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【転生者・矢崎ひまりの場合】親切にしてあげたんだから、私のこと好きになってくれるよね?
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この世界に転生した日、矢崎ひまりは歓喜した。
(来た、異世界ファンタジー!)
ベッドの上から見回すと、部屋は豪華で裕福さが伺える。
「お目覚めですか、エルビラお嬢様。九歳のお誕生日、おめでとうございます」というメイドの声を聞いた瞬間、この小さな女の子…エルビラの身体がもっている記憶が流れ込んでくる。
イエスパ王国の名門かつ大富豪、ソブリノ侯爵家の長女エルビラ。金髪に緑の目をもつ美少女。
(ラッキーの極み。一生働かなくてOKで可愛い。異世界の令嬢バンザイ)
メイドに支度をしてもらって階下に降りると、とろけるような笑顔をした両親が待っていた。
「ああ、九歳になったエルビラは一段と可愛いね!ほおずりしていいかい?」
「パパだけずるいじゃないの。私たちの可愛いエルビラ、心から愛してるわ!」
ソブリノ侯爵は思う存分娘にほおずりしたあとで、さっと腕を広げる。
「エルビラが欲しがっていた誕生日プレゼントを用意したよ。どれでも好きな者を選びなさい」
ソブリノ侯爵の後ろには、ずらりと人間が並んでいる。
「もうあなたったら、こんなに奴隷を買ってきてどうするの?」
「だって、エルビラがどれを気に入るかわからなかったから…数人しか買って来ずに、エルビラのお気に入りがいなかったら大変じゃないか」
「それはそうですけれど…」
エルビラの両親は娘には激甘だが、人権意識は皆無らしい。
エルビラの中の矢崎は、ひとりの少年に目をとめた。
黒髪に、赤く鋭い瞳。肌は浅黒く、痩せている。年はたぶん、エルビラより少し年上だろう。
(闇属性のハイスぺイケメンに変身しそう…)
そこで矢崎の意識がひらめいた。
(これは…!子どものころに親切にした相手がイケメンかつハイスぺな魔導士とか騎士とかになり、執着されて困っちゃうくらい溺愛されるパターンでは…!?)
となれば、エルビラとしてとるべき行動は決まっている。
「この子にします」
「そいつはエルビラと年が近いから連れてきたが…異民族の血が混じっているから粗暴かもしれない。大丈夫かい?」
奴隷はぐっと唇を噛みしめ、拳を握る。
(こういうとき、彼の心に沁み込むセリフは…)
エルビラは慈愛に満ちた笑顔を意識しながら、「お父様、異民族だからって差別はいけませんわ」と、子どもっぽい無邪気さで、可愛らしく父をたしなめる。
「おお、私の娘はなんて寛大なんだろう。パパも見習わないといけないな」
ーーー
エルビラは早速、奴隷・ラロに親切にしてやることにした。
投資として、だ。
不幸な境遇にあるが将来性の高そうな少年への親切は、「不幸な少年が侯爵令嬢の愛情をたっぷり受けてハイスぺイケメンに育ち、令嬢のためには命も惜しまない程度には彼女を溺愛する」というストーリーを叶えるための投資なのだ。
具体的には、ラロの部屋はエルビラの部屋の隣、日当たりのいい場所にしつらえられた。
そしてラロには「マナーや一般教養の授業」「騎士見習いとしての基礎練習」「魔法の訓練」など、通常の奴隷にはありえないくらいの環境が与えられる。
もちろん、食事はできるだけエルビラと一緒にとり、エルビラが外出するときは付き添う。
破格の待遇に両親はいい顔をしなかったものの、「溺愛する一人娘の可愛い我が儘」だと、容認していた。
(イケメン奴隷少年を救った貴族令嬢ポジは確保したし、あとは時間が愛を育ててくれるはずよ)
エルビラの見立て通り、ラロは剣術にも魔法にも非凡な才能を見せ、日に日に「薄汚い奴隷の少年」から「逞しく美しいが、どこか影を漂わせた魔導騎士」へと成長していく。
しかしラロは、いつまで経ってもエルビラに懐こうとはしなかった。
なにかされたりもらったりしたら頭を下げ、「ありがとうございます、お嬢様」とは言う。
しかし反応が薄く、表面的で、エルビラは「ラロに懐かれている」という感覚にはなれなかった。
(もしかして、イケメンなのに表情がなくて、ヒロインが溺愛されているのに気づかない系のやつ?つまんないな…)
可愛くない。
最初のうちは張り切っておやつをとりわけたり、遊びに誘ったりもしていたけれど、だんだん無口で表情のないラロと接するのが辛くなってきた。
そんなときだった。
父から「剣士としても魔導士としても才能豊かなラロを、侯爵家の私設魔導騎士団に入れたい」と申し出があったのは。
エルビラは考える。
(一度物理的に距離が離れたら、秘めていた私への想いが高まって、抑えきれなくなる可能性は高いわよね?とりあえず厄介払いもできるし)
「わかりました、お父様。ただし彼が18歳になったら…つまり私が社交界デビューする16歳になるときには、彼を私の護衛としてここに戻してください」
ラロは「お世話になりました。行ってまいります」とだけ言い残して、私設魔導騎士団が駐屯する辺境へ向かった。
ーーー
ラロが再びエルビラの前に現れたのは、約束通り、エルビラが16歳、ラロが18歳になった年のことだった。
(予想以上にかっこいい!)
