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第436話 おバカな子を探そう
しおりを挟むガシンッ! ガシンッ! ガシンッ! ガシンッ! ガシンッ!
ふむ。
ブンッ! ブンッ! ブンッ!
・・・なるほど。
「最強パワーを手に入れたのは素直にうれしいです。でも歩く速度も遅いしパンチも大振りで、これじゃあダンジョンの敵に攻撃が当たらない気がしますな」
「うん。たぶん骨とゾンビ以外にはパンチ当たらない」
「みんなの盾となって敵に突っ込んでくくらいしか出来ないよね~」
「それでも十分頼りになる」
「あとは『魔物ですが何か?』って顔して堂々と偵察することも出来ますが、やっぱりみんなと肩を並べて戦いたいのです!」
「カロリーゼロ以外で操作できる子いないの?」
「ハム姫は意志が強いから、指一本動かせませんでした」
「意志?すなわち、カロリーゼロはおバカだから操作できる感じ?」
「カロリーゼロに失礼ですよ!他の召喚獣達よりやる気が無いってだけで、おバカとまでは言ってません!」
まあでも、案外当たってるのかな?
頭の良い子を操作するのはちょっと無理な気がする。
「でもタマねえの言うことにも一理あるので、強くておバカな子を探してみようと思います!」
「なんか面白そう」
鳥頭って言葉があるくらいだし、鳥系の召喚獣はおバカな可能性がありますな。
でもカラスとかメッチャ賢くない?・・・まあ試すだけ試してみよう。
大きい鳥は脳も大きそうなので、まずはスズメちゃんからだ。
まだ建物の上にいたので、星のロッドを掲げて意識の共有を開始!
「お?なんかいきなり成功したかも!」
「誰と共有したの?」
「あそこにいるスズメちゃん。実はですね、ボクには一つの夢がありました。いつか鳥になって空を飛んでみたいと!」
「夢が三つに増えた」
「細かいことはどうでもいいのです!よし、ちょっと空を飛んでくる!」
地球で何度か見たスズメの真似をして、両足でピョンピョン跳ねてみる。
うおおおお!まさかいきなり意識の共有に成功するとは・・・。
―――――青い空を見上げ、翼をパタパタさせてみた。
とうとうこの日が来たぞ!ボクは鳥となって大空を羽ばたくのだ!
バサバサバサッ
ぐしゃ
建物から落下し、全身の骨が砕け散った。
「痛ったああああああああああーーーーーッッッ!!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
あまりの激痛に地面を転がりまくる。
イカン、このままじゃボクもスズメちゃんも死んでしまう!
慌てて共有をストップし、スズメちゃんを消した。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、酷い目にあったのです!」
「クーヤ大丈夫?」
「スズメちゃんを消したら痛みも消えたからもう大丈夫!」
「でもいきなり建物から落ちたから笑いそうになった」
「練習もしないで飛ぼうとしたのは失敗でした・・・。母鳥に飛び方を教えてもらわないと危険だというのを、身を以て知りましたぞ!」
「クーヤは雛鳥かわいい」
くそう、空を飛ぶには雛鳥から始めなきゃだ・・・。
でも時間が掛かりそうだから、空を飛ぶのは今度にしよう。
「とりあえずスズメちゃんはおバカだったということが判明しました。さあ、どんどん調べていきますぞ!」
「落ちないように地面でやるべき」
「もちろんですとも!」
とりあえず鳥から攻めようと思い、ハト、レンクル、グリフォンと挑戦していったんだけど、全部ダメでした。
ハトの意志に負けたのは地味にショックです。
そして獣系を調べ始めたんだけど、小さいのからやって失敗したら大きいのなんて調べる気がしなくなるので、敢えて大きい獣から挑戦。
「まさかモルモットですら失敗するとは・・・」
「全滅?」
「魔力がもったいないからドラちゃんは帰りに試す予定ですが、獣系はみんな頭が良いみたいでダメっぽいですね~」
そもそも弱い獣になっても敵と戦えないから、やる意味がないんですよね。
でも偵察要員として使えるから、一応全部調べた方がいいのか。
「あ、そうだ!最近手に入れたアイツを忘れてた」
「最近?あのデカくて飛べない変な鳥?」
「そそ。大きいからダメだとは思うけど一応って感じ。コカトリス召喚!」
―――――意識の共有に成功した。
「余裕で成功したんですけど!!」
「デカいけど、おバカそうな顔してる」
「言われてみると確かに・・・」
身長が2メートルくらいあって、全体的に黄緑色で胸の辺りは白く、羽の先っちょが赤くなってて可愛げはあるんだけど、顔が鶏っぽくてちょっとおバカそうだなーとは思っていたのだ。
スズメちゃんよりも抵抗しなかったし、やっぱりおバカだったのか・・・。
でも身体能力は凄そうですぞ?
問題なのは飛べない鳥だってこと。両腕が翼なので戦闘で手が使えないのだ。
ドドドドドドドドドド
「うおおおおお!メッチャ速いですぞ!」
「意外と悪くないかも!新しい乗り物になれる逸材」
「でもおバカですよ?」
「クーヤが操作してタマが乗る」
「ボクは!?ああ、一緒に乗ればいいのか。でも危ないから練習してからだね~」
「うん」
すごいスピードで神殿まで走って行き、スタート地点まで戻って来た。
爽快でメチャクチャ楽しかったです!
そこで大変なことに気が付いた。カロリーゼロとは違って、この子には口があるのですよ。いや、口っていうかクチバシだけど。
もしかして、しゃべれるんじゃない?
『コ、コココ、コ?コケーーーーーーーーーーーーーー!!』
「鳴いた!!」
「会話できると思ったのに、器官的に無理でござった!」
そういえば鳥って声帯が無くて、鳴管って器官で声を出してるんだっけ。
インコを探すしかないのかも。彼なら声帯模写の達人だからワンチャンあるぞ。
悲しかったので、その場でムーンウォークさせた。
「わわっ!変な動きしてる!」
「ムーンウォークという、大スターにしか出来ない不思議なダンスなのです。逆関節の足でもいけるもんですね」
生前の話ですが、クーヤ青年は入院生活が長かったので、あまりにも暇すぎて練習しまくったのだ。もちろん足の骨折以外の時です。
「まだ調べてない召喚獣が結構いるけど、強くておバカなそうな子ってコカトリスくらいしか思い浮かばないから、今日はもういいかな?」
「フェニックスは?」
「あの子な~、調べてないけど近所迷惑な鳥だから、どうせみんなと一緒に戦ったり出来ないのです」
「あ、そっか!すごく苦情来そう」
ゴブリンとかも調べてないけど、雑魚なのでお呼びじゃないです。
怪我したらボクも痛いってわかったから、偵察要員としても使いたくないのだ。
デカいし足も遅いけど、防御力に定評のあるカロリーゼロが一番偵察向きだったりするんだよね~。
あとやっぱ空からの偵察もしたいので、リスキーではあるけどスズメちゃんは使いたいところ。その前に飛ぶ練習しなきゃだけど。
危ないと思った瞬間意識を切り離す練習もしよう。
うん、こんなもんかな?
「これにて実験は終了です!」
「面白かった」
「じゃあ残りの時間は、宝石屋さんでまったりして過ごそう!」
「うん」
建物から落ちて死にそうになったけど、カロリーゼロやコカトリスを操れるようになったし、十分な成果だったと思います!
久々にタマねえと二人で遊んで、本当に楽しい休日でした♪
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