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125 男湯の完成
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男性達にも風呂が必要になったので、その規模に合わせたお風呂セットを作り始めたのだが、ミケネコ城2階にある大浴場と比べると規模が小さいのもあり、何とか1日で作ることが出来た。
男風呂が完成したことを男性陣に伝えたあと、俺も実際に使って試す必要があると判断し、仕事が終わる時間に皆を誘って一緒に入ってみることにした。
・・・・・・・・・うむ、男の園だ。
まず男連中は、風呂というモノが良くわかっていなかった。
領主の館には風呂があったけど、それはルーサイアの領主だったゴンズの身分が高かったからだ。
あのジャバルグが、民衆ごときに風呂を使わせるなんてまず有り得ない。
普通の一般人は、汗をかいても体を拭いて終わりなのだ。
どこかで水浴びをした経験ならあるかもしれんけど、基本的には体を拭くだけという酷い衛生環境だったので、これを機に、皆にお風呂の素晴らしさを教えてやることにした。
「風呂を使うには最低限のマナーがある!いきなり浴槽に入るなんてのは言語道断!まずは洗い場で体を洗って綺麗になってから、ようやく湯船に浸かることが出来るのだ。まず俺が説明しながら洗って見せるから、手順をしっかり覚えるように!」
「「ハッ!」」
シャンプーやリンスの説明をしながら、まずは髪を洗って見せた。
そのあと他の者が髪を洗う。
初シャンプーなのでみんな最初は全然泡がたたなかったけど、そんなのはもちろん想定内なので、今までの汚れを全て落とす勢いで5回シャンプーさせた。
次からシャンプーは2回で十分と説明してから、リンスの使用許可を出す。
「ふぃ~~~!これはスッキリしますね!」
「だろう?女性達は清潔な男を好むから、毎日風呂に入って綺麗にすることを勧めるぞ。女にモテたかったらとにかく清潔にすること!これは基本中の基本だ」
それを聞いて、男達の目が熱く燃え上がった。
「よし、みんな洗い終わったな?じゃあ次は体を洗うからな。まずはタオルに、このボディーソーブを垂らすんだ。そしてタオルを揉むと、ほら、泡が立っただろう?これで体をゴシゴシ擦っていく」
俺が実践して見せた後、全員が体を洗い始めた。
俺は正直、初めての風呂ってのを侮っていた。シャワーで流したお湯が真っ黒になるほど汚れが溜まっていて、慌てて回避したくらいだ。とにかく今までの汚れを全て落とす必要があると判断し、ヒリヒリ痛くなるほど体を洗わせた。
『女にモテる為だ!』と叱咤激励したので、そこにいた全員の目が血走っていたのが印象深かった。体を洗ってヒゲを剃った後、ようやく湯船に入る許可を出す。
「これが風呂ってヤツだ。お湯に浸かるっては良いモノだろう?」
「は~~~っ、最高ですなあ・・・」
「これは気持ち良いですね~!あと、上からお湯が降って来るシャワーってのが新鮮でした!」
ルシオはともかく、獣人のヴォルフも普通に気持ち良さそうに湯船に浸かってるのは良かった。まだ獣人ってのが良く分かってないんで、少し不安だったのだ。
ちなみに鉱山組のドワーフ達もみんな足軽組頭以上の身分なんだけど、彼らはドワーフの街を作る為に領地の下見に行ったので、今ココにはいない。
彼らにも風呂の良さを教えたかったんだけど、まあそれは次回だな~。
風呂をあがって着替えてから、脱衣所のドアの横に、魔道具の使用上の注意を書いた紙をデカデカと貼り付けた。
貼り紙だけじゃ心配なので、男性陣にも『魔道具は必ず窓を開けて使用すること』『魔道具を使い終わったら必ず停止させること』『最後の人は必ず風呂場の照明を落とすこと』などの注意事項をしっかりと説明し、最後に魔石の交換の仕方も教えておいた。
城は石造りだから火事の心配はあまりないかもしれんけど、魔道具を壊されちゃかなわんし、城の中が乾燥してもマズいし、魔石の消費も抑えたいからな。
そしてマジックバッグからドライヤーを2つ取り出し、脱衣所に設置した。
使い方の説明を兼ねて俺が最初に髪を乾かし、その後全員が髪を乾かしたのだが、みんなドライヤーに衝撃を受けたらしく大絶賛だったぞ!