高身長で均整のとれた体躯に、つややかな黒髪、鋭い赤い目。
腰には魔導剣、胸元にはソブリノ侯爵家魔導騎士の紋章とたくさんの勲章。
あの奴隷が、こんな堂々たるイケメンに成長するなんて、誰が想像した?
(私よ)
エルビラは彼を選んだ自分の目に間違いがなかったと、自己満足に酔う。
ラロは礼儀正しく頭を下げた。
「久しぶりね、ラロ。あなたが立派になって嬉しいわ」
(あとは私を溺愛してくれるだけでOKよ。さあどうする?抱きしめる?手にキスをする?それとも、忠誠を誓うから剣を肩に当ててくれと言う?)
しかし、ラロはほんの少し眉間に皺を寄せて、すっとエルビラから視線を外す。
「では、私は引継ぎがありますので」
「えっ…?ちょっ…」
(塩すぎない?あくまでヒロインを誤解させる系男主人公なの?)
ーーー
エルビラはラロを護衛騎士にし、舞踏会やお茶会には、彼とともに出席するのが常になった。
若く才能豊かな魔導騎士ラロと、彼を従える侯爵令嬢エルビラ。
「ちょっと、あれラロじゃない?辺境で大活躍して、王太子殿下の命も救ったっていう…」
「なんで超有名魔導騎士が、エルビラ様の護衛をしてるの…?」
「実は、エルビラ様が奴隷だった彼を見出して、手をかけて育てたらしいわよ」
「見る目があるのねぇ」
そんな囁きが、エルビラの自尊心を満たしていく。
ただラロはいつも言葉数が少なく、エルビラが話しかけても必要最小限の言葉しか返してこなかった。
「極度の照れ屋なのかもしれない」と考えることで何とか違和感を誤魔化していたエルビラも、さすがに焦り始める。
(再会してからしばらく経ったし、いくら何でも、そろそろ溺愛を表に出してくれてもいいころなのに…)
必死に、矢崎ひまりとして読み込んできた異世界モノの展開を思い出す。
「私から仕掛けるべきなの?他の男に気があるふりをするとか?」
(それだ!私が他の男のものになると思ったら、ラロがいくら奥手でも、焦って行動を起こすはず)
エルビラはかねてより父から勧められていた縁談を受けるつもりだと、ラロに打ち明けた。相手は王位継承権をもつ公爵家の令息、マルクだ。
(どう?さすがに焦るでしょ?ほらほら、私があなたから離れていっちゃうわよ)
しかしラロはほっとしたような表情を浮かべて、「私にも、王室直属の魔導騎士団からスカウトがありました」とエルビラに告げた。
エルビラの表情が変わった。
「は?何それ、行くつもりなの?」
途端にラロの表情も凍る。
「まだ旦那様に報告したばかりで、正式なお返事はしていません。ですが私が引き抜かれることで侯爵家に十分な金銭が渡るので、旦那様にとってもいい話で…」
「待って。あなた、忘れてないわよね?私があなたを助けたのよ?あなたがここまで来られたきっかけは誰?お父様?それとも私?」
ラロはしばらく黙って「お嬢様です」と答えた。
「そうでしょう。私があのときたくさんの奴隷の中からあなたを選ばなかったら、あなたは今頃どこかでのたれ死んでるわ。そうでしょ?」
「その通りです。ご恩は忘れておりません」
「だったら、私が誰と婚約して誰の妻になっても、あなたは私の側を離れられるはずがないわ。お父様にもそうおっしゃい」
ラロはエルビラに向けて懇願するような目をしたあとで、諦めて目の光を消した。
「…かしこまりました、お嬢様」
エルビラの心に、「ラロは義務で私に従っているだけなのでは」という、ザラリとした疑念が落ちる。
(そんなはずない、絶対そんなはずないの!だって私の行動はテンプレ通りなんだもん!だったら結果もテンプレ通りになるはずでしょ!)
