七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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アリア編

112 ドラゴン祭り

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「うめえ・・・こんな美味いモノがこの世にあったなんて」
「はあ・・・幸せ・・・」
「長生きしてみるものじゃわい」
「おい!このタレにつけて食ってみろ!美味さが跳ね上がるぞ!」


ドラゴンステーキは大絶賛だ。塩コショウの味付けはしてあるけど、みんなの皿にタレも用意した。何度も食って試し、最強の名を付けた秘伝のタレだ。

「海鮮もそろそろ焼けたな。どんどん回してこう」
「カニもそろそろ茹で上がるぞ」

ホタテに醤油を垂らして焼いているので、辺りは食欲をそそる匂いで充満している。

「ネイ!このホタテ食ってみ!オレの中ではドラゴンに匹敵するレベルだと思ってる」
「なんていい匂い・・・」
「皿が足りんな。おーい誰か!皿持ってきてくれ!」

ドラゴンが行き渡ったら次は海鮮ラッシュだ。
目を離すと黒焦げになってしまうので気が抜けない。

「うおおおおお!この貝もうめええええ!!」
「カニって言ったかしら?これも凄く美味しいわよ!」
「素材もだけどこの醤油?とか言う調味料が凄いのでは無かろうか」
「あっぢぃ!でもうめええええ!!」

大盛り上がりだな。どれも凄い美味さだから当然だけどな!


「よお!こんな美味い物が食えるなんて夢にも思わなかったわ。今日は祭りに呼んでくれてあんがとよ!」
「お?武器屋のおっちゃん!ステーキは食ったか?」
「速攻で食い尽くしたわ!ハッハッハ!しかしこの海鮮物もすげえ美味さだなおい!」
「ホタテ最強。つーか全部美味いけど。あ、そうだ!」

コップを出して清酒を注いでおっちゃんに渡す。

「へい、おっちゃん!酒だ」
「おおお!?酒か!!どれ・・・ゴクゴクゴク、、ップハぁ!うほーーーっ!効くなぁコイツは!」
「料理に入れるヤツだから美味いかどうかはわからんけど」

おっちゃんに清酒と赤ワインを3本ずつ渡した。

「みんなで呑むといいよ。酒好きにいでやってくれ」
「おおお!コイツは嬉しいねえ!あんがとなッ!オーーイ!酒だぞーー!!」


こうしてドラゴン祭りは大盛況の中、深夜まで続いたのだった。





************************************************************





「ふあーーーーーーーーーーーーっ!」

今日は村の宿屋での清々しい目覚めだ。
昨日宿屋の手配するのを完全に忘れていたわけだが、宿屋を経営するおっちゃんとその奥さんが『金なんていいから泊まってけ!』と連れて来てくれたのだ。ちなみにアニキは隣の部屋だ。

着ぐるみを脱いで黒衣に着替え、階段を降りて1階に行く。


「えーとコテツくん、だったかい?よく眠れた?」
「おう!すげーぐっすり寝たぞ」
「白いおにいさんは裏で顔を洗ってるよ。そこのドアから行ってごらんな」
「ほいさー!」

裏口から外に出ると、アニキが井戸の前で歯磨きしていた。

「アニキおはよ」

「ガラガラ、ぺっ!ふー、おはようさん」

井戸水を汲んで顔を洗い歯を磨いた。そして宿の1階に戻って朝食だ。


「現地の食事はこんな感じなんだな」
「うむ。たまにはこういうのも悪くない」

硬いパンが2個とスープだけという質素な食事だが、物珍しさもあり美味しく感じた。

「昨日は盛り上がったなー」
「もうほとんど祭り状態だったな。ああいうのも悪くないべ?」
「人が喜んでるの見るとこっちも楽しくなるな。泣いてる人もいたけど」
「ドラゴンって本当にレアみたいだからな。感極まったのだろう」

食事が終わりくつろいでいると、アニキが指パッチンして立ち上がった。

「なあ女将さん、調味料ってこの村で売れるだろうか?」
「調味料ねえ・・・。昨日のお祭りで使ってた奴かい?」
「そうだな。塩、醤油、味噌・・・ああ、味噌はまだ見せてないか」

アニキがカウンターに三種の神器味噌塩醤油を置いた。

「へええええ!この真っ白いのが塩なのかい!?」
「だな」
「味見してもいいかい?」
「もちろんだ。そのつもりで置いた」

女将さんが小皿を3個取り出して、それぞれの味見をする。

「なんて美味しい塩なのかしら!この醤油?も昨日味見して驚いたけど美味しいわ。あとはこの味噌というのもクセがあるけど料理に使えそうね!」

好感触だ。これは行けるんじゃないか?

「でもこんな高級品、ウチでは買い取れないわ」
「高級品か・・・。普通の塩って、この塩と同じ量だといくらくらいで買える?」
「そうねえ、300ギランくらいかしら。この綺麗な塩なら10倍の価格でもおかしくは無いわ」
「なるほど。よし、塩500ギラン醤油500ギラン味噌500ギランでどうだ?」
「500ギラン!?いいの?その値段で・・・」
「今だけの特別価格だと思ってくれていい。この調味料で美味い食事を出せば、評判になってすぐ元は取れるんじゃないか?」

オレら塩とか腐るほど持ってるしな。これで宿代を稼ぐ作戦ってわけか。

「わかったわ。買いましょう!」
「よし、交渉成立だな」


アニキは交渉も思い切りがあってスゲーな!これは参考にしよう。
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