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867 百花繚乱三代目総長ヨーコ
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ツッパリ共を処分したので裏路地から外に出た。
女の子達の視線を浴びてちょっと恥ずかしい。
「男と男の話し合いをしたら分かってくれた。裏路地が空いたぞー」
さっきの女番長が駆け寄ってきた。
「いやいやいや!思いっきり喧嘩してただろ!」
「俺は正義の味方だ。喧嘩なんかしない」
「サラッと嘘つくんじゃねえよ!只者じゃないとは思ったけど・・・」
ちょっと拳を鍛えすぎたから、悪いけどツッパリ程度じゃ力の差がありすぎて喧嘩にならんのよ。今のは話し合いでござる。
「まあいいか。来な!」
女番長が全員に呼び掛け、ゾロゾロと路地裏に入っていった。
無粋かもしれんけど、こんな面白そうなの見逃す気はないので最後尾からついていくと、女の子達が倒れているツッパリ共を見てフリーズしていた。
「こいつらって・・・」
「左のヤツって、地獄の道標のサダオか!?」
「ハハッ!ざまあないね!大っ嫌いなんだよコイツ」
「でもわらわらと集まってくんじゃね?」
女番長が振り返った。
「これのどこが話し合いなんだよ!しかも地獄の道標じゃないか!」
「わしゃやっとらん。男と男の話し合いは過酷だから寝てしまったのだろう」
「どうなっても知らないよ?コイツら本当にしつこいからね」
「スヤスヤしてる間におウチに帰るから大丈夫だ」
女番長が呆れた顔をして、ミスフィートさん達の方を見た。
「バカ共が目覚める前にとっととやるよ!」
「構わぬが、一斉にワーっと暴れる感じなのか?」
「上手いこと5対5なんだしタイマンだろ!」
「どいつと戦うか決めようぜ!」
「あのムカツク猫はオレがやるよ!」
「じゃあその紫頭もらった!」
どんどん対戦相手が決まっていく。
しかし1人だけ、今の状況が気に食わない人物がいた。
「私はケンカしないって言ってるでしょ!」
「でも5対5なんだから、やるしかあるまい?」
「もう諦めて喧嘩するしかないっスよ!」
「俺はさっきあのヨーコって娘に、手は出さないって約束したからな?」
「こがにゃんが参加したら変にゃ空気ににゃるにゃ」
「こうなったらもうやるしかないっしょ!」
「勝手に決めないでよね!」
和泉は平和主義なのだ。
しかしこっちの事情など相手には関係なかった。
「じゃあ始めっか!」
「そこのムカツク猫、ワンパンでぶっ壊してやんよ!」
「いくぜ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!」
「おい待て、アタシの相手が・・・」
ドドドドドドドドドド
ドガッ! ガスッ メキッ! グシャッ
「がハッ!」「いぎッ」「ぐふっ」「ほげッ!」
バタッ
―――――当然ながら、勝負は一瞬だった。
女番長グループの4名が、瞬く間に地面に這いつくばった。
「・・・はあ!?ちょ、お前らなに一瞬でやられてんだよ!1対5になっちまったじゃねえか!ふざけんじゃねーーーーー!」
たぶん何となく対戦相手に決まった和泉がイヤイヤしていたせいで、女番長のヨーコだけ戦闘態勢に入っておらず、そうこうしている間に大惨事である。
正直、見ていてちょっと可哀相だった。
「さすがに5対1でボコる気はないっスよ~」
「よっしゃーーーーー!初勝利だ!今なら村長だって倒せる!」
「パンチ一発で十分だったにゃね」
「イズミが駄々を捏ねるから、あの子だけ寂しそうじゃないか!せめてもの情けに戦ってやるのだ!」
「なんで私がやらなきゃならないのよ!」
和泉の側まで歩いていき、肩にそっと手を置いた。
「和泉、気持ちは分かるが女番長に恥をかかせちゃいかん。この状況で自分だけ何もしなかったら仲間に面目が立たないだろ?」
その言葉を聞き、和泉が『ふぅ』と溜息をついた。
そしてヨーコの前まで歩いていった。
「いいよ。相手してあげる」
「何なのさ、その上から目線は!百花繚乱の三代目をナメんじゃないよ!」
「百花繚乱ですって!?良いネーミングじゃない!」
本当に良いネーミングだな!
優れた人物や美しい女性がたくさん集まってるって感じの意味だったハズだ。
「褒めたって何も出ないよ!で、アンタはどこのチームなんだよ?」
「・・・チーム?ん~、しいて言えば初代料理班の和泉だよ!」
「初代だと!?見ない顔だと思ったが、旗揚げしたばかりだったとはな!」
和泉が適当なこと言うから、何か色々勘違いしちゃってるじゃないか。
「フン、世の中そう甘くないってことを教えてやる!いくぜ!!」
タタタッ
素晴らしい瞬発力でヨーコが和泉に迫り、見るからに喧嘩慣れしている腰の入った強烈なパンチを放った。
ガシッ
しかし高レベルで反射神経そのものが強化されているばかりか、ちゃんと刀の訓練までしている和泉はもはやただの料理人ではなく、難なくその腕を掴んだ。
「なにッ!?」
「いいパンチだね。でも残念ながら私には当たらないかな?」
パシッ!
