七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
161 / 183
アリア編

161 トーレス商会へ行く前に

しおりを挟む
春風亭でいつものように目が覚める。
着ぐるみを脱いで、顔を洗って歯磨きし、食堂でアニキと合流する。

今日は店長んとこでから揚げ大会の予定だが、向こうの都合もあるので朝から大会ってわけにも行かない。なので夕方までダンジョンに帰ってバイクの塗装をすることにした。



「悲しいがダンジョンが一番落ち着くんだよな・・・」
「変な体質になってしまったのう」

アイテムボックスからバイクを取り出し、まずはブラシと洗剤で綺麗に洗う。
汚れが付いたまま塗装すると、塗料が剥がれて酷いことになってしまうからな。

綺麗に洗った後は乾燥魔法を使いアニキのバイクと2台並べてサクッと乾かした。

「アニキのバイクは何色にするんだ?」

「この世界に来る前に俺が乗ってたバイクはパールホワイトだった。なのでこっちでもそうしたいのだが、まったく同じ色にするのは厳しそうだから白で行くつもりだ」
「ホワイトはわかるけどパールってなんだ?」
「そうだな・・・、真珠みたいな感じだ。詳しくはわからんが白の塗料に真珠っぽい粉が入ってるらしい」
「へーー!オレは何色にすっかなー。服が真っ黒だから黒以外にしたい」

「黒い服に合う色か。フム・・・何でも合いそうだな」
「アニキと同じ白じゃつまらんよね。赤にすっかな」
「ほう、いいんじゃねえか?赤と黒は非常に相性がいいからカッコ良くなるぞ」
「ただ、どこに色塗っていいかわからんからアニキの見て参考にする」
「そうだな、その方がいいだろう。・・・あー思い出した!ずっと気になってたんだが、座る部分にシート着けてないからケツ痛いだろ?この際だからドラゴンの皮でも張ろうぜ」
「おーー!たしかにちょっとケツ痛いとは思ってた!でもどんな感じにしたらいいのかわからんからアニキに任せていい?」
「そうだな。現物を知ってる俺がやった方がいいだろう。シートの色は黒が格好いいから奮発して黒龍の皮を使うぞ」
「おおおーー!とうとう黒龍素材を使う時が来たか!でも黒龍ってカチカチに硬かったぞ」
「ウーム、まあそこはバイクとシートの間に何か柔らかい物を挟んで対処しよう」


まず完璧に色を塗って乾かしてから最後にシートを張る作戦で行くことにした。
粗方の方針は決まったので作業スタートだ。





************************************************************





「っしゃあああああああああ!完成だ!!!」
「すげーカッコ良くなったぞ!!」

色を塗る場所はアニキのを参考にちょっとだけアレンジした。
黒龍の皮で作ったシートの下に何を入れたらいいか悩んだが、クマの毛皮を折りたたんで入れると、硬さを軽減しつつも柔らか過ぎずで非常にいい具合になった。さすがオレのクマだ!
ついでにハンドルグリップにも皮を張り操作性も向上した。

「時間もいい感じになったな。そろそろトーレス商会に行くか」
「あ、ちょっと待って。店長のお土産にマジックバッグ作る」
「おー!そりゃ店長、間違いなく喜ぶぞ!」


アイテムボックスから中くらいのバッグを取り出してマジックバッグを2個作った。一つはメル姉の分だ。

「よし準備オッケーだ!んじゃ転移するぞー」

トーレス商会の横にサクッと移動した。


・・・・・


店の中に入ると、いつもと違って店内はかなり混雑していた。

「うお!むっちゃ混んでるな」
「なんだこりゃ?」

そして店内を見渡すと混雑の原因がわかった。ナース服でかき氷を作ってるナルティアさんを発見したからだ。

「オイッス!メル姉、ずいぶんと混雑してるな」
「あらコテツくん達じゃない!かき氷を始めてから店はずっとこんな状態よ」
「やはり凄まじい効果だったな。かき氷だけが理由じゃあるまい?」
「そうね」

赤いチャイナ服を着たメル姉を見て確信を持つ。
シャンプーとリンスも使ってるみたいで髪の潤いも完璧だ。

「シャンプー使ったみたいだな?使い心地はどうだ?」
「もう素晴らしいの一言ね!本当に感謝しているわ!」
「そいつぁ良かった。店長は奥か?」
「奥にいる筈よ。呼んで来る?」
「いや、呼ぶ必要は無い。店が閉まってから全員に美味いもん食わしてやるよ」
「それは楽しみね!じゃあそっちの部屋で閉店まで待っててもらえる?」
「勉強部屋だな!アンナちゃん先生と遊んでようぜ」

というわけで部屋に移動して待たせてもらうことにした。


勉強部屋に入ると、アンナちゃん先生がルークとレミィに字を教えていた。

「オッス!アンナちゃん先生、ルークとレミィも元気だったか?」

「わーー!お兄ちゃんたちだ!」
「げんきよ!」
「あっ!二人ともおひさしぶりね!遊びに来たの?」
「まあな。んで字を教えてたのか?」
「うん!ビシバシきたえてたところよ!」
「わははははは!ルークとレミィも大変だな!」
「勉強が終わったら美味いもん食わしてやるから頑張りな!」
「やったーーー!がんばろー」


そうして店が閉まる時間まで子供達の勉強風景をまったりと見学したのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...