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アリア編
107 魔の森
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「なあコテツ、レジェンドすぐ回すのって勿体なくねえか?」
「ん?なんで?」
「俺ら死神まで全部倒してしまっただろ?なのでもう魔石(大)を手に入れるチャンスが無いんだよ。倒したボスもまったく沸く気配ねーしよ」
「あーそっか!んじゃ今持ってるレジェンド魔石は最後の1個かあ」
「そういうこった。凄く欲しい物があるって言うなら話は別だが、今欲しい物って何も無いだろ?」
「んーーーー・・・無い!」
「持ってるけどあえて回さないってのと、魔石が無いから回せないじゃ全然違うわけよ。心の余裕ってヤツがな。まあ貯金みたいなもんだ」
「たしかに!もう永久にレジェンド回せないのはイヤだ。そっかなるほど・・・んじゃ持ってる最後の1個は温存だな!」
「凄く欲しい物があるって時にでも回すといいさ」
「だな!そうする」
そっかー、最後の1個じゃそう簡単には回せないな。心の余裕貯金だ。
目印の塔を建てながら森をどんどん進む。
ダンジョンで相当鍛えたからそれなりの速度で進んでるとは思うんだけど、虫やモンスターが多いのでその対処で無駄に時間がかかるんだよ。
「どこまで歩けばこの森越えれるんだかなあ」
「目印の塔作ってなかったら余裕で迷子になれるな」
薮も多いので死神の大鎌が大活躍だ。大鎌なので広いとこでしか振り回せないけどな。
「あーもうまたモンスターだ」
「狼が一番うぜえな。イチイチ数が多いんだよ!」
「オレは蜘蛛がヤダ。蜘蛛の巣はもっとヤダ」
蜘蛛の巣に気付かないで突っ込むと、顔や髪の毛に絡まったりでわっちゃわちゃになるからホント勘弁して欲しい。あまりにも鬱陶しいんで青結界張りっぱなしだよ。
・・・・・
もう何本目かわからんくなるくらい塔を建てたんだが、やっと遠くに森の終わりが見えた。
「アニキ!やっと森抜けるぞ!」
「マジか!!雪原ほどじゃ無いがこの森も結構深かったな」
「と言ってもまだちょっと歩くけどね」
もう森に入るのも勘弁だわ。雪原は比較にならんほど勘弁だが。
そしてやっと森を抜けようって時に異変が起きた。
「ん?なんだこの音は」
「誰か戦ってね?あと悲鳴みたいの聞こえたぞ」
************************************************************
「うわあああ!来るなッ!」
「いてえよおおお!」
「だから魔の森に入るのはまだ早いと言ったんだ!」
「クソーー!お、おい、レイラとネイは?」
「ガアッ!!わからんッ!はぐれたか」
・・・・・
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「ダメっ!追いつかれる!」
「あぐっ、来るな!来るなーーッ!」
村で冒険者として彼ら五人がパーティーを結成したのは約3年前。
みんな同じ村で育った仲良しグループだ。
何度も魔物を討伐して実力をつけて行き、魔の森へ入ったのは1時間ほど前。
最初は順調だったのだ。順調だったが故に深くまで入りすぎた。
みんなで力を合わせてドレッドスパイダーを倒し喜んだのもつかの間、ブラックウルフの大群に囲まれていることに気付く。
7匹くらいまでは倒せた。しかし敵の数があまりにも多すぎた。
乱戦の中パーティーは分断され、レイラとネイは魔の森のさらに奥にまで入り込んでしまった。
「らあッッ!」
なんとかブラックウルフを一匹倒す。しかし驚異は狼だけではなかった。
「レイラ!後ろ!!!」
「エッ!?がはっ!」
いつの間にか背後にオウルベアーが立っていた。
「大丈夫!?くっそおお!」
「に、逃げて!ネイだけでもみんなの所に!」
誰か助けて!お願いだからッ!!
ザシュッ!
