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第492話 ニポポ家具店が本気を出した!
しおりを挟む「ほわあああ~~~~~」
大奥自慢の玄関を見た、ベレッタお姉ちゃん、チャムねえ、プリンお姉ちゃんが、その美しさに思わず声を漏らした。
三人に、『大奥に入る時は玄関先のフワフワ絨毯で靴の裏を拭くこと』という新ルールを説明し、ゾロゾロと中に入った。
「天使様の描いた絵がそのまま立体化されてますね!階段が両サイドにあるのがオシャレすぎて感動です!」
「カッコイイよね!でもボクは色やデザインまで考えていませんでしたので、完璧に仕上げた『ムギマル建設』のセンスを褒めてあげてください」
「こんなオシャレな家初めて見たっス!天井高すぎーーーーー!」
「すごいね~。でもこれほどまでの家を見ちゃったら、ハンバーガー屋さんを造る時に手抜きできなくなっちゃったよ!」
「あはははは!でもそっちは1年か2年で壊す予定みたいだから、程々にって感じでちょっとだけ気合入れて造ればいいんじゃないかな?」
「おーい、あまり話してる時間ねーぞ。どんどん必要な物をメモらんと」
「とりあえずボクは2階をチェックしてくるのです。ベレッタお姉ちゃんとチャムねえの部屋も決めなきゃだね~」
「じゃあそっちはクーヤに任せた!アタシらは1階だ!」
「「オーーーーーーーーーーーーーーー!」」
というわけで、大家さん勢は1階のオーナーズルームに入り、住人勢は2階へ、それ以外のお客さん勢は適当に行動し始めた。
階段を上ると、ピコねえ&ラン姉ちゃん&ぺち子姉ちゃんのアホ三人衆が、自分達が住む予定の【201号室】に入った。猫と赤ツインテールは居候ですが。
「すでにピコねえが【201号室】に住むことに決まっていますので、それ以外の部屋を全部見て、どの部屋に住むか決めよう!」
「そこ以外全部空いてるの?」
「大奥は昨日完成したばかりですからね~。オススメは景色の良い偶数部屋です」
「通路奥の扉だけ他と違うっスね」
「あの扉の向こうは『くつろぎ空間』で、その奥に大浴場があります。だから住人達の部屋は【201号室】から【208号室】までですね~」
「へーーーー!大浴場まであるアパートとか凄すぎないっスか!?」
「すごく気になるけど、とにかく部屋を決めなきゃ!」
というわけで、【202号室】から一つ一つ見ていった。
部屋の構造はまったく一緒だから、重要なのは日当たりと景色ですね。
あと、玄関に近い方がいいか大浴場に近い方がいいかで悩むくらいかな?
部屋をすべてチェックした後、くつろぎ空間と大浴場を見に行った。
こうしてみると、くつろぎ空間に近い部屋を選ぶのもありかも。
そしてまたいくつか部屋をチェックして、とうとう二人が決断した。
「やっぱりクーヤちゃんオススメの【202号室】と【204号室】かな?」
「ウチもその二つが良いと思ったっス!決め手はもちろん、ソフトクリームマシーンが玄関に設置されるって情報っス!」
「チャムねえが部屋と玄関を一日中往復してそうなのです!」
「「あははははははははははははははは!!」」
さらに二人でどっちにするか話し合って、ベレッタお姉ちゃんが【202号室】、チャムねえが【204号室】に住むことが決まったので、それぞれ必要な家具などをノートにメモり始めた。
でもボクはオーナー目線で見なければいけないので、玄関、くつろぎ空間、脱衣所、大浴場だけじゃなく、天井や床や壁までしっかりとチェックし、頭の中をぐるぐるさせながら1階のオーナーズルームに入った。
「やっぱりタマの部屋は【103号室】になった」
「あ、そうなの?」
「クーヤが【101号室】でタマが【103号室】。プリンアラートが【102号室】、ナナが【104号室】、アイリスが【106号室】、アタシが【108号室】で決定だ!つーわけで、残った【105号室】と【107号室】が客室だな」
なるほど~。向かって左の奇数部屋は映画制作会社に出入りする人に覗かれるかもしれないから、みんな偶数部屋に並んだわけですな。ボクとタマねえは実家に帰って寝るつもりだから、左の四部屋が空室状態になりますね。