「あなたは私のものよ。だって、ねえ、私に感謝してるでしょ?」
「はい」
新しくエルビラ付きになったメイドは、二人のやりとりを手紙にしたためた。
ーーー
「ラロ、今日のお茶会はセナイダ王女殿下の主催なの。粗相のないようにね」
エルビラはそう言ってラロを王宮の庭に連れて行く。
お茶会で話題になったのは、「公爵令息マルクと侯爵令嬢エルビラの婚約」だった。
「おめでとう、エルビラ」
「ありがとうございます、王女殿下」
「ところで、あなたがマルクと結婚したら、当代最強だと噂の魔導騎士ラロはどうなるのかしら?マルクからは、あなたはラロをとても大事にしているようだと聞いたけど」
セナイダはピンクの髪を肩の後ろに流しながら、穏やかな青い目で、ラロを見つめる。
エルビラは「ラロには、私についてきてもらいますの」と即座にセナイダをけん制した。
「というより、ラロが私から離れたがらなくて」
ラロが気まずそうに、ほんの少し身体を動かす。
「奴隷だった彼をここまで育てたのは私ですから。そうでしょ、ラロ?」
「はい、お嬢様」
「そういえば」とお茶会に出席していた令嬢のひとりがセナイダに話を向ける。
「魔導騎士ラロを育てたのがエルビラ様だとしたら、次期宰相マルク様を育てられたのは王女殿下では?」
セナイダは「私は何もしていないわ」と否定する。
「けれど、5歳になっても言葉をうまく話せず公爵家でも冷遇されていたマルク様を、従姉である王女殿下が教育されたと聞きました。そのおかげでマルク様は、次期宰相と目されるくらいご立派になられて」
「年齢が近かったから一緒に授業を受けて、マルクが苦労していたところを、私のできる範囲で教えただけよ。マルクが立派になったのは、私のおかげではなく、彼が努力した結果だわ」
セナイダはエルビラと、エルビラの後ろにいるラロに向き直る。
「エルビラも、そう思わない?実際に血の滲むような努力をしたのは、ラロ自身だものね?」
「でも、私が彼にチャンスをあげたことは事実で…」
「ええ、それは事実よ。だけどあなたは、御父上の財力をもってラロにいい環境を与えてあげただけでしょ?あなたが剣や魔法の指導をしたの?違うわよね」
エルビラはぐっと言葉に詰まる。確かにラロに与えたもので、自分が身銭を切り、手間暇をかけたものはない。
「だから『奴隷だった彼をここまで育てたのは私』だなんて、軽々しく言わないほうがよくってよ。親切の押し売りは、美しくないわ」
エルビラは歯噛みする。
セナイダはちょっと目線をあげて、ラロに微笑みかけた。そしてお茶会がお開きになったときに、こっそりとラロにメモを渡す。
「エルビラの親切には利子がつくみたいね?見返りを求めていることを隠して親切を装うなら、それは偽善よ」
ーーー
ラロは帰りの馬車でエルビラと向かい合いながら、セナイダからのメモに書かれていた言葉を反芻していた。
(王女殿下は俺に、「偽善に報いる必要はない」と伝えたいのか)
彼女の穏やかな青い瞳と物言いを思い出すと、身体が熱くなる。
セナイダのピンクの髪を撫で、形の良い唇にキスをするイメージが浮かんで、ラロは身震いを必死に抑え込んた。
(王女殿下の近くにいたい)
「お嬢様、私は王室直属の魔導騎士団へ参ります」
「…!?どうして!?あなたは私に恩を感じていると言ったじゃない!私があなたにチャンスをあげたのよ!そうでしょ?」
普通の奴隷なら望めないような教育と生活の環境を与えられたことで、ラロは生まれ持った剣と魔法の才能を伸ばし、魔導騎士という天職にたどり着いた。
「けれど王女殿下は…」
「王女殿下はただいい人ぶってるだけ!真に受けないで!あなたは私のものよ、だって私が…」
