服に着替えていた。
「よし、これで準備ができた。ルミナはもういいか?」
「準備オッケーなの」
「なら行くか」
俺はルミナと一緒に部屋から出てレオン様のいる執務室へと向かった。
ちなみに道はナビが教えてくれた。
執務室についたのでノックをして中に入る。
「失礼します」
「おお、来たか。ということはもう行くのだな…」
「はい、お世話になりした」
「ありがとうなの」
「そうか、達者でな」
「レオン様も健康には気をつけてください。じゃあこれで…」
「失礼します!」
俺が部屋から出ようとすると急にドアが勢いよく開かれクルトさんが入ってきた。
「蒼矢様もいたのですね!ちょうどよかった!」
「クルトよ、何があった?」
「同盟国であるグラート魔王国がルイン魔王国の攻撃を受けているとの連絡が先程来ました!」
「なんだと!?」
「現在は2週間前から滞在していた勇者様とその仲間が凌いでいる状態です。ですがルイン魔王国は四天王の内2人の姿が確認されているため戦況は良くないとのことです!」
「なに!?四天王だと!?」
「レオン様、四天王ってなんですか?」
「四天王というのはルイン魔王国の魔王直属の精鋭の部下だ。その強さは他の魔族とは一線を画しており、一人で軍隊を上回る強さだという」
「なぜこのタイミングで?それも2人も」
「分からん。だがキャマロッツ王からの話だと勇者はまだレベル上げの途中だったはずだ。となると一定のレベルに達したのを確認してレベル上げと同時にこれから先訪れるであろう対人戦の経験を積ませようとした可能性が高い。そこを狙われたかもしれん。どうやって知ったかはわからんがな」
「勝てると思いますか?」
「正直な話勝てる見込みは無いだろう。なんせ相手は四天王2人だ。成長途中の勇者とその仲間じゃ分が悪い」
「……グラート王国のどこの街が攻撃されているんですか?」
「確かルイン魔王国と面しているカートンという街です」
「ルミナ、今クルトさんが言った街がどっちにあるかわかる?」
「ん~~、あっちなの」
「ありがとうな。レオン様、ルミナを預かっててもらえませんか?」
「……行くつもりか?」
「はい」
「死にに行くようなものだぞ」
「それでもです。それに死ぬつもりはありません」
「そうか、何を言っても止めることはできないのだな……ならせめてこれを持っていけ」
レオン様はそう言うと机の中から液体の入った透明な瓶を4本出して俺に渡した。
「これは?」
「緑色の方はハイポーションだ。これさえあれば生きていれば心臓を串刺しにされても治る。青色の方はハイマナポーション、飲めば魔力を完全に回復できる」
「なぜこんなものを?」
「簡単だ。お主に死んで欲しく無いからだ。だから絶対に生き残れ」
「ありがとうございます」
俺は感謝してアイテムボックスにしまう。
「その子のことも任せろ」
「お願いします」
「おとーさん、どうしたの?」
不穏な空気を感じ取ったのかルミナが不安そうに聞いてくる。
「お父さんは今から危険な戦場に行くんだ。ルミナを連れてったら危ないか少しここで待っててくれ」
「一緒にいっちゃダメなの?」
「危ないから来て欲しく無いんだ。だから待っててくれ」
「いやなの!」
俺がルミナに待ってるように言うとルミナが急に大きな声で拒否してきた。
「ルミナも一緒に行くの」
「でも…」
「一緒に行くの!」
驚いた。
今までルミナがこんなに感情を露わにしたことは一度もなかったのに。
「そっか…じゃあお父さんと約束してくれ。約束してくれれば一緒に来てもいい」
「約束?」
「まず何があっても絶対にお父さんから離れないこと。これはいいね?」
「絶対に離れないの」
「次が……」
俺は一呼吸置いて言った。
「どんなに怖くっても、どんなに逃げたくても、お父さんを信じること。この二つを絶対に守ること、いいね?」
「約束するの」
「よし、いい子だ」
俺はルミナの頭を撫でてレオン様の方を向く。
「レオン様。そこの窓から出てもいいですか?」
「構わん」
「ありがとうございます」
俺はルミナを前と同じように抱っこして窓の方へと行く。
窓を開けて少し身を乗り出す。
「ではレオン様、行ってきます!」
「ああ、行ってこい」
俺は窓から飛び降りてこの前と同じ方法で空を飛んで全速力で向かった。
時は少し遡り。
クラスメイトこと勇者一行はカートンの街にいた。
その街の防壁の上には葵、正輝、志寿佳の姿があった。
「それにしてもここが敵対してる魔王との戦争の最前線だとは思えないほど街に活気があるね。桐生君はどう思う?」
「そうだなぁ、俺は最前線だからこそ活気付いているんだと思うよ」
「?、どう言うこと?」
「多分、街を活気付かせることによって士気を高めてるんじゃないのか」
「へぇ、なるほどね~」
「たしかにそれなら街が活気付いていることの説明がつきます」
「ならこの平和を守るためにも、この街が占領されないように私たちが守らないとね」
「そうだね、神宮さ…」
「敵襲~~~!」
そんな風に3人が話していると平穏な街の雰囲気を壊すかのようにして敵襲の知らせが響いた。
「神宮さん、雪本さん、行こう!」
「うん!」
「分かってます!」
3人はそれぞれ『異界具』を顕現して防壁の外へと降りる。
降りた瞬間巨大な水の玉が飛んできた。
「神宮さん!」
「オッケー!」
葵はアスクレピオスの杖を地面に突き立てこう言った。
「守護聖域!」
瞬間、白く光り輝くドーム状の防壁が出現し水球を防いだ。
「あら、防がれたのかしら?まあいいわ」
上方から声が聞こえたので上を向くとそこには悪魔のような翼と尻尾、角が生えて肌の色が少し暗く、黒いドレスのようなものを着た女性が浮かんでいた。
「……お前は誰だ?」
「人に名前を聞く時は自分から言うのが常識じゃないかしら?」
「さっきの魔法もお前か?」
「……まあいいわ。私はルイン魔王国の魔王様直属の精鋭である四天王の一人、『挫折』のアズベラ。あなたの言う通りさっきの魔法は私がやったものよ」
「なぜあんなことをした?」
「なぜって、魔王様の命令だからに決まってるじゃない」
「そうか。なら、俺はお前を倒さなければならない」
「……へぇ、それならやってみなさいよ!」
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戦いの火蓋が切って落とされた。
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