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第467話 聖女様(人妻)
しおりを挟む『クルックー』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュムッ』
こっちを振り返ったハトとスズメちゃん達に、『違う!』と怒鳴られた。
そんなこと言われてもですね、声帯が人間と違うから難しいのです!
っていうか鳥は『鳴管』ってので声を出してるから、初心者がここまでやれてるだけですごいと思うんだけど!?
『クルックー』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュイッ』
『チュミッ』
振り返ったポッポちゃん達に、また『違う!』と怒鳴られた。
今のはほぼ成功でしょうが!
「さっきから何やってるんスか?飛ぶ練習をするんじゃ?」
「クーヤはまだ初心者鳥だから、ポッポちゃん大名行列の最後尾から始めるって言ってた」
「こんなことやってて意味あるの?」
「たぶん無い」
言われてみると、お姉ちゃん達の言う通りかもしれない。
鳴き声の練習をしたところで、空を飛ぶのにまったく関係ないのだ。
「ポッポちゃん大名行列はもういいです!ボクは空を飛びたいのです!」
スズメちゃん1号を残して他は全部消した。
ちなみにクーヤちゃんは、スズメちゃん6号と意識の共有をしています。
「スズメちゃん、空の飛び方を教えてください。本当に初心者鳥だから優しくお願いしますね」
『チュイッ』
スズメちゃんがバサバサッと空に飛んでった。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
『チュイッ』
上空を旋回して戻って来たスズメちゃんに、『わかった?』と聞かれた。
「わかるわけないじゃろがい!雛鳥に教えるように丁寧にお願いします」
『チュイッ』
スズメちゃんがその場で翼をバサバサして、また空に飛んでった。
「それだけ!?今ので覚えろと?」
また上空を旋回して戻って来たスズメちゃんに、『おバカさんねえ』と言われた。
「タマねえ、母鳥が適当すぎて無理かもしれない!」
「もう見様見真似でやるしかない」
そういやスズメちゃんって、意識の共有が可能なおバカ三銃士の一人だった!
とはいえハトだともっと優雅に飛ぶから、やはり参考にするならスズメちゃんなんだよなあ。
しょうがないのでスズメちゃんを全部出し、その辺で飛んだり着地したり歩いたりと、好き勝手やってもらうことにした。
バサバサッ バサバサバサッ
「鳥がいっぱいで面白いっスね!」
「クーヤの側にいると、いつも変なことになるから面白い」
「遊んでるわけじゃないですからね!ボクは絶対にあの大空を飛んでみせる!」
「がんばれーーーーー!」
「長くなりそうだからソフトクリーム作ってこよっと!」
「あ、ウチも!」
とまあ、こんな感じで暗くなるまで飛ぶ練習をしましたが、母鳥が何も教えてくれなかったせいで一日じゃ無理でした。
そしてベレッタお姉ちゃんの翻訳作業も、わからない文字を違和感の無い他の言葉に置き換えたりするのに手間取り、そっちも一日じゃ無理でした。
明日こそ空を飛んでみせますぞ!
************************************************************
次の日もベレッタお姉ちゃんは翻訳作業、ライガーさんは意識の共有、クーヤちゃんは飛行訓練って感じでしたが、結果だけ言うと飛べました!
しかし、すごい勢いで両腕をバタバタするので、建物の上まで飛んだだけで精いっぱいというか、疲れて落下するのが怖いから長距離飛行はまだ無理。
たぶん腕に力が入り過ぎてるんだと思う。腕というか翼なんだけどさ。
あとは姿勢とか色々?とにかく鳥生活も楽じゃないことがよくわかりました。
そしてベレッタお姉ちゃんの翻訳作業も無事終了です!
みんなでベレッタお姉ちゃんにお礼を言い、ワクワクしながら我が家へと帰って来ました。
いつもの『くつろぎタイム』の時間になったので、レオナねえがお母さんに聖書を手渡した。
「何かしら~?」
「前に古代遺跡で発見した聖書を見せただろ?実はな、あの聖書を古代人に翻訳してもらったんだ!」
「まあ!!」
「それは凄いわね!」
「へーーーーー!流石は古代人!」
「聖職者達に渡すにしても、これをどこから入手したか言い訳を考えなきゃならねーんだけどさ、その前にまずは母さんに読んでもらいたいんだ」
「もしかしたらクレリックの神聖魔法が強化するんじゃないかと思ってますが、効果が感じられなかったら公開はしないでもいいよね?」
「それでいいと思うぜ!」
「どちらにしてもすごく興味があるのよ~♪読んでみるわね!」
お母さんが聖書を読み始めた。
大好物のお寿司に手を伸ばすのも忘れるほど、一心不乱に読みふけっています。
ちなみにボクもレオナねえも一応軽く読んでみたのですが、難しい言い回しの文字の羅列に一瞬でギブアップしました。
っていうかボクには読めない単語だらけだったから、本当に現代語なのか聞いたんだけど、ナナお姉ちゃんやミルクお姉ちゃんは普通に読めるみたいだったので、ボクの知識が足りないだけだったようです。
中二病を極めるチャンスなのかもしれないけど、ほぼ読めないんじゃ無理っス!
学校行くようになったら、文字の勉強頑張ろっと!
そんなこんなで就寝時間になったのですが・・・。
―――――お母さんが涙を流していた。
「これが真実だったのね・・・」
まさかお母さんが泣くとは思ってなかったので、みんな驚いた顔をしている。
「何か特別なことが書いてあったのか!?」
お母さんがページを戻しながら、顔を上げずに答える。
「教会で学んだことは間違いじゃない・・・。でも半分だったの」
「半分!?」
「私が知っていたのは上辺の部分だったのね。でもこの聖書によって深い所まで知ることができた。もっと何度も繰り返し読んで理解を深めなきゃ!」
「マジかよ!そんなすげー聖書だったとは・・・」
「っていうかお母さん、神聖パワーみたいのが増してないですか?」
「「あっ!」」
たぶん聖書を読んだ直後で興奮してるのもあるだろうけど、聖なるパワーみたいなのが溢れているのです。
「母さん、ちょっとアタシに癒しの魔法をかけてくれ!」
「ん~?」
聖書が気になって会話どころじゃなかったお母さんですが、レオナねえの言葉は聞こえていたようで、癒しの魔法をかけた。
ホワ~~~~~ン
「レオナねえ、どう?」
「間違いない!前よりパワーアップしてる!」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
「聖書を読んだだけで!?」
「この聖書、教会に渡したら大騒ぎになるんじゃ・・・」
うおおおお!聖女様の爆誕じゃあああああーーーーーーーーーー!
これでルーンスタッフまで光らせたら、一体どうなっちゃうんだ!?
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