モィ バリーブィ～サイリスタ帝国に抗う者たち～

第5章 洗脳されたオリバー

第53話 ソルカと敵の闇。

私は一度、オリバーが行方不明になった事件から、パリから一時的に逃げ出した。
だが、ミカエロフと出会った事でようやく、パリの街並みを本気で調査しようと思った。
だって、これだけ大きな事件が起きたのにまるで事件が解決されていないのは異常だから…。
そして、この事件は普通ではありえない神隠し的な要素が非常にあるから…、
だから彼と共にいれば調査出来ると…、

故に私は彼のお陰でパリの事件を調査出来ると感じたから余計だ…。

しかし、パリテロ事件の被害規模は予想以上に大きく、この事件の真相が未解決のままだと思うと、この事件を起こしたのはフランス政府が自作自演でないと事前に起こせない事件だと次第に解ってきた。
何故なら、こういう大規模な事件は政府が関与しなければ未解決事件が起きないからだ。
政府次第で事件が未解決事件になる事が非常に多く、それが犯罪政権なら尚更大規模な程起こり得るからだ。

それ故に、私はフランス政府の闇を暴きながらこれからパリテロ事件の裏で何故、この事件が行われたのか非常に気がかりだった。

「なぁ、ミカエロフ殿。私はこの街に死体すらない事は、非常に不可解だと思うがアンタはどうだ?」

「ソルカ。確かに君の言う通り、この街で起きた事件は死体がない自体がフランス政府の自作自演だといっているようなものだと俺は思うよ。」

ミカエロフもどうやらこの事件がフランス政府の自作自演だと既に気づいているようだ。

だから私は彼に重要な事を語ろうと感じた。

「その通りだな。ミカエロフ。私は当然、この事件が自作自演でなければ、未解決事件になる事自体があり得ないと思うからだ。恐らく裏で何か起こしていると私は思うよ。」

もう、この事件が自作自演以外にあり得ないと解る。
だって、この事件の被害で未解決事件なんて意図的に自作自演しかありえないから…、

「あぁ、その通りだ。だからソルカ。貴様も奴らの事件に巻き込まれぬように、気を付けな。」

「えぇ～。そうだね。私もアンタも気を付けねばオリバーみたいになるからな。」

私はこの街で起きた事件の異様性を知った後、この事件の政府の関与や自作自演ぶりの問題などを調べなければならないと感じた。
もし、パリ銃撃事件で1～5街区は官邸近辺を除き、大きな傷跡となりフランスは国家としての機能も事実上、失っていたなら、間違いなく鑑定だけ無事とみなされて異常だと感じるのだろう。

つまり、この銃撃事件の犯人はフランス政府が関与している事は勿論、オカマルク大統領の行動には物凄く怪しいと感じたせいか、彼も関与していると思った。
だから私は、この事を知らしめる為に、ミカエロフの顔を見てこれから彼にある事を…、

「なぁ、ミカエロフ。この事件の犯人はオカマルク大統領が関与しているのは間違いないよな。」

「勿論、オカマルクは間違いなく犯人だと思うから確実に彼が関与している事実は調べればいくらでもある。それくらい容易に探せる闇だと俺は思うから大丈夫だ。」

「あぁ、そうだな。だとしたら私はこの闇を調べるには恐らく彼らの闇を暴いていくしかないと思うが、それはどうなのか気になるな。」

私はオカマルクの犯人なのは当然として、この事件での生存者が事実上、私とミカエロフしか人間がいない事を考えるとやはりこの街の異様性は誰しも気付く内容だと感じた。
もし、彼らがこの街で大規模なテロ事件を起こすと確実に政府が自作自演しなければ間違いなく起こせないと思うからその点は当然だと感じた…。

私はそう思うと凄く胸が痛くなるようで凄く辛い状況だと感じた。
彼らは本当に神隠しに遭ったのだろうか…。
もし、それが本当なら間違いなく私はこの街の雰囲気の異常性を改めて感じてくる。
私にとっては非常に胸が痛む現象だった。

すると、背後から誰かが来て…、

「おい。私とミカエロフの背後で何をしているんだ。」

「あぁ、ばれちゃったか。私の名前はアルトゥーロ10世。サイリスタ帝国の聖職者だよん。」

誰だ。あいつは…、
あのふざけた格好は…、

「何だ。お前、こんなふざけた言葉で私を舐めているのか。」

「おい。ソルカ。奴の挑発にのるな。乗ったら危険だ。」

「ミカエロフ…。」

あぁ、分かっている。
奴らは意図的に挑発にのらせる事で大きな影響を残せるからな。

「おい。お前がサイリスタ帝国の聖職者で元ローマ市国の聖職者だろうな。」

「ローマ市国…。」

何やら聞いた事がある名前だな…。
まさかではないが、私はローマ市国という名前を聞いて唖然とした。

男色小児性愛容疑で逮捕され滅んだローマ市国の聖職者がどうしてここにいるのだろうか…、
そして彼らはどうやって生き延びたのだろうか…、

私は彼らの行動を感じると恐怖を抱くようになった。

誰がこの世界を牛耳っているのだと…、
そう疑うようになった。