安全確認の為に定期的に様子を見に来るつもりだけど、俺が男湯に入ることはもうないだろな。男同士の裸の付き合いも嫌いじゃないけど、大浴場が楽園すぎるのだ!アレを知ってしまうと、男の園なんかじゃとても満足などできん!
・・・・・
男性陣に清潔感の重要性をもう一度アピールしてから、自分の部屋に戻って来た。
今日はもう仕事するような気分じゃないので、服の強化は明日からにしよう。
トントン
毛皮の上でゴロゴロしてるとドアがノックされた。
誰だろ?
「どうぞー」
ガチャッ
中に入って来たのはカーラだった。
「小烏丸に頼みがあるんだ!」
「頼み?」
「アタシはずっとトラネコ城にいたからさ、初めて大浴場を使ったの」
「ああ、そっか!カーラとカトレアは向こうにいたもんな」
カーラが身を乗り出してきた。
「何よあの大浴場!?無茶苦茶凄いじゃないの!」
「確かにすごいよなー。基本設計は清光さんで、俺はただ魔道具を設置しただけなんだが、むっちゃ広いから苦労したわ」
「みんなとプールで遊んだんだけど、もう最高だったわ!」
「俺もプールで泳ぐのが好きなんだよね。少し温くしてあるから冬でも使えるぞ」
ドンッ
こ、これは壁ドンという奴か!?
「トラネコ城にもアレを作って!」
「えーと・・・、アレっつーとプール?」
「全部よ!シャワーも浴槽もプールも!」
「んーーー、魔道具の方は時間があればなんとかなるけど、プールは結構な改造が必要だな・・・。土魔法使いも連れて行く必要があるし」
「お願い!この城の大浴場を体験したらもう、トラネコ城の設備じゃ我慢出来ないのよ!作ってくれるなら、すっっっごいおもてなしするからさっ!」
カーラの凄まじい気迫に圧されて、ずっと仰け反った状態なんだが。
「んーーー、確かに今のままじゃトラネコ城にいる皆が可哀相だな・・・。わかった、虎徹さんの服の強化が終わったらルルを連れてトラネコ城の改築に行こうか」
「やったーーーー!ありがとねっ!」
「ぬおあ!?」
カーラにむっちゃキスされた。
今のままじゃトラネコ組が可哀相だし、すっごいおもてなしってのも気になるし、いっちょ頑張るしかねえか。いやー、マジで時間が足りねえぞおい!
男風呂が完成したことを男性陣に伝えたあと、俺も実際に使って試す必要があると判断し、仕事が終わる時間に皆を誘って一緒に入ってみることにした。
・・・・・・・・・うむ、男の園だ。
まず男連中は、風呂というモノが良くわかっていなかった。
領主の館には風呂があったけど、それはルーサイアの領主だったゴンズの身分が高かったからだ。
あのジャバルグが、民衆ごときに風呂を使わせるなんてまず有り得ない。
普通の一般人は、汗をかいても体を拭いて終わりなのだ。
どこかで水浴びをした経験ならあるかもしれんけど、基本的には体を拭くだけという酷い衛生環境だったので、これを機に、皆にお風呂の素晴らしさを教えてやることにした。
「風呂を使うには最低限のマナーがある!いきなり浴槽に入るなんてのは言語道断!まずは洗い場で体を洗って綺麗になってから、ようやく湯船に浸かることが出来るのだ。まず俺が説明しながら洗って見せるから、手順をしっかり覚えるように!」
「「ハッ!」」
シャンプーやリンスの説明をしながら、まずは髪を洗って見せた。
そのあと他の者が髪を洗う。
初シャンプーなのでみんな最初は全然泡がたたなかったけど、そんなのはもちろん想定内なので、今までの汚れを全て落とす勢いで5回シャンプーさせた。
次からシャンプーは2回で十分と説明してから、リンスの使用許可を出す。
「ふぃ~~~!これはスッキリしますね!」
「だろう?女性達は清潔な男を好むから、毎日風呂に入って綺麗にすることを勧めるぞ。女にモテたかったらとにかく清潔にすること!これは基本中の基本だ」
それを聞いて、男達の目が熱く燃え上がった。
「よし、みんな洗い終わったな?じゃあ次は体を洗うからな。まずはタオルに、このボディーソーブを垂らすんだ。そしてタオルを揉むと、ほら、泡が立っただろう?これで体をゴシゴシ擦っていく」
俺が実践して見せた後、全員が体を洗い始めた。
