クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです

ほむらさん

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第161話 ハム水の本当の力

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 さて、おっさんコンビにハムちゃんを貸し出して一件落着風な空気になったけど、この二人は『ハムみず』のことを誤解したままなんだよね。

 情報の漏洩を防ぐには秘密にするのが一番なんだけど、ライガーさんとベイダーさんは知り合いの中でも特に信頼できる人達だ。

 なので『ハムみず』の本当の性能を伝えるために、二人をパンダ工房の風呂場まで連れて来た。


「今から風呂に入れだと!?」
「まだ意味不明な展開が続くのか!!」

 そりゃまあ、こんな時間から風呂に入れと言われても混乱するよね。
 でも今日はこっちも忙しいから、要件をとっとと終わらせたいのですよ。

 水色ハムちゃんが、浴槽に水の注入を開始した。

「ちょっと待て!それって、さっき飲まされたクソ不味い水じゃねえか!!」
「ライガーのおっちゃん、『ハムみず』をなめんなよ?ただ不味いだけの水だと思ったら大間違いだぜ!」
「アレを飲んだ後だと、風呂に入るのに死ぬほど抵抗があるんだが・・・」

 確かに順番を間違えたかも!どう考えても、コッチを先にした方が良かったよね。
 ベイダーさんの気持ちもよくわかる。

 水の注入も終わり、今度は紅白ハムちゃんを召喚してお風呂を沸かしてもらう。

「すでにアルペジーラを使いこなしてやがる・・・」
「召喚士ってどこが不遇職なんだ?」
「いや、クーヤを普通の召喚士と一緒にするんじゃねえ!こうポンポンと召喚獣を増やしていくヤツなんて、他に誰一人存在しないからな?」
「そういうものなのか・・・」

 ボクもそう思います!普通の人の保有魔力だと、ハムちゃんを3体呼び出すくらいが限界だと思うし、召喚獣に魔法を使わせるのも躊躇う感じなんじゃないかな。

 心臓が止まるといけないんで、この感じだとドラゴンは見せられませんねえ。

「よし、お湯が溜まったぜ!面倒臭いから二人一緒に入っちまえよ」
「それは勘弁してくれ!まあ風呂に入らんと許されんようだし、こうなったら仕方あるまい。俺から試してみよう」
「ベイダーのおっちゃんも待ってるんだから、湯船の中で寝るなよ?」
「言うほど待ってはおらん」

 というわけで、ライガーさんからお風呂を使うことになった。



 ◇



「おい!何なんだあの風呂は!!」

 二人の感想を聞きたいから風呂場の入り口辺りで駄弁っていると、ライガーさんが血相を変えて脱衣所から出て来た。当然お肌はツヤツヤである。

「シーーーーーッ!その話は、ベイダーのおっちゃんも風呂を使ってからだ!」
「ぬ?それもそうか。よし、次はおっちゃんの番だ!本当に驚くぞ?」
「ムムムム・・・、何がなんだかわからんが行ってこよう」

 バタン

 ライガーさんと入れ替わり、今度はベイダーさんが脱衣所に入って行った。



 ◇



 ガチャッ

「おい!一体何なんだあの風呂は!!腰の痛みが和らいだばかりか、見ろ!この筋肉の輝きを!!」

 脱衣所から上半身裸で飛び出して来たベイダーさんが、ボディービルダーのようなポーズをとりだした。

「おおっ!筋肉が歓喜の咆哮をあげているな!俺も負けてはいられん!!」

 ライガーさんまでもがボディービルダーを始めたので、途端に廊下がマッスル臭くなった。どうやら美肌に喜ぶのは女性だけじゃなかったらしい。


「廊下が暑苦しいんだよ!せめて脱衣所でやれや!」


 バタン

 レオナねえのツッコミにより、おっさんコンビは脱衣所に連れて行かれた。



 ◇



「・・・という状態になりかねん。これがどんだけ危険なことかわかるだろ?『女神の湯』のことは絶対秘密にしてくれ」

 レオナねえが、家族会議で決定した方針をおっさんコンビに伝えた。

「レオナの言う通りだ。癒し効果がどれほどかはわからんが、美肌効果は一目瞭然。貴族なんかに知られれば、下手をすると戦争にまで発展しかねんな」
「それ程なのか?」
「見ろ、この筋肉の輝きを!美しさの為だけに命を賭ける者がいたとしても全然おかしくはあるまい」
「確かに!!」
「いや筋肉はどうでもいいだろ!大物貴族の夫人なんかが『女神の水』を欲しがったりすると、その大物貴族が軍隊を動かす可能性だってあるって話だ」

