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147 新生ルシオ爆誕

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 目が覚めた。
 とても清々しい、今までで1番最高と言っても良いくらいの会心の目覚めだ。

 記憶には無いが、いつの間にか服を脱いで寝ていたようだ。
 布団から脱出し、赤い流星の姿に戻った。

 いや~、こりゃやべえぞ。豪華羽毛布団の寝心地半端ねえ!布団に入った瞬間眠りに落ちた気がするし、もう完璧にダンジョンの疲れが吹き飛んでいる。
 今回の戦利品でこれが1番の当たりなんじゃないか?いや、時計もカメラもタイヤも全部有能なんだけどさ。

 洗面台で顔を洗って歯を磨いてから食堂に移動した。



「あら?小烏丸じゃない!帰って来たのね!」

「フローラ、ただいま!」
「おかえりなさい!ダンジョンはどうだった?」
「バッチリだぞ。服もいっぱい手に入れたし、ルシオも強くなった」
「へーーー!そういえば、ルシオも一緒に行ったのよね。いいなぁ~」
「服以外にも面白い物がいくつか手に入れたんで、後でみんなに見せるよ。とりあえずめっちゃ腹減った」
「少し待っててね。もうすぐスープが出来上がるから」
「そりゃあ楽しみだ」


 食事を終えて部屋に戻った。

 さて、シルバーウルフの解体とか色々やることあるけど、まずはルシオの軍服の強化だな。起きた瞬間から楽しみにしてるだろうし。



 ・・・・・



「よし、終わった!」

 んじゃルシオを探すか。強くなったから腕試しをしに訓練場に行ってると予想。



 おお、やっぱりココにいた!


「おーい、ルシオ!」

「あっ!小烏丸さん!」

 みんなと訓練をしていたルシオが慌てて駆け寄って来た。

「服の強化が終わったぞ。早速部屋に戻って着替えて来るといい」
「おおお!すごく楽しみにしてたんです!」

 マジックバッグから軍服を取り出し、ルシオに手渡した。


[軍服]
 :謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価S
 :斬撃耐性++ 刺突耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性++ 炎耐性++
  熱耐性++ 冷気耐性++ 汚れ耐性++ 精神耐性++
 :自動修復(中)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能


「わああ~~~!めちゃめちゃ強くなってますね!!」
「強さもだけど、汚れ耐性や消臭脱臭機能がスゲーんだよ。読んで字の如く、汚れもしないし匂いもつかない。更に自動修復の効果で服が皴にならんので、洗濯する必要が無いんだ。っていうか防水機能が付いてるから洗濯できないと思ってくれ。でも下着は洗濯しなきゃイカンので、そこだけ注意な」
「女性達が喜ぶわけだ・・・。よし!じゃあすぐにでも着替えて来ます!」

 ルシオが走って着替えに行った。

 やっぱすごく楽しみにしてたんだな。あれほど格好良い服なんだから当然か。
 男だって良い服を着たいのだ。


「戻りました!」

 はやっ!!見ると、軍服を着たルシオがそこに立っていた。

 めっちゃ格好良いやんけ!!金髪なのもあって、嫉妬するほど良く似合っている。

「へ~~~、見違えたな!驚くほど似合ってるぞ!!」
「ありがとうございます!でもこの服、ちょっと豪華すぎません?」
「正直な感想を言うと、豪華すぎて今の身分じゃちょっと釣り合ってないな。コイツを着こなすには侍大将以上の身分が欲しいかな?」
「侍大将ですか・・・、まだまだ遠いですねえ」
「ダンジョンで強くなったんだから、活躍の場さえあればもう夢物語じゃないぞ!ただ強さだけならば女性達も今のルシオと遜色ないからな~。強さ以外の部分でも何か光るモノがあればってとこか」
「強さ以外の部分・・・、そっちの方が難しそうです」

 俺直属の部下ならば、そういうのを学べる機会を与えてやれるが・・・。折角だからルシオに内政知識を叩き込むか?そろそろみんな脳筋を卒業させる必要があるし。

「よし、決めた!ルシオには内政を学んでもらう!強さは手に入れたんだ。次は内政を憶えて、何でも出来るようになってもらうぞ」

「内政ですか?国を豊かにする仕事ですよね?」
「そうだ。実はこのミスフィート軍には内政が出来る人材がいなくてさ、これから内政官の育成を始めるつもりだったんだよ。俺の代わりが務まるようになれば合格だ」
「すごく大変そうですが頑張ります!ご指導お願いします!」
「期待してるぞ!」

 ルシオ以外にも内政官は最低10人欲しい。
 まず最初に、普段の言動に知性を感じる人材をかき集めようか。勉強をしたことが無いってだけだから、脳筋と言っても頭が悪いわけじゃないんだよ。
 とにかく育成を急がんと、俺とミスフィートさんがパンクしてしまう!


 ルシオを教育することに決めたんで、とりあえずミスフィートさんに報告だ。

 2階に向かって歩いていると、すれ違う皆の視線を感じた。
 目線を追うと、見てるのは俺じゃなくてルシオの方だ。
 いきなり格好良い服を着た男が出現したら、そりゃ誰でも気になりますよね~。

「注目の的だな!皆がルシオを見ているぞ」
「見られていますね・・・、少し恥ずかしいです」


 2階に上がると、こちら側に向かってピピン隊が歩いて来るのが見えた。


「ん??小烏丸の横にいるのってルシオじゃない?」
「なんか格好良い服着てるよ!?」
「まあっ!見違えたわね~~~!!」

 珍しいモノを発見した彼女らは、当然の如く駆け寄って来た。

「ルシオ!その服どうしたの?」
「えーと、三河の虎徹さんに頂きました」
「格好良いじゃない!とても似合ってるわよ!」


 おお~、ルシオがモテている!やっぱり良い服を着ていると違うな~。

 元々金髪のイケメンだし、見た目だけならモテる要素は十分あったんだよな。そんなイケメンが突然格好良い服を着て歩いてたら、俺でも話し掛けたくなるわ。
 しかも強くなって帰って来たのだから、これからは大勢の女性達に注目されることだろう。


「あ、そうだ!後で皆にシルバーウルフの解体を手伝ってもらう予定なんで、城内にいる人達にそう伝えてくれないか?」

 ピピン隊の前で、マジックバッグから浄化済みのシルバーウルフを取り出す。

「わぁ~!すごく綺麗な魔物ね!」
「今回はなんと!解体した魔物の毛皮は、解体した人が持ち帰って良いのだ!肉は厨房行きだけどな」
「この美しい毛皮が貰えるの!?絶対やる!!」
「うわあ~~~!この毛皮が貰えるなんて最高じゃない!」
「そういうことなんで、皆への伝言はピピン隊に任せたぞ!解体は城の外でやるんで、大体1時間後に城門前集合だ」
「わかったわ!伝言は任せて!」


 こんな毛皮が貰えるとあっちゃ、みんな張り切って解体するに違いない!
 デカい箱と水生成機が必要か。色々と準備しないとな・・・。
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