「たしかに偶数部屋の方が安心して着替えられますもんね」
「隣の会社との間に木が植えられてるけど、覗こうと思えば覗けるしな」
「まあ、一応って感じだね~」
「ベッドはもうあるから、部屋に必要なのは布団とカーテンくらいかな?」
「タンスと椅子と小さなテーブルなんかもあった方がいい」
「あっ、確かに!もっかい部屋に行って考えてくる!」
ナナお姉ちゃんが自分の部屋にダッシュしていった。
そうなのですよ!ふわっと考えてたら必ず失敗するのだ。
それから、ホニャ毛勢のアイデアも参考にしながら色々と話し合い、みんなで必要な物をノートに書きまくりました。
でもボクが絶対に必要と言い張った『ガラス張りの冷蔵庫』は、たぶんそんな物売ってないだろうとのこと。
くそう!忙しそうなレミお姉ちゃんに作ってもらうしかないのか・・・。
いや、魔道具っぽいのはベレッタお姉ちゃんに頼んだ方がいいのかな?
っていうか、あの二人がタッグを組んだら最強な気がします。
とにかくやっと準備が整ったので、2階の人達と合流し、家具屋さんに向かって出発しました!
◇
「「いらっしゃいませ!!」」
ボク達の姿を見た瞬間、ニポポ家具店の店員達が一斉に、超お得意様を迎える90度のお辞儀をし、1人の女性店員が『来た!』と叫んで店の奥に走っていった。
そしていつものように満面の笑みの揉み手店長が現れたわけだけど、話し掛けられるまでお客様の買い物の邪魔をしないのがモットーだったハズの店長が口を開き、その一言でニポポ家具店の本気を感じ取り、レオナねえの口端が上がった。
「勝手な真似をして申し訳ないと思いつつも、あの素敵なアパートを拝見させていただきました。この街一番の素晴らしいアパートに相応しい高級家具は、裏の倉庫で大切に保管しております。さささ、此方でございます!」
へーーーーー!ボク達のアパートの場所とか教えてないと思うんだけど、建築中の建物を探し回って見つけ出したのかな?
あ、西区ってヒントは出してたかも。それにしても気合が半端なくない!?
なぜかこの世界の揉み手店長ってみんな有能だよね~。
揉み手店長の後をついていくと、大きな倉庫がありました。
『少々お待ちを』と言って揉み手店長が中に入っていき、すぐに出てきた。
そしていよいよ倉庫の中へと案内される。
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
倉庫の中には大量の家具が置いてあり、どれも高級家具なのは一目瞭然だった。
そうか!店長は照明をつけるために先に入ったのか。なんか倉庫のくせに店内のような明るさなんだけど、まさかこの日のためにこれほどまでの照明を!?
しかもイチイチ聞かなくてもいいように、すべての家具に値札が付いていて、その下に『ご購入の際はこちらの引換券をレジカウンターまでお持ち下さい』と書かれている。
試しに引換券を手に取ってみると、奥に『購入済』って文字が書いてあった。
ほほお、とうとうこの技を使い始めたか・・・。
爆買い確実なお客様だから、購入をスムーズにするために考えたんだね。
よく見ると倉庫のくせにレジカウンターがあり、いつの間にか二人の店員がスタンバイしていた。
ふおおおおお!なんという気迫なんだ!!
この日のために作戦を練っていたニポポ家具店がすごすぎる!
「商品の質も量も完璧じゃん!よーーーーーし、買いまくるぞ!」
「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
全員が気になる家具の方へワーっと走っていった。
ちなみにベレッタお姉ちゃんとチャムねえには、レオナねえが追加のお金を渡していましたので、値段を気にせず家具を買うことができるでしょう。
さてさて、とりあえずソフトクリームマシーンを置く台と、玄関に設置するソファーを探そっと!
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