七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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アリア編

136 過去最大の難易度

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ギルドに向かうとメル姉が歩いているのを発見した。

「おーいメル姉!」

こっちに気付いたようで手をブンブン振っている。

「買い物か?」
「そうよ。この前コテツくんが買ってきた、氷を作る魔道具があったじゃない?それと同じのを買って来たところ」
「あの魔道具があれば、かき氷作り放題だな!」
「そうなんだけど、それにはまずかき氷機を作る必要があるわね」

なるほど、たしかにその通りだ。現物あるからオレが作れないこともないな。

「一個作ってやろうか?」
「へ?コテツくん作れるの?」
「見本があるからたぶんイケるぞ」
「作って!お願い!報酬はちゃんと払うわ」
「んじゃ明日にでも作ってみる」
「やったー!」

どうせならおもちゃみたいな大きさのじゃなく、2倍の氷入れれるようなの作るか。電動のかき氷機を作れればもっといいのだろうけど、魔石を電池みたいに使う方法わからんしなー。いつか魔道具職人にもならねばなるまいよ。

ギルドに着いたのでメル姉とは別れた。

中に入ると夕方ゆえに人でごった返している。
えーと、討伐依頼じゃないからこっちの受付でいいんだよな?

「随分と遅かったな。コテツ」
「お?アニキ!もう並んだ後か?」
「だな。荷物運びは楽勝だったぞ」
「こっちもおもろかったぞ。帰りに少し話し込んだので遅くなった」
「なるほどな」


数分後やっと依頼達成の報酬を貰い、そのまま宿屋に帰還した。





************************************************************





今日もなかなかの目覚めだ。
ただ転移すりゃダンジョンの部屋にすぐ戻れるので、宿屋に泊まる意味はあんまし無い。金はあるから別にどっちでもいいやって感じでテキトーなだけだ。

「今日ちょっとやる事が出来たんでダンジョンの部屋行って来る」
「やる事?」
「昨日帰る途中でメル姉に会ってさ、かき氷機作ってやることにしたんよ」
「かき氷機か。外見どうするかで悩みそうだな。木にするか鉄にするか」
「あーそっか!考えてなかった。とりあえずそういうわけなんで、しばらくかき氷機借りるよ」
「了解だ。俺はどーすっかなー」
「金に困ってないから毎日依頼受ける必要も無いよね」
「うむ。ランク上げの為という理由だけだ。だが遊んでてもしゃーないし依頼でも受けるか」
「早く完成したら後でオレも何か依頼受けるかも」
「そっか。んじゃ俺はギルド行って来るわ」
「あいおー」

というわけでアニキとは一先ずお別れだ。さっさとかき氷機を作ろう。
ダンジョンに転移した。


さて、まずは完成品を調べて仕組みを理解せんといかん。
かき氷機に氷を入れてゆっくりレバーを回してみる。

シャコシャコシャコ

なるほど・・・刃の部分はこうなっていたのか。
これは思ったより作るの大変かもしれん。
まず外見をどうするかだけど、木をくり抜くか板を繋げていくか・・・、いや、これなら鉄で作った方が楽だし綺麗に仕上がりそうだ。決めた!全部鉄製にしよう。

いつものように剣を高温で熱してからハンマーで薄く伸ばしていく。
ダンジョンというか、この部屋の床って地味に鍛冶向きなんよね。完全に真っ平だからキレイに仕上がるんだ。そして今回は精密機械チックなのでネジとかも量産しなければならん。正直大剣とか作るよか遥かにめんどくさいぞ・・・。

そして緻密で地味な作業は、予想を遥かに超えて夕方まで続いた。





************************************************************





「完成じゃあああああああああああああ!!!」

いやー疲れた。今まで色々作って来たが今回のが一番難易度高かった。
安請け合いは完全に失敗だったな・・・。正直日本の技術力をナメてた。

部品がイチイチどれもこれも精密なんだもの。
剣とかってぶっちゃけ大雑把やん?今回のは完全に真逆だ。もう一個同じの作れって言われても全力でお断りするね。それほど難易度が高かった。

まあでも完成だ。氷をセットしてシャコシャコ回して再確認。
ウム。完璧だ!
んじゃ店に持ってってメル姉に渡すとするか。

転移で店の裏側に移動した。


「メル姉!かき氷機が完成したぞ!」

「本当!?」

客がいなかったので、店のカウンターにかき氷機をドンと置く。

「入れ物を持ってきてココにセットするのだ」
「はいな!」

メル姉が器を持ってきてセットした。

シャコシャコシャコシャコ

よし、完璧だな!
そして、かき氷機の他にもついでに作ったシロップ用の容器を出す。
この容器にシロップ入れると、逆さまにした時にシロップがシャワーのように出て来るのだ。これで均等にかき氷にシロップを振りかけることが出来るハズ!

容器にシロップを入れ換えて、作ったばかりのかき氷に振りかけた。

「わ~~~!このシロップの容器もいいわね!なるほど・・・」

そして試食タイムだ。メル姉の幸せそうな顔を見た感じ、もう大成功だろう。


「あーーー!メル姉だけずるーーーい!」


どうやらアンナちゃん先生がシロップの匂いを嗅ぎつけたようだ。
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