「かはッッ!」
ドンッ ビシッ!
どうやら殴るつもりはないようで、和泉は平手打ちや手刀で攻撃している。
「くっ!!」
ヨーコも強烈な拳や蹴りを繰り出してはいるのだが、力の差は絶望的で、その攻撃の全てを弾かれ、数度の攻防でとうとう地面に倒れた。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「私の勝ちってことでいいかな?」
仰向けに倒れているヨーコの目から涙が零れた。
「くそッ!こんな強いヤツがいるなんて・・・。アタシの負けだ!!」
和泉が彼女に近寄り、手を差し伸べる。
「単純にレベル差があっただけだから事故みたいなもんだよ」
ヨーコが驚いた顔で和泉を見た。
「もしかして、人を殺したことがあるのか!?」
「いや、それはないけど」
「なのにその強さか・・・。ハハッ、ハハハハハハ!!」
ヨーコは和泉の手を取らず、なぜか土下座した。
「アタシを弟子にしてくれ!いや、してください!」
「・・・はい?」
はあ?和泉の弟子だと!?
「そうか!ヨーコを撃破したことで、女番長の地位が和泉に移行したんだ!」
「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーー!?」」
デカい声で叫んだから聞こえたのだろう。和泉が俺を睨んだ。
「そこ!!私のこと女番長って呼んだら絶対許さないからね!!」
「スケバンイズミの誕生にゃ!よくわからにゃいけど羨ましいにゃ!」
「イズミに美味しいとこ全部持っていかれたっス!」
「私も初勝利だったのに、やっぱりボスを倒さなきゃダメか~」
「欲しがっていた弟子ができて良かったではないか!」
「その者、メイド服を纏いて越後の地に降り立つべし・・・。古き言い伝えは真実であった。伝説の女番長の誕生ですじゃ!」
「「スケバンイズミ、ばんざーーーーーーーーーーーーーーーい!」」
「こらーーーーー!女番長って呼ぶなーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ワーーー パチパチパチパチパチパチパチパチ!
こうして越後の街に伝説の女番長が・・・って冗談は置いといて、なんか弟子入りを志願してるわけだけど、アレどうすんだろ?
女の子達の視線を浴びてちょっと恥ずかしい。
「男と男の話し合いをしたら分かってくれた。裏路地が空いたぞー」
さっきの女番長が駆け寄ってきた。
「いやいやいや!思いっきり喧嘩してただろ!」
「俺は正義の味方だ。喧嘩なんかしない」
「サラッと嘘つくんじゃねえよ!只者じゃないとは思ったけど・・・」
ちょっと拳を鍛えすぎたから、悪いけどツッパリ程度じゃ力の差がありすぎて喧嘩にならんのよ。今のは話し合いでござる。
「まあいいか。来な!」
女番長が全員に呼び掛け、ゾロゾロと路地裏に入っていった。
無粋かもしれんけど、こんな面白そうなの見逃す気はないので最後尾からついていくと、女の子達が倒れているツッパリ共を見てフリーズしていた。
「こいつらって・・・」
「左のヤツって、地獄の道標のサダオか!?」
「ハハッ!ざまあないね!大っ嫌いなんだよコイツ」
「でもわらわらと集まってくんじゃね?」
女番長が振り返った。
「これのどこが話し合いなんだよ!しかも地獄の道標じゃないか!」
「わしゃやっとらん。男と男の話し合いは過酷だから寝てしまったのだろう」
「どうなっても知らないよ?コイツら本当にしつこいからね」
「スヤスヤしてる間におウチに帰るから大丈夫だ」
女番長が呆れた顔をして、ミスフィートさん達の方を見た。
「バカ共が目覚める前にとっととやるよ!」
「構わぬが、一斉にワーっと暴れる感じなのか?」
「上手いこと5対5なんだしタイマンだろ!」
「どいつと戦うか決めようぜ!」
「あのムカツク猫はオレがやるよ!」
「じゃあその紫頭もらった!」
どんどん対戦相手が決まっていく。
しかし1人だけ、今の状況が気に食わない人物がいた。
「私はケンカしないって言ってるでしょ!」
「でも5対5なんだから、やるしかあるまい?」
「もう諦めて喧嘩するしかないっスよ!」
「俺はさっきあのヨーコって娘に、手は出さないって約束したからな?」
「こがにゃんが参加したら変にゃ空気ににゃるにゃ」
「こうなったらもうやるしかないっしょ!」
「勝手に決めないでよね!」
和泉は平和主義なのだ。
しかしこっちの事情など相手には関係なかった。
「じゃあ始めっか!」
「そこのムカツク猫、ワンパンでぶっ壊してやんよ!」
「いくぜ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!」
「おい待て、アタシの相手が・・・」
