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アリア編
113 村の見物
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宿屋の女将さんとの交渉は成功したけど、とりあえずはお試しで味噌塩醤油を1個ずつだけとし、欲しくなったらその都度注文するということになった。商品に絶対の自信を持つアニキの余裕の交渉と言えよう。ただし村の雑貨屋さんにも商品を卸すことを伝えた。村の住民も欲しがる人はいるだろうと。
女将が直接オレらから買うメリットはある。雑貨屋を間に挟むと商品が少し高くなってしまうからな。
昨日は慌ただしかったので、今日はゆっくり村の見物だ。
「おお、あんちゃん達!昨日のご馳走は最高だったぜ!ありがとな!」
二人で歩いてると色んな人から挨拶され、そして感謝の言葉をもらう。
大盤振る舞いしたおかげで村の人達とはすっかり仲良しだ。
雑貨屋さんを見つけたので店主に交渉を持ち掛け、商品を売ることに成功した。
味噌塩醤油を20セット。30000ギランの売り上げだ。村では金貨を使うことはまずほとんど無いらしいので、銀貨30枚で受け取った。今んとこ宿屋くらいにしか金の使い道は無いけど、とにかくこれで一安心だ。
「小さい村だから見物もすぐ終わっちまったな」
「だな!ところでカール達の姿が見えんけど、どこにいるんだろ?」
「昨日解体した魔物を売りに町にでも行ったんじゃねえか?」
「あーそっか!マジックバッグでも無いとすぐダメになるもんな」
「うむ。俺らも早起きすれば街に付いて行けたのだが、まぁ寝過ごしちまったんでしょうがあるまい」
「ずっと旅してたから疲れてたのかも。あと寝るの遅かったし」
お祭りが終わったのって深夜だったからな。むしろ早起きのカール達がすげえ。
「そうだ、ダンジョン行ってドラゴン素材とか内臓を清めて来ない?」
「あーそうだな。戻って来られるように村の風景は記憶したな?」
「バッチリだ!んじゃ転移!」
・・・・・
しっかりレバーとホルモンの処理をして泉に沈める。ドラゴン素材は量が多いのでアニキの部屋の泉も使って浄化することにした。それでも何回か分けてやる必要があるので、こればっかりは1日じゃ終わらない。
「昨日の祭りで海産物結構消費したから4階で補充して行こうぜ」
「ドラゴンと違って、海産物はいくらでも補充出来るのがいいよな」
「それよな。だから配るドラゴンはステーキ一人一枚にしたわけよ。ドラゴンは無くなった時に補充する当てがねえからな」
「探せばどこかにいるんだろうけどねー」
「こう言っちゃアレなんだが、大盤振る舞いした理由には俺らの居場所が欲しかったってのもあるんだわ。第一印象がいいと暮らしやすいだろ?」
「なるほど・・・。帰る場所がこんなダンジョンしか無いってのも寂しいしな」
「あの村にずっと住みたいってことでは無いんだが、第二の故郷とするにはかなりいい線行ってる」
「いい村だしオレは結構好きだぞ」
「ああ、田舎ゆえに悪人とかも居ない良い村だ」
************************************************************
「よーし、もう十分だろう。そろそろ村に戻んべ」
「と言っても今日狩りしなくても十分ストックはあったんだけどな」
「まあな。だが、いつまたどこかで大盤振る舞いするかわからんし」
「わははは!アニキのことだから、きっとどこかでまたやらかしそうだ」
そして転移で村に戻ってきた。
「お?そろそろ夕方くらいか」
「ダンジョンにいると明るさ変わらんから時間忘れるよなー」
宿に向かってテクテク歩く。
「おーーーーーい!」
「ん?」
背後から呼ばれて振り向くとカール達の姿が見えた。
「二人に頼みがあるんだ」
「頼み?」
「俺達を鍛えてもらえないだろうか?」
えーとたしか、この人はザックスだったな。
「今日素材を売りに街へ行って来たんだ。なのでちゃんと報酬は払える」
「ザックス、もっと最初から説明しなきゃ!」
「そ、そうか?じゃ説明を頼む」
「えーと、素材を売ったお金をどうしようかみんなで相談したのですよ。でも、それで新しい装備を買うよりも、まず自分らが強くならなきゃ意味が無いという結論になりまして」
「あなた方二人とも凄く強いでしょ?なので私たちを鍛えてもらいたいの」
「もう森で死にかけるなんて御免なんだ!」
「「お願いします!」」
みんな真剣な表情だ。アニキと顔を見合わせ頷く。
「わかった。ここに長居するつもりは無いので数日間ってとこだが、それでもいいなら鍛えてやる」
「おお!よろしくお願いします!」
「あーでも、そろそろ暗くなるぞ?」
「明日からで問題無いか?」
「それでお願いします」