ラロはエルビラに、侮蔑のこもった目を向けた。
セナイダの、「次期宰相を育てた」と言われながらも、偉ぶることのない姿勢。
(手塩にかけて育てた蝶を、自由な世界に離してやる。王女殿下のふるまいこそが、真の善意じゃないのか)
父親の力を借りて行った親切で、人の一生を刈り取ろうとするエルビラとは、まるで違う。
「もうたくさんなんです。お嬢様のその目には」
「…目?」
「いつも私に何かを期待するその目です。意地汚くて、下心のあるその目。親切にしたのだから返せと言わんばかりの目。それは、偽善なんですよね?」
ラロからセナイダが書いたメモを見せられ、エルビラは頭を殴られたような衝撃を受ける。
「いや…」
「お嬢様に感謝していないわけではありません。でも人生と感情を奪われたくはない」
「こんなはずじゃない、こんなはずじゃ…こんなのおかしい!」
「おかしい?これを見てもそう言えますか?」と、ラロはシャツのボタンを外す。彼の身体には無数の傷があった。
「辺境でついた傷じゃありません。侯爵家でできた傷です。特別扱いされる奴隷が、周りの使用人たちからどんな目で見られるか、お嬢様は知らないでしょう」
「そ、んな…」
「お嬢様は俺を助けたつもりかもしれませんが、俺はずっとあの屋敷で苦しんでました。逃げ出したいほどに」
「こんな親切なら、いりませんでした」というラロの言葉が、永遠の別れを告げていた。
ーーー
王宮深くにある、王女セナイダの寝室。
絡まり合いながら、セナイダはラロに囁く。
「ラロ、私に執着しちゃダメよ」
「王女殿下…セナイダ…そう言われて突き放されるほどに、俺は君を愛してしまう」
ラロの髪を撫でて「ダメよ」と言いながら、セナイダは口元にうっすら笑みを浮かべる。
(そうよね、わかってる。私だってあなたを手放す気はないのよ。あなたとこうなりたくて、ソブリノ侯爵家の様子を探らせたのだもの)
エルビラがラロに「自分がお前を取り立てたのだから、恩を返せ」としつこく言い募っており、ラロがうんざりしていると知って、あのお茶会でエルビラにけんかをふっかけてラロにメモを渡したのだ。
(偽善を施して罠を張るなら、本心は口に出しちゃいけないのよ。何も求めてないふりをして、相手が引っ掛かるまで静かに待たないと)
扉の前に立つ騎士二人が、次第に大きくなる王女の嬌声に、そっと目くばせした。
「昨日は次期宰相のマルク様だったよな」
「ああ、そして今日はラロ。二人とも王女殿下から呼ばれたら、すっ飛んでくる」
「王女殿下はまるで…蜘蛛だな」
「これからもたくさんの男たちが絡めとられるだろうよ」
「おっかないねぇ」
◆◆◆
「エルビラはセナイダに執着しているマルクに愛されることもなく、寂しい結婚生活を送りました。以上が転生者番号1515・矢崎ひまりさんのストーリーとなります」
吉川が報告を終えると、山森が「人の親切を信じられなくなるっす」とつぶやいた。
エグゼクティブアドバイザーの大塚は「仏教では見返りを求める心が苦しみを生み出すと言われてて…」と講釈を始め、部下たちは長くなりそうだと警戒して、そそくさと「お疲れさまでした」と会議室を後にする。
報告会を終えた吉川は、恋人の本田に近づく。
「どした?顔色おかしいよ」
「うん…この矢崎さんってさ、生前に子どもさんっていた?」
「いないはずだけど、なんで?」
「何だかうちのお母さんと似てて。いつも『育ててやったんだから感謝しろ』『働いて養育費を返せ』って言ってくるから、きつかったんだよね」
「そか」
(でもラロは、逃げだした先がエルビラよりもっと狡猾なセナイダなんだよね。それでも…自分が蜘蛛に捕まったことを自覚しないうちは、幸せなのかな)
(来た、異世界ファンタジー!)
