赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん

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916 旅の話を聞かせる前にいつものアレだ!

 赤い流星の帰還でルクセリア城は大騒ぎとなり、ナルティア達どころか俺をよく知るギャンブラー兵士達まで駆け寄って来たので、とてもじゃないが落ち着いて話が出来るような状態じゃなくなってしまった。

 そんなワチャワチャ状態が30分程続いたのだが、やっと少し落ち着いたので、無事ミスフィートさんの元に帰ることが出来たと話した。

 ただルシオが行方不明になっていたので探してもらうと、なぜか三人の女性兵士に拉致されて城の中に連れていかれていたようだ。

 イケメンだから攫いたくなる気持ちは分かるが、普通に変質者みたいな行動を起こす女兵士がいるとは、流石ナルティア軍と言わざるを得ない。

 この国の治安は大丈夫なのだろうか?


「陸奥を出てからの旅の話もしてやりたいとこだが、城の前だと落ち着かないから場所を変えないか?」
「それもそうだ!皆聞きたいだろうから玉座の間に行こう」
「やたらと人が集まってしまったしな。そうそう!お土産もあるんだ」

「「お土産!?」」

「色々あるんで、きっと喜んでもらえるハズだ。せっかくだからまだ城内に残ってる人達や非番の人達も集めてくれ」
「了解した。楽しみだな♪」
「聞いたな?皆を玉座の間に集めてくれ!」
「ハッ!」


 というわけで、玉座の間に移動した。
 見張りの兵士も連れて来たけど、まあ少しくらいなら問題あるまい。

 陸奥の国の統治状況なんかを聞きながら人が集まるのを待ち、玉座の間が人で溢れたてきたところで、アイテムボックスから大きな樽を取り出した。


「話の前に、まずは一つ目のお土産だ!」

「樽?」
「もしかしてお酒?」
「嬉しいけど昼間から呑むの!?」

 あ~、この状況だと酒と勘違いしても無理ないか。

「残念ながら酒ではない。中に入ってるのは水だ」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 当然ながら全員がっかりしたので、ニヤリと笑った。

「ハハッ!そうがっかりするな!俺がただの水でドヤ顔するわけないだろ。この樽に入ってる水だが正確には『聖水』という。フレイアはよく知ってるハズだ」
「え?なにそれ!?そんなの知らな・・・」

 そう言い掛けたフレイアが目を大きく開いた。

「あああああーーーーー!あの時飲んだ水!!そうだよ、確かに『せいすい』って言ってた!!」
「そうか!フレイアの命を救ってくれた水だ!!」
「本当に!?この大きな樽の中に、その奇跡の水がいっぱい入っているの!?」

 三人がデカい樽を見たので、紙に『聖水』と書いて貼り付けた。

「あのいくさで大怪我をして、大なり小なり身体が不自由になった者もいるだろう?聖水を飲むことで治るかもしれんぞ」

「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーー!?」」

「怪我以外にも体調不良なんかも治るから、とにかく全員一杯飲もうや!」

「「うおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


 聖帝軍とのいくさでほとんど聖水を使い果たしていたから、陸奥に来た時にはもうコップ二杯分くらいしか残っておらず、その聖水もフレイアを助けるのに使ってしまい、怪我をした兵士達を癒してあげることが出来なかったんだ。

 ずいぶんと遅れてしまったけど、今からでも怪我の後遺症を癒してあげたくて、この大きな樽に聖水を入れて持参したのだ。

 ガラスのコップがセットで入った箱を出しナルティアに手渡した。樽には蛇口が三つ付いているので、それぞれの蛇口の前に皆を並ばせるよう指示する。

 まずは俺が手本を見せて、聖水の入ったコップをナルティアに手渡す。
 それを見たフレイアとスカーレットが、コップに聖水を満たした。


 ゴクッ ゴクッ ゴクッ ゴクッ

 一滴も零さないよう、三人が大事に聖水を飲み干した。


「ぷはーーーッ!あの時はそれ所じゃなかったけど、すごく美味しいじゃない!」


 フレイアは一度完全回復しているので聖水の美味さに感動しているが、ナルティアとスカーレットの二人は自分の体調の変化に目を大きくさせた。


「なにこれ・・・。本当に身体の悪かった所が全部治った気がする!」
「絶対気のせいじゃないよ!とにかく体調とか全部良くなって、どこが治ったのかわからないくらい身体が軽くなった!」

「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


 大歓声が上がった直後、入り口の扉が開いて、よく知る人物が姿を現した。


「あっ!リンダじゃないか。久しぶりだな!出掛けていたのか?」

 全員が入口に視線を向けた。

「ほわあああああ!本当に軍師様がいた!!」

 兵士達に道を空けてもらいながら、リンダがこっちに駆け寄って来た。
 そういえばリンダって俺のことを軍師様って呼んでたんだった。

「リンダだってナルティア軍の軍師なんじゃないのか?」
「僕なんか魔法が得意なだけで、智略に優れてるわけでもないし、全然軍師じゃないですよ!」
「あ~、魔法部隊の隊長みたいな立場だったのか」
「ですです!」

 なんかこの子を見てるとほっこりするんだよな~。
 明日パメラを連れて来てビックリさせてやろう!

「おっと!大事なイベントを進行中だった。あ、中入りで悪いんだけど、リンダの分だけ一杯もらっていいか?」

 皆がウンウン頷いてくれたので、コップを聖水で満たしてリンダに手渡した。

「これは?」
「樽に『聖水』って書いてあるだろ?フレイアの命を救った奇跡の水を全員に振舞ってるところだ」
「すごいヤツじゃないですか!」
「つーわけだから、一杯飲んでみな」
「みんな僕の方を見ていて緊張するんですけど!」

 そう言いながらも、リンダが聖水を飲み干した。

「すごい美味しい水ですね!こんな・・・・・・え?」

 リンダが俺の顔を見て驚いた顔をし、キョロキョロし始めた。

「なにこれ!?めちゃめちゃ見えるようになったんですけど!!」
「あ~!リンダって視力が悪かったんだな。ニャルルも出会った当時視力が悪かったんだが、聖水で目が良くなって大喜びしてたのを思い出したぞ!」
「凄すぎるよ!!丸見えだよ!!」
「おめでとうございます!」
「え?この格好良い人はどなた!?」
「俺が連れて来たミスフィート軍の参謀だ」
「ルシオです。よろしくお願いします」
「参謀!?お偉いさんだ!よろしくお願いします!」


 ルシオとぺこぺこお辞儀し合ってるリンダが可愛らしくて、またほっこりした。


「みんな!この『聖水』の力は本物だ!さあ、一杯ずつどんどん飲んでくれ!」

「よし、飲んでみようぜ!」
「すげー緊張してきた!」
「ちゃんと全員分あるんで、慌てなくていいからな~」


 まあそんな感じで、とりあえず全員を健康体にしてから、ゆっくり旅の話を聞かせることになった。

 しかしナルティア軍の兵士達って、横の繋がりが深い感じの気さくなヤツらばかりで、やっぱりこの国大好きかもしれない。

 明日はギャンブル組だけじゃなく、北海道組も全員参加で決まりだな!
 
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