『殺られる!』そう思った瞬間、オウルベアーが両断された。
「間一髪ってとこか」
************************************************************
戦闘の音や悲鳴の聞こえる方を目指して森の中をかき分け進んで行く。
「やっぱアニキ以外にも人間っていたのか」
「またゾンビじゃなきゃいいがな」
戦闘中の場所に辿り着くと、女がクマに襲われている場面だった。
アニキがサクッとクマを叩き斬る。
「間一髪ってとこか」
女は二人いてどっちも血まみれだった。
「あーあ、大怪我してるじゃん」
アイテムボックスからポーションを二つ出して女に渡す。
「飲みなよ。ポーションだ」
「あ、ありがとうございます」
女たちは顔を見合わせて戸惑っている様子。
「え?ポーション!?こんな高いの頂けません!」
「いや、そのままじゃお前ら死ぬぞ?いいから飲んどけ」
女たちは断ろうとしたがアニキが強く警告し、観念してポーションを飲んだ。
「ハアーーッ・・・」
「カハッ、ハアッ、ハアッ、ふーーーっ」
ポーションが効いて来たみたいだな。
「ところでゾンビじゃねえよな?」
「え?ゾンビ??」
「いえ、普通に生きた人間ですけど・・・」
「おおお!アニキ、人間だぞ!これぞまさしく第一村人だ!」
「やっぱり人間はいたんだな。魔物以外にもちゃんとした人間が!」
コテツたちが感動してる間、女二人は頭に『?』をいっぱい浮かべていた。
「ん?なんで?」
「俺ら死神まで全部倒してしまっただろ?なのでもう魔石(大)を手に入れるチャンスが無いんだよ。倒したボスもまったく沸く気配ねーしよ」
「あーそっか!んじゃ今持ってるレジェンド魔石は最後の1個かあ」
「そういうこった。凄く欲しい物があるって言うなら話は別だが、今欲しい物って何も無いだろ?」
「んーーーー・・・無い!」
「持ってるけどあえて回さないってのと、魔石が無いから回せないじゃ全然違うわけよ。心の余裕ってヤツがな。まあ貯金みたいなもんだ」
「たしかに!もう永久にレジェンド回せないのはイヤだ。そっかなるほど・・・んじゃ持ってる最後の1個は温存だな!」
「凄く欲しい物があるって時にでも回すといいさ」
「だな!そうする」
そっかー、最後の1個じゃそう簡単には回せないな。心の余裕貯金だ。
目印の塔を建てながら森をどんどん進む。
ダンジョンで相当鍛えたからそれなりの速度で進んでるとは思うんだけど、虫やモンスターが多いのでその対処で無駄に時間がかかるんだよ。
「どこまで歩けばこの森越えれるんだかなあ」
「目印の塔作ってなかったら余裕で迷子になれるな」
薮も多いので死神の大鎌が大活躍だ。大鎌なので広いとこでしか振り回せないけどな。
「あーもうまたモンスターだ」
「狼が一番うぜえな。イチイチ数が多いんだよ!」
「オレは蜘蛛がヤダ。蜘蛛の巣はもっとヤダ」
蜘蛛の巣に気付かないで突っ込むと、顔や髪の毛に絡まったりでわっちゃわちゃになるからホント勘弁して欲しい。あまりにも鬱陶しいんで青結界張りっぱなしだよ。
・・・・・
もう何本目かわからんくなるくらい塔を建てたんだが、やっと遠くに森の終わりが見えた。
「アニキ!やっと森抜けるぞ!」
「マジか!!雪原ほどじゃ無いがこの森も結構深かったな」
「と言ってもまだちょっと歩くけどね」
もう森に入るのも勘弁だわ。雪原は比較にならんほど勘弁だが。
そしてやっと森を抜けようって時に異変が起きた。
「ん?なんだこの音は」
「誰か戦ってね?あと悲鳴みたいの聞こえたぞ」
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「うわあああ!来るなッ!」
「いてえよおおお!」
「だから魔の森に入るのはまだ早いと言ったんだ!」
「クソーー!お、おい、レイラとネイは?」
「ガアッ!!わからんッ!はぐれたか」
・・・・・
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「ダメっ!追いつかれる!」
「あぐっ、来るな!来るなーーッ!」
村で冒険者として彼ら五人がパーティーを結成したのは約3年前。
みんな同じ村で育った仲良しグループだ。
何度も魔物を討伐して実力をつけて行き、魔の森へ入ったのは1時間ほど前。
最初は順調だったのだ。順調だったが故に深くまで入りすぎた。
みんなで力を合わせてドレッドスパイダーを倒し喜んだのもつかの間、ブラックウルフの大群に囲まれていることに気付く。
7匹くらいまでは倒せた。しかし敵の数があまりにも多すぎた。
乱戦の中パーティーは分断され、レイラとネイは魔の森のさらに奥にまで入り込んでしまった。
「らあッッ!」
なんとかブラックウルフを一匹倒す。しかし驚異は狼だけではなかった。
「レイラ!後ろ!!!」
「エッ!?がはっ!」
いつの間にか背後にオウルベアーが立っていた。
「大丈夫!?くっそおお!」
「に、逃げて!ネイだけでもみんなの所に!」
誰か助けて!お願いだからッ!!
ザシュッ!
『殺られる!』そう思った瞬間、オウルベアーが両断された。
「間一髪ってとこか」
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戦闘の音や悲鳴の聞こえる方を目指して森の中をかき分け進んで行く。
「やっぱアニキ以外にも人間っていたのか」
「またゾンビじゃなきゃいいがな」
戦闘中の場所に辿り着くと、女がクマに襲われている場面だった。
アニキがサクッとクマを叩き斬る。
「間一髪ってとこか」
女は二人いてどっちも血まみれだった。
「あーあ、大怪我してるじゃん」
アイテムボックスからポーションを二つ出して女に渡す。
「飲みなよ。ポーションだ」
「あ、ありがとうございます」
女たちは顔を見合わせて戸惑っている様子。
「え?ポーション!?こんな高いの頂けません!」
「いや、そのままじゃお前ら死ぬぞ?いいから飲んどけ」
女たちは断ろうとしたがアニキが強く警告し、観念してポーションを飲んだ。
「ハアーーッ・・・」
「カハッ、ハアッ、ハアッ、ふーーーっ」
ポーションが効いて来たみたいだな。
「ところでゾンビじゃねえよな?」
「え?ゾンビ??」
「いえ、普通に生きた人間ですけど・・・」
「おおお!アニキ、人間だぞ!これぞまさしく第一村人だ!」
「やっぱり人間はいたんだな。魔物以外にもちゃんとした人間が!」
コテツたちが感動してる間、女二人は頭に『?』をいっぱい浮かべていた。
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