七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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ダンジョン編

56 撤退&検証

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「黒山羊だ。羽も生えてるな」
「バフォメットって名前だぞ。槍持ってるしなんか強そう」

頭はヤギで、手と胴体は人間っぽく、羽が生えてて、足はヤギかな?蹄がある。そして持ってる槍がこれまた真っ黒で非常に悪魔な感じだ。

「俺らが覗いた瞬間からずっとこっち見てるよな?アイツ」
「目を逸らしたら負けだと思ってる」

ん?なんかごにょごにょ言ってね?

「イカン!またバンシー沸くんじゃねえのか!?」
「デュラハンのパターンか!」

バフォメットがこっちに槍を突き出し、魔法が発動した。

「魔法だ!逃げろ!!!」
「チビ結界!チビ結界!」

チビ結界を出して、すかさず後ろにダッシュで逃げる!

バリバリバリッ!!

あぶねーーー!これは雷か!?チビ結界2つ出して良かった。

「雷撃か!結界凄くナイスだ!アレに魔法が当たらなかったら、たぶんくらってたぞ」
「バリバリってすげー音がした!・・・追いかけては来ないみたいだ」

一応警戒しながら部屋に引き返す。

「あの距離で先制攻撃して来るとはな。今度のボスは魔法かよ」
「槍持ってたから、物理攻撃も魔法攻撃もじゃない?」
「だとしたらデュラハンよりさらに手強いか」
「足に蹄付いてたし、速度も馬みたいに速いのかもしれない」

槍を振り回して魔法唱えて走り回るとか、無理ゲーでござるな。

「これは対策が必要だぞ・・・、最低でも魔法を何とかしなきゃならん」
「雷って感電とかするんだっけ?」
「たぶんな。ただアイツの魔法が雷だけとも限らん」

雷だけなら、ガチャでそれっぽい耐性ついた装備集めれば済むんだが。

「そういやコテツの結界で魔法防げたよな。あの結界って箱型にしか出来んのか?」
「宇宙人結界にも出来るぞ。今はマークⅡだ」
「何だそりゃ??」

「宇宙人マークⅡ!」


「・・・ん?どの辺が宇宙人なのかよくわからんのだが・・・」

あーそっか!マークⅡはほぼ透明なの忘れてた。

「マークⅡキャンセル!・・・んで初代宇宙人!」

「おお!!あーーーこれか!ペンキ被ったと思った奴だ」

そういやペンキまみれと勘違いされたんだっけな。驚かせる予定だったのに。

「俺にも結界を装着させるのは可能か?」
「んーーーどうだろう?やってみる?息苦しいけど」
「なぬ!?息苦しいのは勘弁だな。中ちょっと広くしてくれ」

広くかー、それだと宇宙人じゃないよな。おっとこれじゃ目の前青すぎて失敗しそうだ。

「宇宙人キャンセル!」

よし、んで広くか・・・。そうだ、アレにしよう!


「アニキにスライム結界!」


アニキがスライムになった。


「くっ、プクク・・・わーーーっはっはっはっはッハッハッはひっハヒッ」

「ぬ!?何を大笑いしてんだ?とりあえず中は広いっぽいが、これじゃ視界青くて戦えんぞ」
「ハアッはあっ、ヒっひっふーっ・・・。そりゃあスライムだからな!」
「スライムってあの青くて水滴みたいな形の奴か!?俺は今アレになってんのか」
「かんっぺきにスライムだぞ!」

アニキがじりじりとコッチに移動してきた。

「バフッ!!アニキ、その歩き方はイカンですよ!アーーッハッハッハひっ!!」
「前見えねーんだよ!てかあんまり笑われるとコッチにも笑いが感染るうつるからやめい!」

あーおもろかった。んじゃ解除して色薄くしてみっかね。

「アニキスライム解除!」

「おお?見えるようになった」
「次はマークⅡくらい透明にしてみる」
「フム、それで頼む」

「アニキスライムマークⅡ!」


「ん?もう結界あんのか?これ」
「あるはず。見えないけど」

近寄って触ってみる。うん、あるな。

「ちゃんと結界出来てるよ。」
「ふむふむ、でもこれ透明すぎて、戦ってる時にコテツがぶつかったりするんじゃねえか?」
「あーそっか!あと忘れてたけど、剣持ったまま宇宙人やると剣の周りに結界が出来てしまって、結界でモンスター殴る感じになっちゃうんよね」
「ほう」
「えーとすなわち、自分の攻撃で結界壊れるかもしれない」
「なるほど、そりゃ改善せんといかんな」
「まだ試してないけど、宇宙人結界してから剣持てば大丈夫だとは思う。体と結界までの距離3cmあるから、持った時浮く感じになりそうだけどね」
「・・・スライムだと剣持てなくねえか?」

言われてみると、たしかにスライムじゃ剣持てないぞ!?

「持てないぞ!」
「ダメじゃねえか!こりゃとりあえず一旦部屋戻って作戦の練り直しだな」
「わはははは!スライム道を究めるには長い道のりだな!」
「そもそも、スライムである必要が無さそうだけどな」

「あ、しまった!MPがかなり減ってる!スライム解除!」

スライム結界ってスゲーMP食うじゃんよ!?ちょっとスライムがデカすぎたな。

「あぶねーー!もう部屋に転移するギリギリしかMPが無かった」
「あーそっか。流石にここから歩きはキツイわな。部屋に帰ったらMP消費量も計算して色々考えるべ」


ってことで今回の検証はここまで。部屋に転移してメシ食って寝よう。
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