七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
165 / 183
アリア編

165 護衛依頼

しおりを挟む
ただ今メル姉とポーカーの勝負中。
アニキは紙を取り出して色んなゲームの説明書を作ってるところ。

「くそー!ワンペアじゃ勝負にならねえ。降りだ」
「ふふふふ!甘いわねコテツくん」

メル姉が開いた札を見ると、なんとブタだった。

「なにィ!?」
「やっと駆け引きってのがわかって来たわよ!」

トランプ初めて間もないというのに、メル姉は天才か!?



「キヨミツくん、これを売りに出すつもりはありませんか?」

「ん?トランプをか?」
「ええ。こんな面白い物、売れないわけが無い。ただ問題なのはこの薄さですね」
「あー、そこよな。土魔法使って作ったんでココまでの薄さに出来たんだが、普通に作ろうと思うのなら紙とかで作った方がいいと思うぞ」
「キヨミツくんが作って売るというのは?」
「手間がかかりすぎる。着色を他人任せにするってんなら作れなくもないが、残念ながらトランプを作り続けるつもりは無い」
「なるほど、そうですか」

「でもこのトランプはここに置いて行くつもりだから、これを参考にして店長が勝手に作って売るってんなら問題無いぞ」
「なんと!・・・それはアリかもしれませんね。かき氷と同じような契約を結びましょう。売れた分だけキヨミツくんにアイデア料が入る契約です」
「そんなの必要無いのだがな。しかし店長の良心的にそうもいかんか」
「はっはっは、そういうことです。ただ問題は鉄の代用品を何にするかですな」
「紙じゃすぐ壊れそうだから硬めの魔物の皮なんてどうだ?白っぽいのを使えば色も塗りやすいだろう」
「なるほど・・・、よし!それで一度作ってみましょう」

オレとメル姉が白熱してる間に、アニキが店長と販売契約を結んだようだ。
説明書も完成したようなのでそろそろ帰ることにした。


「トランプはここに置いて行くからみんなで楽しんでくれ。一枚でもカードが無くなるとゲームが出来なくなるから、絶対に無くさないようにな」
「「やったーーーーーーー!」」
「んじゃ店長、後はそっちに全部任せるんでいい物を完成させてくれ」
「ええ、色々やってみようと思います。後で説明書も写させて頂きます」
「それじゃあまたなー!おやすみー!」
「「おやすみなさーーい!」」

今日はダンジョンじゃなく春風亭の方に帰還した。





************************************************************





「なあアニキ、Cランクになるのに護衛依頼をやる必要があるぞ」
「護衛か。また盗賊と殺り合うことになるかもしれんが問題無いのか?」
「盗賊は見つけ次第全て滅ぼすぞ。何度でもだ!」
「そうか。その覚悟があるなら何も言うまい」

オレはもう決めたんだ。相手に殺意があるなら容赦はしない。
相手が悪者ならばたぶんオレはアニキよりも厳しいぞ。
昔のオレと違って正義を気取って悪者を全部倒そうとは思わなくなったけど、平気で人を殺す奴らを前にしたら一切同情なんかしない。

「んじゃ冒険者ギルドまでひとっ走りすっぞ」
「あいおー」


・・・・・


掲示板を見ると護衛の依頼書が残っていたので早速受付に持って行った。

「南西の連合国まで商人の馬車の護衛ですね。南地区のフィリップス商会に行ってください。後はそちらの指示に従うようお願いします」



というわけで場所を教えてもらい、フィリップス商会までやって来た。

「連合国までの護衛になります。報酬は一人1日2万ギランで到着まで7日の予定です。護衛は他にも2チーム参加しますが問題ありませんか?」
「問題無い」
「違うぞアニキ、そこは『大丈夫だ、問題ない』って言うんだ」
「あーなんかどこかで聞いた事あるようなセリフだな」

他の2チームが集まったのはそれから30分後くらいだった。



依頼主は南の出口で出国手続き中。

「オイ、あんたら護衛だよな?なぜ鎧も着てなければ武器も持って無いんだ?護衛舐めてねえか?」

ん?誰だこいつ?他の護衛チームっぽい風体ではあるな。

「別に舐めちゃいねえさ。必要無い物を装備しておく理由も無いだろう」
「理由が無いって、今から護衛すんだぞ!?」

次の瞬間アニキが魔剣を抜き、目の前の男に突き付ける。

「装備しておく必要、無いだろ?」
「なっ!?」

「あとこの服はその辺の鎧よりも防御力が高いので心配は無用だ」
「その武器って魔剣か!?わ、わかった。要らぬ節介だったようだな」

男は仲間の元に戻って行った。


・・・・・


「オイ!あの二人が鎧も武器も着けて無いんで注意しに行ったんだけどよ、気付いたら白い方に首に剣を突き付けられていて驚愕したぞ!アイツらとんでもねえ手練れだ」
「それは本当か!?まあ何にせよ味方に手練れがいるってのは良い事だ」
「しかもあれはたぶん魔剣だ。黒い方も見た目がすでにヤバイし変に絡むのだけはヤメておけ」
「ほう・・・、世の中には居るもんだな。隠れた実力者って奴が」


・・・・・


「これでもう手ぶらに文句言ってくる奴もおるまい」
「ずっと武器なんて携帯してたら疲れるしな!」


そしてやっとこさ馬車は出発した。南方面は初めてだからちょっと楽しみだ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...