俺は正直、初めての風呂ってのを侮っていた。シャワーで流したお湯が真っ黒になるほど汚れが溜まっていて、慌てて回避したくらいだ。とにかく今までの汚れを全て落とす必要があると判断し、ヒリヒリ痛くなるほど体を洗わせた。
『女にモテる為だ!』と叱咤激励したので、そこにいた全員の目が血走っていたのが印象深かった。体を洗ってヒゲを剃った後、ようやく湯船に入る許可を出す。
「これが風呂ってヤツだ。お湯に浸かるっては良いモノだろう?」
「は~~~っ、最高ですなあ・・・」
「これは気持ち良いですね~!あと、上からお湯が降って来るシャワーってのが新鮮でした!」
ルシオはともかく、獣人のヴォルフも普通に気持ち良さそうに湯船に浸かってるのは良かった。まだ獣人ってのが良く分かってないんで、少し不安だったのだ。
ちなみに鉱山組のドワーフ達もみんな足軽組頭以上の身分なんだけど、彼らはドワーフの街を作る為に領地の下見に行ったので、今ココにはいない。
彼らにも風呂の良さを教えたかったんだけど、まあそれは次回だな~。
風呂をあがって着替えてから、脱衣所のドアの横に、魔道具の使用上の注意を書いた紙をデカデカと貼り付けた。
貼り紙だけじゃ心配なので、男性陣にも『魔道具は必ず窓を開けて使用すること』『魔道具を使い終わったら必ず停止させること』『最後の人は必ず風呂場の照明を落とすこと』などの注意事項をしっかりと説明し、最後に魔石の交換の仕方も教えておいた。
城は石造りだから火事の心配はあまりないかもしれんけど、魔道具を壊されちゃかなわんし、城の中が乾燥してもマズいし、魔石の消費も抑えたいからな。
そしてマジックバッグからドライヤーを2つ取り出し、脱衣所に設置した。
使い方の説明を兼ねて俺が最初に髪を乾かし、その後全員が髪を乾かしたのだが、みんなドライヤーに衝撃を受けたらしく大絶賛だったぞ!
安全確認の為に定期的に様子を見に来るつもりだけど、俺が男湯に入ることはもうないだろな。男同士の裸の付き合いも嫌いじゃないけど、大浴場が楽園すぎるのだ!アレを知ってしまうと、男の園なんかじゃとても満足などできん!
・・・・・
男性陣に清潔感の重要性をもう一度アピールしてから、自分の部屋に戻って来た。
今日はもう仕事するような気分じゃないので、服の強化は明日からにしよう。
トントン
毛皮の上でゴロゴロしてるとドアがノックされた。
誰だろ?
「どうぞー」
ガチャッ
中に入って来たのはカーラだった。
「小烏丸に頼みがあるんだ!」
「頼み?」
「アタシはずっとトラネコ城にいたからさ、初めて大浴場を使ったの」
「ああ、そっか!カーラとカトレアは向こうにいたもんな」
カーラが身を乗り出してきた。
「何よあの大浴場!?無茶苦茶凄いじゃないの!」
「確かにすごいよなー。基本設計は清光さんで、俺はただ魔道具を設置しただけなんだが、むっちゃ広いから苦労したわ」
「みんなとプールで遊んだんだけど、もう最高だったわ!」
「俺もプールで泳ぐのが好きなんだよね。少し温くしてあるから冬でも使えるぞ」
ドンッ
こ、これは壁ドンという奴か!?
「トラネコ城にもアレを作って!」
「えーと・・・、アレっつーとプール?」
「全部よ!シャワーも浴槽もプールも!」
「んーーー、魔道具の方は時間があればなんとかなるけど、プールは結構な改造が必要だな・・・。土魔法使いも連れて行く必要があるし」
「お願い!この城の大浴場を体験したらもう、トラネコ城の設備じゃ我慢出来ないのよ!作ってくれるなら、すっっっごいおもてなしするからさっ!」
カーラの凄まじい気迫に圧されて、ずっと仰け反った状態なんだが。
「んーーー、確かに今のままじゃトラネコ城にいる皆が可哀相だな・・・。わかった、虎徹さんの服の強化が終わったらルルを連れてトラネコ城の改築に行こうか」
「やったーーーー!ありがとねっ!」
「ぬおあ!?」
カーラにむっちゃキスされた。
今のままじゃトラネコ組が可哀相だし、すっごいおもてなしってのも気になるし、いっちょ頑張るしかねえか。いやー、マジで時間が足りねえぞおい!
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