ドドドドドドドドドド
ドガッ! ガスッ メキッ! グシャッ
「がハッ!」「いぎッ」「ぐふっ」「ほげッ!」
バタッ
―――――当然ながら、勝負は一瞬だった。
女番長グループの4名が、瞬く間に地面に這いつくばった。
「・・・はあ!?ちょ、お前らなに一瞬でやられてんだよ!1対5になっちまったじゃねえか!ふざけんじゃねーーーーー!」
たぶん何となく対戦相手に決まった和泉がイヤイヤしていたせいで、女番長のヨーコだけ戦闘態勢に入っておらず、そうこうしている間に大惨事である。
正直、見ていてちょっと可哀相だった。
「さすがに5対1でボコる気はないっスよ~」
「よっしゃーーーーー!初勝利だ!今なら村長だって倒せる!」
「パンチ一発で十分だったにゃね」
「イズミが駄々を捏ねるから、あの子だけ寂しそうじゃないか!せめてもの情けに戦ってやるのだ!」
「なんで私がやらなきゃならないのよ!」
和泉の側まで歩いていき、肩にそっと手を置いた。
「和泉、気持ちは分かるが女番長に恥をかかせちゃいかん。この状況で自分だけ何もしなかったら仲間に面目が立たないだろ?」
その言葉を聞き、和泉が『ふぅ』と溜息をついた。
そしてヨーコの前まで歩いていった。
「いいよ。相手してあげる」
「何なのさ、その上から目線は!百花繚乱の三代目をナメんじゃないよ!」
「百花繚乱ですって!?良いネーミングじゃない!」
本当に良いネーミングだな!
優れた人物や美しい女性がたくさん集まってるって感じの意味だったハズだ。
「褒めたって何も出ないよ!で、アンタはどこのチームなんだよ?」
「・・・チーム?ん~、しいて言えば初代料理班の和泉だよ!」
「初代だと!?見ない顔だと思ったが、旗揚げしたばかりだったとはな!」
和泉が適当なこと言うから、何か色々勘違いしちゃってるじゃないか。
「フン、世の中そう甘くないってことを教えてやる!いくぜ!!」
タタタッ
素晴らしい瞬発力でヨーコが和泉に迫り、見るからに喧嘩慣れしている腰の入った強烈なパンチを放った。
ガシッ
しかし高レベルで反射神経そのものが強化されているばかりか、ちゃんと刀の訓練までしている和泉はもはやただの料理人ではなく、難なくその腕を掴んだ。
「なにッ!?」
「いいパンチだね。でも残念ながら私には当たらないかな?」
パシッ!
「かはッッ!」
ドンッ ビシッ!
どうやら殴るつもりはないようで、和泉は平手打ちや手刀で攻撃している。
「くっ!!」
ヨーコも強烈な拳や蹴りを繰り出してはいるのだが、力の差は絶望的で、その攻撃の全てを弾かれ、数度の攻防でとうとう地面に倒れた。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「私の勝ちってことでいいかな?」
仰向けに倒れているヨーコの目から涙が零れた。
「くそッ!こんな強いヤツがいるなんて・・・。アタシの負けだ!!」
和泉が彼女に近寄り、手を差し伸べる。
「単純にレベル差があっただけだから事故みたいなもんだよ」
ヨーコが驚いた顔で和泉を見た。
「もしかして、人を殺したことがあるのか!?」
「いや、それはないけど」
「なのにその強さか・・・。ハハッ、ハハハハハハ!!」
ヨーコは和泉の手を取らず、なぜか土下座した。
「アタシを弟子にしてくれ!いや、してください!」
「・・・はい?」
はあ?和泉の弟子だと!?
「そうか!ヨーコを撃破したことで、女番長の地位が和泉に移行したんだ!」
「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーー!?」」
デカい声で叫んだから聞こえたのだろう。和泉が俺を睨んだ。
「そこ!!私のこと女番長って呼んだら絶対許さないからね!!」
「スケバンイズミの誕生にゃ!よくわからにゃいけど羨ましいにゃ!」
「イズミに美味しいとこ全部持っていかれたっス!」
「私も初勝利だったのに、やっぱりボスを倒さなきゃダメか~」
「欲しがっていた弟子ができて良かったではないか!」
「その者、メイド服を纏いて越後の地に降り立つべし・・・。古き言い伝えは真実であった。伝説の女番長の誕生ですじゃ!」
「「スケバンイズミ、ばんざーーーーーーーーーーーーーーーい!」」
「こらーーーーー!女番長って呼ぶなーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ワーーー パチパチパチパチパチパチパチパチ!
こうして越後の街に伝説の女番長が・・・って冗談は置いといて、なんか弟子入りを志願してるわけだけど、アレどうすんだろ?
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