 ダメだこの筋肉コンビ!
 でも美と健康を求めるのは男性だって一緒か。

「うむ。ここだけの秘密にすると誓おう!しかし他の者もこの風呂に浸からせて健康になって欲しい気持ちもある」
「希少で高価な高級入浴剤を手に入れたってことにすりゃいいんじゃね?」
「効果が凄すぎるから、今度はそれを欲しがるのではないか?」
「ぐぬぬ、ダメかあ~」

 流れの商人から買ったってことにしても、今度はその商人を探しそうだよね。
 存在しない人間を探すなんて無駄なことをさせるのも可哀相だし。

 ・・・ん?

「そうだ!水を飲ませれば健康になるよ!」

 ショタの発言を聞いて、あの不味さを知ってる三人が何とも言えない顔になった。

「・・・いや、アリかもしれねえ!あまりにも不味すぎるから、自分が健康になったことにすら気付かなかっただろ?でも高価な薬だってことにすりゃ、病人ならば藁にも縋る思いで飲むハズだ。しかも、おそらく本当に効く」
「なるほど薬か!」
「薬ならば、むしろ不味い方が効くような気がするしな!」
「大きな樽とかない?ボクが来た時は『女神の湯』が使えるけど、樽の中に『ハムみず』をたっぷり入れておけば、いつでも飲んだり筋肉に塗ったりできるよ?」

 それを聞いたおっさんコンビの目が大きく開いた。

「樽はどこだ!?」
「地下室に、水の入った樽が二つある筈だ!」
「水は水で必要だな・・・。しかし今はこっちの水の方が重要だ!」
「うむ、『ハムみず』と入れ替えよう。樽は後から買えばいい」


 そんなこんなで、樽に『ハムみず』を注入したり色々やってるうちに、気付けば夕食の時間となっていた。

 レオナねえ&おっさんコンビと一緒に食堂に移動すると、美味しそうな匂いに釣られたのか、そこはすでに大混雑していた。



「はいは~~~い!今日の夕食は、レオナちゃんのチームとクーヤちゃんタマちゃんが頑張って狩って来た、『メメトンゼロ』のお肉を使ったお料理ですよ~!」

「「おおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~~~~~~!!」」

「これはクーヤちゃんが発案したお料理で、『メメトンカツ』といいます!でもこれはメメトンゼロのお肉で作ったから、最高級の『メメトンカツゼロ』です!ソースをかけて食べて下さいね~!」

 お母さんによる音頭で、場は最高潮に盛り上がった。

「料理が冷めちゃうので、話はここまでにしましょう!いただきま~~~す!」

「「いただきまーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!」」


 その料理を口に入れた全員が固まった。
 我が家で食べた時のパターンとまったく一緒だね!

 そして次の瞬間、食堂は歓喜の渦に飲み込まれる。


「うんまあああああああああああああああああああああ!!」
「おいしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「うわっ、うわっ、こんな美味しいお肉を食べたの生まれて初めて!!」
「・・・なあ、これハンバーグを超えてねえか?」
「俺も同じこと思った」
「そりゃそうだろ!『メメトンゼロ』の高級肉だぞ!?」
「いや、当然それもあるけど、普通のメメトン肉でもこんな風に作ったら美味いんじゃねえかな?」
「僕もそう思います!!本当に美味しいですこれ!」
「孤児院のみんなの分も作ったらしいから、残さず全部食べていいんだってさ!」
「本当に!?良かったーーーーー!絶対みんな喜ぶよ!!」


 ボク達も隅っこのテーブルで食べてるんだけど、パンダ工房のみんなの喜ぶ声が聞こえて来て、家で食べた時よりも更に美味しく感じました!

 一気に大量の肉を消費してしまったけど、やっぱりお裾分けして正解だったね!
 お母さん、レオナねえ、リリカちゃんも、みんなそう思ってるんじゃないかな?
 
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