ベッドの上から見回すと、部屋は豪華で裕福さが伺える。
「お目覚めですか、エルビラお嬢様。九歳のお誕生日、おめでとうございます」というメイドの声を聞いた瞬間、この小さな女の子…エルビラの身体がもっている記憶が流れ込んでくる。
イエスパ王国の名門かつ大富豪、ソブリノ侯爵家の長女エルビラ。金髪に緑の目をもつ美少女。
(ラッキーの極み。一生働かなくてOKで可愛い。異世界の令嬢バンザイ)
メイドに支度をしてもらって階下に降りると、とろけるような笑顔をした両親が待っていた。
「ああ、九歳になったエルビラは一段と可愛いね!ほおずりしていいかい?」
「パパだけずるいじゃないの。私たちの可愛いエルビラ、心から愛してるわ!」
ソブリノ侯爵は思う存分娘にほおずりしたあとで、さっと腕を広げる。
「エルビラが欲しがっていた誕生日プレゼントを用意したよ。どれでも好きな者を選びなさい」
ソブリノ侯爵の後ろには、ずらりと人間が並んでいる。
「もうあなたったら、こんなに奴隷を買ってきてどうするの?」
「だって、エルビラがどれを気に入るかわからなかったから…数人しか買って来ずに、エルビラのお気に入りがいなかったら大変じゃないか」
「それはそうですけれど…」
エルビラの両親は娘には激甘だが、人権意識は皆無らしい。
エルビラの中の矢崎は、ひとりの少年に目をとめた。
黒髪に、赤く鋭い瞳。肌は浅黒く、痩せている。年はたぶん、エルビラより少し年上だろう。
(闇属性のハイスぺイケメンに変身しそう…)
そこで矢崎の意識がひらめいた。
(これは…!子どものころに親切にした相手がイケメンかつハイスぺな魔導士とか騎士とかになり、執着されて困っちゃうくらい溺愛されるパターンでは…!?)
となれば、エルビラとしてとるべき行動は決まっている。
「この子にします」
「そいつはエルビラと年が近いから連れてきたが…異民族の血が混じっているから粗暴かもしれない。大丈夫かい?」
奴隷はぐっと唇を噛みしめ、拳を握る。
(こういうとき、彼の心に沁み込むセリフは…)
エルビラは慈愛に満ちた笑顔を意識しながら、「お父様、異民族だからって差別はいけませんわ」と、子どもっぽい無邪気さで、可愛らしく父をたしなめる。
「おお、私の娘はなんて寛大なんだろう。パパも見習わないといけないな」
ーーー
エルビラは早速、奴隷・ラロに親切にしてやることにした。
投資として、だ。
不幸な境遇にあるが将来性の高そうな少年への親切は、「不幸な少年が侯爵令嬢の愛情をたっぷり受けてハイスぺイケメンに育ち、令嬢のためには命も惜しまない程度には彼女を溺愛する」というストーリーを叶えるための投資なのだ。
具体的には、ラロの部屋はエルビラの部屋の隣、日当たりのいい場所にしつらえられた。
そしてラロには「マナーや一般教養の授業」「騎士見習いとしての基礎練習」「魔法の訓練」など、通常の奴隷にはありえないくらいの環境が与えられる。
もちろん、食事はできるだけエルビラと一緒にとり、エルビラが外出するときは付き添う。
破格の待遇に両親はいい顔をしなかったものの、「溺愛する一人娘の可愛い我が儘」だと、容認していた。
(イケメン奴隷少年を救った貴族令嬢ポジは確保したし、あとは時間が愛を育ててくれるはずよ)
エルビラの見立て通り、ラロは剣術にも魔法にも非凡な才能を見せ、日に日に「薄汚い奴隷の少年」から「逞しく美しいが、どこか影を漂わせた魔導騎士」へと成長していく。
しかしラロは、いつまで経ってもエルビラに懐こうとはしなかった。
なにかされたりもらったりしたら頭を下げ、「ありがとうございます、お嬢様」とは言う。
しかし反応が薄く、表面的で、エルビラは「ラロに懐かれている」という感覚にはなれなかった。
(もしかして、イケメンなのに表情がなくて、ヒロインが溺愛されているのに気づかない系のやつ?つまんないな…)
可愛くない。
最初のうちは張り切っておやつをとりわけたり、遊びに誘ったりもしていたけれど、だんだん無口で表情のないラロと接するのが辛くなってきた。
そんなときだった。
父から「剣士としても魔導士としても才能豊かなラロを、侯爵家の私設魔導騎士団に入れたい」と申し出があったのは。
エルビラは考える。
(一度物理的に距離が離れたら、秘めていた私への想いが高まって、抑えきれなくなる可能性は高いわよね?とりあえず厄介払いもできるし)
「わかりました、お父様。ただし彼が18歳になったら…つまり私が社交界デビューする16歳になるときには、彼を私の護衛としてここに戻してください」
ラロは「お世話になりました。行ってまいります」とだけ言い残して、私設魔導騎士団が駐屯する辺境へ向かった。
ーーー
ラロが再びエルビラの前に現れたのは、約束通り、エルビラが16歳、ラロが18歳になった年のことだった。
(予想以上にかっこいい!)
