七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
75 / 183
ダンジョン編

75 職人の極み

しおりを挟む
「水の魔石集めたいのは山々なんだけどさ、ゴブさんに弟子入りしなきゃだしガントレットも作らなきゃいかんのですよ」

「あぁ、そっか。コテツはやる事ありすぎだな・・・わかった。毒消しポーションは俺に任せとけ!ならコテツは先にガントレット作ったほうがいいかもな。重さに慣れてから修行したほうがいいだろ?」

なるほど一理ある。槍が上手くなってからだと、ガントレット着用した時にまた感覚狂いそうだもんな。ここはガントレット作りが先決だろう。

「これを見ながら参考にして作るといい」

アニキがガントレットを貸してくれた。

「サンキューアニキ!」

ということで今日はガントレット作りだ!


・・・・・


正直これは難しいぞ・・・。装着してみたところ、指が思い通りに動かせるんだよコレ。同じものを再現するにはかなりのテクニックが必要となる。このガントレット作ったヤツは天才だな。
貸してくれたアニキに感謝だ。直に観察しながらならコピー出来ないことは無いと思う。

「じゃあ作るといたしますか!高温!」





************************************************************





「やっとガントレットの完成じゃああああああああああ!!!」

完成するまでかなりの時間がかかったと思う。
まずミスリルよりもさらに高温じゃないと加工することが出来なかった。しかも精密作業だったので、手だけに結界を纏って直接オリハルコンを捏ねる技を産み出した。結界を纏っていれば直接触っても熱くないんだ。オリハルコンが発する熱気がヤバかったけど、黒衣の熱耐性のおかげでずっと作業を続けることが出来た。聖水はがぶ飲みしたけどな。

ガントレットがやっと冷めてきたので装着してみる。

「いいねえ~!」

アニキのガントレットと何かも同じじゃ芸が無いので、自分なりに色々アレンジしてみた。
必要の無い部分はオリハルコン出来るだけ薄くして重さを軽減。敵の攻撃を防御するのに必要な手の甲から腕にかけては装甲を厚くし、手首の関節も動かせるようにしっかり調整。
見映えにも気を使い、黒衣と組み合わせても格好良く見えるようにした。

高温と結界を使いこなすオレじゃなかったら、これを作るのに1週間以上、もしくは1か月かかってもおかしくないと思う。魔法ってやっぱスゲーな。

「帰ったゾー」

ガントレットを見ながらニヤニヤしてたらアニキが帰ってきた。

「お帰りー、どうだった?」
「大漁だぜ!ちょっとコレ見てみ!」

アニキがでっかい貝を取り出して地面に置いた。

「ホタテじゃん!!!」
「もう見た瞬間から涎が止まらなかったぜ。あとはコレとコレだ!」

「うおーー!タコとイカも!!!・・・マグロは?」
「悲しいことに魚が一匹もいなかった・・・いや、変なのなら1体いた。サハギンとかいう半魚人だ。結構キモかったんで捕って来なかったけどな。もちろん3体のほうも行かずに帰還したわ。んで歩きだったから帰って来るのこんな時間になったわけよ」
「あーーーそっか!転移ナシで4階はキツいよな。次回は転移でお出迎えするよ」
「帰りはいつになるかわからんから行きだけ頼むわ。流石に往復はキツかった」
「だよなあ。わかった!次は転移で4階に送るよ」

「んでソイツが完成したガントレットか!?」
「おうともよ!完っっぺきな出来だぞ!」
「ほう・・・見事なもんだ。関節部分もしっかり自由に動くみたいだな」
「むっちゃ苦戦したぞ!あ、そうだ、アニキにガントレット返す。サンキューアニキ」
「おう!役に立ったようで良かったぜ」

アニキが出した食材を持って歩き、すべてを泉に投下し始めた。
なるほど、聖水殺菌消毒か。毒消しポーションがない今、とても有効な作戦だ。
・・・ウニは捕って来なかったようだな。

「一応聖水に漬けとくが、完全に浄化されるまで食うのはやめておこう」
「鮮度は下がるかもだけど毒くらうよか全然いいよ」
「昨日捕った食材も泉に投下してくれ」
「オッケー」

カニやエビをドボドボと投下。・・・ウニはやめておこう。他の食材に毒が感染るうつるかもだし、無理に食う必要なんか無い。

「しかし全て浄化中となると晩飯に食うものが無いな。ドラゴンでも捌くか?」
「おーー、ドラゴン肉か!そうしよう!あっ、血抜きがまだだった」
「んじゃ早速、広場で血抜きすっぞ」
「そういやドラゴンの血って素材にならん?」
「なるかもしれん、けど凄い量だから巨大な入れ物作らんとだしめんどいぞ?」
「それもそうだな。まあいっか!ブラッディナイフに全部あげよう」

というわけで広場にドラゴンを出し、血抜き中。

「今回は頭付いてるから一気に行けそう」
「今からコレを解体すると食うまでに時間かかりすぎるから、今日食う分だけ取り分けよう」
「それもそうだ。んじゃ今日はステーキだけだな」
「生レバーも食いたいが、アレはちょっと手間かかりすぎるからしゃーない」


久々ってほどじゃないけど、久々に食ったドラゴンステーキは極上の味だった!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...