七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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ダンジョン編

67 時間との戦い

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ズズズズズズ

コテツの居る位置から角度はナナメに、バフォメットに真っすぐ向かって土壁がせり上がる。
なるほど!こういう出し方も出来るのか!さすがアニキだ。

コテツがダッシュで壁を駆け上がる。加速が掛っているので一瞬だ。

『グヴォーーーーーーーッ!!!』
バリバリバリバリッ!

バフォの鳴き声と共に雷撃が直撃するが無視だ。
最後にジャンプ。狙うはバフォの羽!

正面を向いてるバフォメットの羽を狙うのは難しい。だが一つ策があった。

「チビ結界!」

槍を振りかぶるバフォの横をすり抜けながら、バフォの斜め後方にチビ結界を出し、それを足場に体を反転!

「ジャスティス!!!」

ザシュッ!

バフォの背後から渾身の掛け声と共に羽をぶった斬った。

そしてバフォと一緒に落下。その途中で銀結界が切れる。
予定とは少し違うが大丈夫!チビ結界一つくらいならMPは足りるから。

「クソッ!間に合え!」

コテツの下に壁がせり上がり、落下のダメージを最小限に食い止めた。

「ぐはっッ!」
ズズズズ

そのままゆっくり壁が下がり地面に着地。
くっ、足をやったか!?ってかそんなこと考えてる場合じゃない!
マジックポーションを一気に飲む。続いてライフポーションも飲む。ゲフッ!
MPの回復早くッ!・・・きた!

「アニキにお化け銀!コッチもお化け銀!」

「よしッッ!!コテツは少し休んでろ!」

アニキがバフォメットに攻撃を開始する。

痛みは薄れたがまだ足が痺れている。
くっそ、どこで足を・・・ああ!さっきくらった魔法か!走りながらだから屈んでる暇無かったもんな。
ペトピアリの靴がボロッボロだ。もうこれは自動修復じゃ直らんなきっと。素早さ10%無くなるの痛いよなあ・・・。

アニキの魔剣で浅くはない傷を与えてはいるんだが、バフォメットの槍捌きも見事なモノで致命傷を与えるには至らない。銀結界の防御が鉄壁なのでバフォの槍攻撃が弾かれ苛立ちを見せている。
魔法も物理も効かないからな・・・そりゃ苛つくだろうよ。でも結界には時間制限という弱点があるから、そろそろ決着をつけねばならん。
スタミナは結構回復した。足の痛みも、うん大丈夫。痺れは少し残ってるけどそろそろ行ける!

「アニキ、待たせたな!」

コテツが戦闘に復帰し、もう後はこのまま圧し切るだけ。

「よし!最後の加速だ!一気に決める!」
「加速!アニキにも加速!」

2人の結界が光り出す。

『ヴェーーーーーーーーーッッ!!』
バリバリバリバリ!!

たぶん最大級であろう雷撃が襲って来るが、冷静に屈んで防御する。

アニキが魔剣を振り下ろし即座に振り上げる!
リザード先生との修行で身に着けた燕返しだ。振り下ろしは見せかけで真の狙いは振り上げの方。
黒槍で防ぐもバフォがたまらず体勢を乱す。そこにコテツの3連撃が襲い掛かる。

右上段からの袈裟斬り!最初の攻撃は何でもいい。そして左から真横に剣を一閃。バフォメットの腹に深い傷を与える!そしてトドメは渾身の突き。

バフォメットの体に剣が突き刺さる。

「これで終わりだッ!!!」

アニキが魔剣を一閃。バフォメットの首が飛んだ。



「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「はあっ、はあっ、はあっ、ふーーーっ」

2人の呼吸音だけが響く。もう油断はしない。休んでいいのは死を確認した後だ。

アニキが慎重に近寄り、バフォメットがまだ生きているかどうか確認する。

「フーーーーッ、大丈夫だ。間違いなく死んでいる」

それを聞いて地面に大の字に倒れこんだ。

「勝ったぞーーーーーーーーーーー!!!」

地面に寝転がりながら勝利の雄叫びをあげる。
アニキもさすがに疲労のピークのようで、地面に片膝をつき座り込んでいる。


【レベルが上がりました】

おい!ワンテンポ遅いよ!!無駄に警戒したじゃん!

しかしボスの強さだけで比較すると、力はデュラハンのほうが上だったかもしれないけど、バフォメットは魔法も攻撃も効かない状況だったから、相手が結界使いのオレらじゃなけりゃ普通に強烈なモンスターだったと思う。デュラハンの時と違ってこっちも大幅にパワーアップしたしな。
正直なところ時空魔法持って無い人がアイツ倒すのって無理じゃね?あーでも人数いっぱいなら行けるんかな?オレの知らない魔法とかもありそうだしな。

「コテツ、レジェンドだ!魔石取らんと」
「そうだった!!レジェンドーーー!」

バフォメットから魔石を取り出す。フオオオオオ!間違いない。この大きさはレジェンド!
あーダメだ・・・ニヤケが止まらねえ。

「ちと棺桶にダイブしてくるから、バフォメット素材マジックバッグに保管しといてくれ」

よく見るとアニキもボロボロで流血している。あーそっか!赤結界壊された時の傷か!

「血出てるぞ!大丈夫なんか?アニキ」

「ミノタウロスに囲まれた時に斧くらってな。赤結界壊れた時だ。特攻服に傷付けやがってあの牛共め!・・・これくらいの破れ方なら自動修復効いてくれると信じたい」

どうやら自分の怪我よりも、特攻服が破れたほうがショックみたいだな。ならば怪我のほうは問題あるまいて。

「んじゃちっと行って来るわ」

アニキが怒りながら円卓会議の部屋に戻って行った。


んじゃ消える前にとっととバフォ素材を収集するとしますかね。
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