高身長で均整のとれた体躯に、つややかな黒髪、鋭い赤い目。
腰には魔導剣、胸元にはソブリノ侯爵家魔導騎士の紋章とたくさんの勲章。
あの奴隷が、こんな堂々たるイケメンに成長するなんて、誰が想像した?
(私よ)
エルビラは彼を選んだ自分の目に間違いがなかったと、自己満足に酔う。
ラロは礼儀正しく頭を下げた。
「久しぶりね、ラロ。あなたが立派になって嬉しいわ」
(あとは私を溺愛してくれるだけでOKよ。さあどうする?抱きしめる?手にキスをする?それとも、忠誠を誓うから剣を肩に当ててくれと言う?)
しかし、ラロはほんの少し眉間に皺を寄せて、すっとエルビラから視線を外す。
「では、私は引継ぎがありますので」
「えっ…?ちょっ…」
(塩すぎない?あくまでヒロインを誤解させる系男主人公なの?)
ーーー
エルビラはラロを護衛騎士にし、舞踏会やお茶会には、彼とともに出席するのが常になった。
若く才能豊かな魔導騎士ラロと、彼を従える侯爵令嬢エルビラ。
「ちょっと、あれラロじゃない?辺境で大活躍して、王太子殿下の命も救ったっていう…」
「なんで超有名魔導騎士が、エルビラ様の護衛をしてるの…?」
「実は、エルビラ様が奴隷だった彼を見出して、手をかけて育てたらしいわよ」
「見る目があるのねぇ」
そんな囁きが、エルビラの自尊心を満たしていく。
ただラロはいつも言葉数が少なく、エルビラが話しかけても必要最小限の言葉しか返してこなかった。
「極度の照れ屋なのかもしれない」と考えることで何とか違和感を誤魔化していたエルビラも、さすがに焦り始める。
(再会してからしばらく経ったし、いくら何でも、そろそろ溺愛を表に出してくれてもいいころなのに…)
必死に、矢崎ひまりとして読み込んできた異世界モノの展開を思い出す。
「私から仕掛けるべきなの?他の男に気があるふりをするとか?」
(それだ!私が他の男のものになると思ったら、ラロがいくら奥手でも、焦って行動を起こすはず)
エルビラはかねてより父から勧められていた縁談を受けるつもりだと、ラロに打ち明けた。相手は王位継承権をもつ公爵家の令息、マルクだ。
(どう?さすがに焦るでしょ?ほらほら、私があなたから離れていっちゃうわよ)
しかしラロはほっとしたような表情を浮かべて、「私にも、王室直属の魔導騎士団からスカウトがありました」とエルビラに告げた。
エルビラの表情が変わった。
「は?何それ、行くつもりなの?」
途端にラロの表情も凍る。
「まだ旦那様に報告したばかりで、正式なお返事はしていません。ですが私が引き抜かれることで侯爵家に十分な金銭が渡るので、旦那様にとってもいい話で…」
「待って。あなた、忘れてないわよね?私があなたを助けたのよ?あなたがここまで来られたきっかけは誰?お父様?それとも私?」
ラロはしばらく黙って「お嬢様です」と答えた。
「そうでしょう。私があのときたくさんの奴隷の中からあなたを選ばなかったら、あなたは今頃どこかでのたれ死んでるわ。そうでしょ?」
「その通りです。ご恩は忘れておりません」
「だったら、私が誰と婚約して誰の妻になっても、あなたは私の側を離れられるはずがないわ。お父様にもそうおっしゃい」
ラロはエルビラに向けて懇願するような目をしたあとで、諦めて目の光を消した。
「…かしこまりました、お嬢様」
エルビラの心に、「ラロは義務で私に従っているだけなのでは」という、ザラリとした疑念が落ちる。
(そんなはずない、絶対そんなはずないの!だって私の行動はテンプレ通りなんだもん!だったら結果もテンプレ通りになるはずでしょ!)
