七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
97 / 183
ダンジョン編

97 アニキ、完全復活

しおりを挟む
服を持つアニキの手が震えていた。
当然だ。この時を待ち続けていたのだから。

その威圧感に釣られて鑑定してみた。


[伝説の特攻服(白)]
:喧嘩の強さでは無く、服の圧倒的な格好良さが伝説の由来。評価S
:謎の化学繊維で作られた服。様々な付与魔法が込められている。
:全パラメータ5%アップ
:斬撃耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性+ 炎耐性+ 熱耐性+ 冷気耐性+
 汚れ耐性++
:自動修復(大)サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能


うわーーーつええ!!オレの黒衣と似た感じの耐性だが、こっちのほうが少し上だ。まあレジェンドの金だからな。服の中では最高峰の防御力なんじゃなかろうか?

「アニキおめでとう!ついに特攻服が出たな!」

「あ、ああ。・・・ありがとうよコテツ。あまりの衝撃に腰が抜けたわ」
「わはははははっ!その特攻服凄まじい性能だぞ!鑑定した?」

「おおー!!コテツの黒衣とそっくりな内容だな。コッチの方が+が増えてるわけか」
「消臭脱臭機能は最高だぞ!アニキのは汚れ耐性++だしもう無敵じゃん!」
「よし、腰が少し復活した。着替えてみよう」
「とうとう初代特攻服の洗濯が出来るな!」


アニキは泣いていた。前にも一度見た男泣きってヤツだ。

「コテツよ・・・、俺は今までこんな素晴らしい特攻服に出会ったことがねえ。着心地、肌触り、そして圧倒的なフォルム!全てが完璧だ。もう脱ぐことは無いだろう」
「いや、それ前にも聞いたぞ!わかるけどっ!二着あるんだし、たまには着替えてもいいと思うぞ」
「そ、そうか。あまりにも完璧な着心地に我を忘れてしまったようだ」

「天下無双も良かったけど、そのお経みたいのもいいな」
「お経では無い!いや確かに非常に似ているが、背中に書かれている字は己の生き様よ。この特攻服を作った人のセンスはもはや神だな。金色の文字に黒で縁取っているわけだが、派手なのに嫌みが無いとでも言おうか・・・。絶妙なセンスで全てを中和している」
「ほお~、特攻服ってのは奥が深いんだな」
「作り手にはどんだけ威圧感を出すかが試されるわけよ。とにかくこの特攻服は伝説って付くくらい評価を受けた逸品だな」

今までの不運を全て薙ぎ払ったアニキのテンションは有頂天だ。最近元気無かったから本当に良かった。ガチャの恐ろしさってのは不運が続くと病んでしまうことなんよね。オレも気を付けなきゃな。

「いやーしかしアニキもとうとう目標達成かー。残るはダンジョンの脱出だけだな!」
「それよな。10階のボスが倒せる範囲ならいいのだが、黒龍かなりヤバかっただろ?あれ以上の魔物なのは確実だから相当気合入れる必要があるぞ」
「10階で新しい師匠が見つかればまた修行出来るんだけどね」
「まあそれも期待だな。しかし5階からダンジョンが倍の広さになったのがキツいわ。1階層攻略するのに2ヶ月ペースって普通にヤバイだろ」
「10階でそれも終わると思えば頑張るしかないよ!」
「そうだな。もう流石にダンジョン攻略はお腹いっぱいだ。10階で出口が出現することを強く願おう」

もうね、ホント心の底から飽き飽きしてる。普通ダンジョンってのは、住む所じゃなくてたまに来るもんじゃない?何かもうここは色々とおかしい。慣れ過ぎておかしいのが普通になったけどな!わはははははっ!

「そろそろメシにしない?なんせ今日のメシは黒龍だぞ!」
「そういや上位龍だったなアイツ。今までのドラゴンを凌駕してくる可能性は高いか」
「きっと黒毛和牛クラスだぞ!食ったこと無いけど」
「そんなもんじゃねえだろ?普通のドラゴンがすでにどんな肉をも超えてるし」
「おおー!んじゃすぐ食おう!」
「だな。黒龍はデカいから広場で気合の解体だ」

「いきなりの大仕事突入で涙が出て来たぞ!けどやったらぁ!」
「俺らはすでに解体のプロだから時間もそんなかからんだろうさ」
「クソガー!気合だー!」

ちなみに広場で解体する時はいきなり肉が消える恐れがあるので、何度もアイテムボックスかマジックバッグに収納し直すのが基本戦略だ。
実は前に一度、消えるのを完全に忘れていて、広場で海鮮パーティーしてたら海鮮物を消滅させてしまいアニキと二人で涙目になったのだ。

黒龍はさすがに消滅させるとマズイので、ホント何度も出し入れしながら丁寧に捌いた。


・・・・・


「「いただきます!」」

黒龍の特大ステーキを口に入れる。


「うめええええええええええええ!!!!」
「くおおおおぉ、何という濃厚な肉なんだ・・・美味いのレベルを完全に通り越してるぞ」
「美味いの二段階くらい上だよな!」
「これを毎日食ってたら他の肉が食えなくなりそうだ。頑張った後のご褒美的な感じで、そういう時だけ食うことにしよう」
「だな!そう簡単に出会えるモンスターとは思えないし」
「まあな。肉はかなり大量にあるが節約を心掛けよう」


黒龍はマジで最強の美味さだった!ホタテ10個分くらいだな!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...