「じゃあ明日の朝、森へ行く方の入り口に集合しようか」
「みんなそれでいいか?」
「それで問題ない」
「異議なーし」
「よっしゃ!絶対強くなってやるぜ!」
「わかりました」
というわけで明日から数日間、カール達を鍛えることになった。
女将が直接オレらから買うメリットはある。雑貨屋を間に挟むと商品が少し高くなってしまうからな。
昨日は慌ただしかったので、今日はゆっくり村の見物だ。
「おお、あんちゃん達!昨日のご馳走は最高だったぜ!ありがとな!」
二人で歩いてると色んな人から挨拶され、そして感謝の言葉をもらう。
大盤振る舞いしたおかげで村の人達とはすっかり仲良しだ。
雑貨屋さんを見つけたので店主に交渉を持ち掛け、商品を売ることに成功した。
味噌塩醤油を20セット。30000ギランの売り上げだ。村では金貨を使うことはまずほとんど無いらしいので、銀貨30枚で受け取った。今んとこ宿屋くらいにしか金の使い道は無いけど、とにかくこれで一安心だ。
「小さい村だから見物もすぐ終わっちまったな」
「だな!ところでカール達の姿が見えんけど、どこにいるんだろ?」
「昨日解体した魔物を売りに町にでも行ったんじゃねえか?」
「あーそっか!マジックバッグでも無いとすぐダメになるもんな」
「うむ。俺らも早起きすれば街に付いて行けたのだが、まぁ寝過ごしちまったんでしょうがあるまい」
「ずっと旅してたから疲れてたのかも。あと寝るの遅かったし」
お祭りが終わったのって深夜だったからな。むしろ早起きのカール達がすげえ。
「そうだ、ダンジョン行ってドラゴン素材とか内臓を清めて来ない?」
「あーそうだな。戻って来られるように村の風景は記憶したな?」
「バッチリだ!んじゃ転移!」
・・・・・
しっかりレバーとホルモンの処理をして泉に沈める。ドラゴン素材は量が多いのでアニキの部屋の泉も使って浄化することにした。それでも何回か分けてやる必要があるので、こればっかりは1日じゃ終わらない。
「昨日の祭りで海産物結構消費したから4階で補充して行こうぜ」
「ドラゴンと違って、海産物はいくらでも補充出来るのがいいよな」
「それよな。だから配るドラゴンはステーキ一人一枚にしたわけよ。ドラゴンは無くなった時に補充する当てがねえからな」
「探せばどこかにいるんだろうけどねー」
「こう言っちゃアレなんだが、大盤振る舞いした理由には俺らの居場所が欲しかったってのもあるんだわ。第一印象がいいと暮らしやすいだろ?」
「なるほど・・・。帰る場所がこんなダンジョンしか無いってのも寂しいしな」
「あの村にずっと住みたいってことでは無いんだが、第二の故郷とするにはかなりいい線行ってる」
「いい村だしオレは結構好きだぞ」
「ああ、田舎ゆえに悪人とかも居ない良い村だ」
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「よーし、もう十分だろう。そろそろ村に戻んべ」
「と言っても今日狩りしなくても十分ストックはあったんだけどな」
「まあな。だが、いつまたどこかで大盤振る舞いするかわからんし」
「わははは!アニキのことだから、きっとどこかでまたやらかしそうだ」
そして転移で村に戻ってきた。
「お?そろそろ夕方くらいか」
「ダンジョンにいると明るさ変わらんから時間忘れるよなー」
宿に向かってテクテク歩く。
「おーーーーーい!」
「ん?」
背後から呼ばれて振り向くとカール達の姿が見えた。
「二人に頼みがあるんだ」
「頼み?」
「俺達を鍛えてもらえないだろうか?」
えーとたしか、この人はザックスだったな。
「今日素材を売りに街へ行って来たんだ。なのでちゃんと報酬は払える」
「ザックス、もっと最初から説明しなきゃ!」
「そ、そうか?じゃ説明を頼む」
「えーと、素材を売ったお金をどうしようかみんなで相談したのですよ。でも、それで新しい装備を買うよりも、まず自分らが強くならなきゃ意味が無いという結論になりまして」
「あなた方二人とも凄く強いでしょ?なので私たちを鍛えてもらいたいの」
「もう森で死にかけるなんて御免なんだ!」
「「お願いします!」」
みんな真剣な表情だ。アニキと顔を見合わせ頷く。
「わかった。ここに長居するつもりは無いので数日間ってとこだが、それでもいいなら鍛えてやる」
「おお!よろしくお願いします!」
「あーでも、そろそろ暗くなるぞ?」
「明日からで問題無いか?」
「それでお願いします」
「じゃあ明日の朝、森へ行く方の入り口に集合しようか」
「みんなそれでいいか?」
「それで問題ない」
「異議なーし」
「よっしゃ!絶対強くなってやるぜ!」
「わかりました」
というわけで明日から数日間、カール達を鍛えることになった。
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