「あなたは私のものよ。だって、ねえ、私に感謝してるでしょ?」
「はい」
新しくエルビラ付きになったメイドは、二人のやりとりを手紙にしたためた。
ーーー
「ラロ、今日のお茶会はセナイダ王女殿下の主催なの。粗相のないようにね」
エルビラはそう言ってラロを王宮の庭に連れて行く。
お茶会で話題になったのは、「公爵令息マルクと侯爵令嬢エルビラの婚約」だった。
「おめでとう、エルビラ」
「ありがとうございます、王女殿下」
「ところで、あなたがマルクと結婚したら、当代最強だと噂の魔導騎士ラロはどうなるのかしら?マルクからは、あなたはラロをとても大事にしているようだと聞いたけど」
セナイダはピンクの髪を肩の後ろに流しながら、穏やかな青い目で、ラロを見つめる。
エルビラは「ラロには、私についてきてもらいますの」と即座にセナイダをけん制した。
「というより、ラロが私から離れたがらなくて」
ラロが気まずそうに、ほんの少し身体を動かす。
「奴隷だった彼をここまで育てたのは私ですから。そうでしょ、ラロ?」
「はい、お嬢様」
「そういえば」とお茶会に出席していた令嬢のひとりがセナイダに話を向ける。
「魔導騎士ラロを育てたのがエルビラ様だとしたら、次期宰相マルク様を育てられたのは王女殿下では?」
セナイダは「私は何もしていないわ」と否定する。
「けれど、5歳になっても言葉をうまく話せず公爵家でも冷遇されていたマルク様を、従姉である王女殿下が教育されたと聞きました。そのおかげでマルク様は、次期宰相と目されるくらいご立派になられて」
「年齢が近かったから一緒に授業を受けて、マルクが苦労していたところを、私のできる範囲で教えただけよ。マルクが立派になったのは、私のおかげではなく、彼が努力した結果だわ」
セナイダはエルビラと、エルビラの後ろにいるラロに向き直る。
「エルビラも、そう思わない?実際に血の滲むような努力をしたのは、ラロ自身だものね?」
「でも、私が彼にチャンスをあげたことは事実で…」
「ええ、それは事実よ。だけどあなたは、御父上の財力をもってラロにいい環境を与えてあげただけでしょ?あなたが剣や魔法の指導をしたの?違うわよね」
エルビラはぐっと言葉に詰まる。確かにラロに与えたもので、自分が身銭を切り、手間暇をかけたものはない。
「だから『奴隷だった彼をここまで育てたのは私』だなんて、軽々しく言わないほうがよくってよ。親切の押し売りは、美しくないわ」
エルビラは歯噛みする。
セナイダはちょっと目線をあげて、ラロに微笑みかけた。そしてお茶会がお開きになったときに、こっそりとラロにメモを渡す。
「エルビラの親切には利子がつくみたいね?見返りを求めていることを隠して親切を装うなら、それは偽善よ」
ーーー
ラロは帰りの馬車でエルビラと向かい合いながら、セナイダからのメモに書かれていた言葉を反芻していた。
(王女殿下は俺に、「偽善に報いる必要はない」と伝えたいのか)
彼女の穏やかな青い瞳と物言いを思い出すと、身体が熱くなる。
セナイダのピンクの髪を撫で、形の良い唇にキスをするイメージが浮かんで、ラロは身震いを必死に抑え込んた。
(王女殿下の近くにいたい)
「お嬢様、私は王室直属の魔導騎士団へ参ります」
「…!?どうして!?あなたは私に恩を感じていると言ったじゃない!私があなたにチャンスをあげたのよ!そうでしょ?」
普通の奴隷なら望めないような教育と生活の環境を与えられたことで、ラロは生まれ持った剣と魔法の才能を伸ばし、魔導騎士という天職にたどり着いた。
「けれど王女殿下は…」
「王女殿下はただいい人ぶってるだけ!真に受けないで!あなたは私のものよ、だって私が…」
ラロはエルビラに、侮蔑のこもった目を向けた。
