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翌日の日曜日、ほんの少しだけ期待しながら砂浜に出たら、高坂君はいた。数種類のゴミ袋を持参して。
「おはよう」
「…お、おはようございます」
「だからなんで敬語なの。昨日あんだけ喋ったのに、初期化された?」
笑いながらそう言われても、「ちょっと喋れば全員友達」みたいな高坂君のようにはいかない。むしろ笑顔が眩しくて、ますます緊張してしまう。
「ナギ、これって何ゴミ?」
「えっと、それは燃えるゴミで大丈夫…だよ」
っていうか、今、下の名前で呼ばれた。顔が熱くなるのがわかる。モテ男子は無意識に女子をドキドキさせてしまうのだから、言動を慎んでほしい。
「ナギさぁ…これって終わり見えないよな」
「うん、そうだね」
「なのに、なんで続けてんの?」
私は少し考える。「いい子ちゃんだ」って、馬鹿にされるかもしれないけど。
「…気づいてないふりはしたくないから。ゴミにも、誰にどう思われたって何かしたいっていう自分の気持ちにも」
高坂君は動きを止めて、私を見た。それからちょっとだけ寂しそうに笑う。
「かっこよ」
「…へ?」
「ナギはかっこいいよ」
「俺とは違う」と小さく聞こえたような気がしたけれど、それが昨日の涙と関係ある気がして、私は何も聞かなかったことにしてしまった。
「な、せっかくだし、クラスのやつらも誘ってみよ」
「えっ…」
私が誘ったところで、誰も来ないだろう。というか、誘うことすらできそうにない。できたらとっくにやっている。
「俺が言うからさ。けっこう喋りながらゴミ拾いすんの、けっこう楽しいって。毎日は無理だろうけど、土日だけとかにしたら、たぶん何人かは来ると思うよ」
次の日の月曜日には高坂君は「週末にゴミ拾い一緒にやらね?」とクラスメイトたちをあっさり誘ってしまい、翌週末の砂浜には、朝から十人以上のクラスメイトが集まっていた。笑い声が響き、ゴミ袋が風に揺れる。
「…本当に来てる」
「来るって言ったじゃん」
高坂君はおもしろそうに笑った。
「山村さーん!これって何ゴミ?」
「それは…不燃で」
「そーなんだ。これだけで袋いっぱいになっちゃうよ。っていうかこれってなに?」
「自転車の部品…かな?」
「へえ?なんでこんなとこに落ちてるんだろうね」
「さあ…捨てた人に聞きたいよね」
「それな」
いつも一人だった場所に、人の輪ができている。その中心にいる高坂君は、やっぱりキラキラ輝いて見えた。
「高坂君ってカリスマだね」
「恥ずっ」
「本当にそう思うんだもん」
「まあ…褒め言葉だよな。一応ありがと」
高坂君は照れくさそうに笑い、「レイ、こっち手伝って!」という声に応えてゴミを拾いに行った。
私はそのうしろ姿を見ながら、ちょっとだけ胸が痛いことに気付いた。なんでだろう。
「昨日までは二人きりだったのにな」
「おはよう」
「…お、おはようございます」
「だからなんで敬語なの。昨日あんだけ喋ったのに、初期化された?」
笑いながらそう言われても、「ちょっと喋れば全員友達」みたいな高坂君のようにはいかない。むしろ笑顔が眩しくて、ますます緊張してしまう。
「ナギ、これって何ゴミ?」
「えっと、それは燃えるゴミで大丈夫…だよ」
っていうか、今、下の名前で呼ばれた。顔が熱くなるのがわかる。モテ男子は無意識に女子をドキドキさせてしまうのだから、言動を慎んでほしい。
「ナギさぁ…これって終わり見えないよな」
「うん、そうだね」
「なのに、なんで続けてんの?」
私は少し考える。「いい子ちゃんだ」って、馬鹿にされるかもしれないけど。
「…気づいてないふりはしたくないから。ゴミにも、誰にどう思われたって何かしたいっていう自分の気持ちにも」
高坂君は動きを止めて、私を見た。それからちょっとだけ寂しそうに笑う。
「かっこよ」
「…へ?」
「ナギはかっこいいよ」
「俺とは違う」と小さく聞こえたような気がしたけれど、それが昨日の涙と関係ある気がして、私は何も聞かなかったことにしてしまった。
「な、せっかくだし、クラスのやつらも誘ってみよ」
「えっ…」
私が誘ったところで、誰も来ないだろう。というか、誘うことすらできそうにない。できたらとっくにやっている。
「俺が言うからさ。けっこう喋りながらゴミ拾いすんの、けっこう楽しいって。毎日は無理だろうけど、土日だけとかにしたら、たぶん何人かは来ると思うよ」
次の日の月曜日には高坂君は「週末にゴミ拾い一緒にやらね?」とクラスメイトたちをあっさり誘ってしまい、翌週末の砂浜には、朝から十人以上のクラスメイトが集まっていた。笑い声が響き、ゴミ袋が風に揺れる。
「…本当に来てる」
「来るって言ったじゃん」
高坂君はおもしろそうに笑った。
「山村さーん!これって何ゴミ?」
「それは…不燃で」
「そーなんだ。これだけで袋いっぱいになっちゃうよ。っていうかこれってなに?」
「自転車の部品…かな?」
「へえ?なんでこんなとこに落ちてるんだろうね」
「さあ…捨てた人に聞きたいよね」
「それな」
いつも一人だった場所に、人の輪ができている。その中心にいる高坂君は、やっぱりキラキラ輝いて見えた。
「高坂君ってカリスマだね」
「恥ずっ」
「本当にそう思うんだもん」
「まあ…褒め言葉だよな。一応ありがと」
高坂君は照れくさそうに笑い、「レイ、こっち手伝って!」という声に応えてゴミを拾いに行った。
私はそのうしろ姿を見ながら、ちょっとだけ胸が痛いことに気付いた。なんでだろう。
「昨日までは二人きりだったのにな」
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