セナイダの、「次期宰相を育てた」と言われながらも、偉ぶることのない姿勢。
(手塩にかけて育てた蝶を、自由な世界に離してやる。王女殿下のふるまいこそが、真の善意じゃないのか)
父親の力を借りて行った親切で、人の一生を刈り取ろうとするエルビラとは、まるで違う。
「もうたくさんなんです。お嬢様のその目には」
「…目?」
「いつも私に何かを期待するその目です。意地汚くて、下心のあるその目。親切にしたのだから返せと言わんばかりの目。それは、偽善なんですよね?」
ラロからセナイダが書いたメモを見せられ、エルビラは頭を殴られたような衝撃を受ける。
「いや…」
「お嬢様に感謝していないわけではありません。でも人生と感情を奪われたくはない」
「こんなはずじゃない、こんなはずじゃ…こんなのおかしい!」
「おかしい?これを見てもそう言えますか?」と、ラロはシャツのボタンを外す。彼の身体には無数の傷があった。
「辺境でついた傷じゃありません。侯爵家でできた傷です。特別扱いされる奴隷が、周りの使用人たちからどんな目で見られるか、お嬢様は知らないでしょう」
「そ、んな…」
「お嬢様は俺を助けたつもりかもしれませんが、俺はずっとあの屋敷で苦しんでました。逃げ出したいほどに」
「こんな親切なら、いりませんでした」というラロの言葉が、永遠の別れを告げていた。
ーーー
王宮深くにある、王女セナイダの寝室。
絡まり合いながら、セナイダはラロに囁く。
「ラロ、私に執着しちゃダメよ」
「王女殿下…セナイダ…そう言われて突き放されるほどに、俺は君を愛してしまう」
ラロの髪を撫でて「ダメよ」と言いながら、セナイダは口元にうっすら笑みを浮かべる。
(そうよね、わかってる。私だってあなたを手放す気はないのよ。あなたとこうなりたくて、ソブリノ侯爵家の様子を探らせたのだもの)
エルビラがラロに「自分がお前を取り立てたのだから、恩を返せ」としつこく言い募っており、ラロがうんざりしていると知って、あのお茶会でエルビラにけんかをふっかけてラロにメモを渡したのだ。
(偽善を施して罠を張るなら、本心は口に出しちゃいけないのよ。何も求めてないふりをして、相手が引っ掛かるまで静かに待たないと)
扉の前に立つ騎士二人が、次第に大きくなる王女の嬌声に、そっと目くばせした。
「昨日は次期宰相のマルク様だったよな」
「ああ、そして今日はラロ。二人とも王女殿下から呼ばれたら、すっ飛んでくる」
「王女殿下はまるで…蜘蛛だな」
「これからもたくさんの男たちが絡めとられるだろうよ」
「おっかないねぇ」
◆◆◆
「エルビラはセナイダに執着しているマルクに愛されることもなく、寂しい結婚生活を送りました。以上が転生者番号1515・矢崎ひまりさんのストーリーとなります」
吉川が報告を終えると、山森が「人の親切を信じられなくなるっす」とつぶやいた。
エグゼクティブアドバイザーの大塚は「仏教では見返りを求める心が苦しみを生み出すと言われてて…」と講釈を始め、部下たちは長くなりそうだと警戒して、そそくさと「お疲れさまでした」と会議室を後にする。
報告会を終えた吉川は、恋人の本田に近づく。
「どした?顔色おかしいよ」
「うん…この矢崎さんってさ、生前に子どもさんっていた?」
「いないはずだけど、なんで?」
「何だかうちのお母さんと似てて。いつも『育ててやったんだから感謝しろ』『働いて養育費を返せ』って言ってくるから、きつかったんだよね」
「そか」
(でもラロは、逃げだした先がエルビラよりもっと狡猾なセナイダなんだよね。それでも…自分が蜘蛛に捕まったことを自覚しないうちは、幸せなのかな)
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