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4 意外な歓迎【マクシス目線】
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僕、カエルンブリアの第一皇子マクシスはきれいな服を着せられ、皇帝陛下や皇太子殿下をはじめとする家族に形式ばった見送りをされて宮殿を出、帝都郊外に野営しているヴァルグランド軍のテントに向かう。
ヴァルグランドのガイセル国王陛下がいらっしゃるというテントの前に連れていかれる。野営地に着いてからはヴァルグランドの筆頭将軍リュート殿がアテンドしてくださるのだが、視線が怖い。
しかし少し考えてみれば、「小麦を出せ」「労働力を出せ」「軍役に行け」など散々ヴァルグランドを搾取してきた旧宗主国の皇子なのだから、冷たく接するのも当然だ。
「カエルンブリア帝国のマクシス第一皇子が入られます」という声が響き、心拍数がますます上がってくる。国王陛下については「敵将の首を槍の先に刺して行軍する」「村人が差し出した水がまずいと、村を全滅させた」「喧嘩の末に自分の父を殺して即位した」など、恐ろしい噂しか聞かないのだから。
「誇り高きヴァルグランドの国王陛下にご挨拶申し上げます。カエルンブリアの第一皇子、マクシス=アウレリオにございます。両国の平和の架け橋となるために参りました」
震えないようにしたくても、どうしても声が小さく震えてしまう。怯えていることが伝わってしまっただろうか。「顔を上げよ」と言われて、ゆっくりと顔を上げる。
日に焼けた肌に、黒髪、赤い目。左目の上から左の頬にかけて、大きな傷がある。長い時間を戦場で過ごしてきた人だということが、すぐにわかる。僕などとは全然違う、強い人…
国王陛下は赤い目に驚くほど温かい光を宿して、「歓迎する」とおっしゃった。心から歓迎してくださっているような優しさに、少し戸惑いながら「ありがたく存じます」と返す。
「これから一週間ほどかけてヴァルグランドに戻る。その間は野営となるが問題ないか」
「はい」
「敵に狙われることも考えられるので、俺のテントで過ごすように」
ああ、やはり僕は彼にも性玩具として扱われるのだろう。そう思いながら「ご配慮に感謝いたします」と答えようとしたとき、リュート殿が遮った。
「ガイセル、まだ祝福の終わってない兵士が三人いるんだぞ」
呼び捨てに敬語なしのおっしゃりよう。二人が親しい間柄だとすぐわかる。きっと戦場で背中を守りあった仲なのだろう。国王陛下はきりっとした濃い眉を少しだけ上げた。
「祝福を授けるのは戻ってからでも遅くない。皇子の安全が最優先だ」
リュート殿がちっと舌打ちして僕を睨み、テントを出て行った。
ヴァルグランドのガイセル国王陛下がいらっしゃるというテントの前に連れていかれる。野営地に着いてからはヴァルグランドの筆頭将軍リュート殿がアテンドしてくださるのだが、視線が怖い。
しかし少し考えてみれば、「小麦を出せ」「労働力を出せ」「軍役に行け」など散々ヴァルグランドを搾取してきた旧宗主国の皇子なのだから、冷たく接するのも当然だ。
「カエルンブリア帝国のマクシス第一皇子が入られます」という声が響き、心拍数がますます上がってくる。国王陛下については「敵将の首を槍の先に刺して行軍する」「村人が差し出した水がまずいと、村を全滅させた」「喧嘩の末に自分の父を殺して即位した」など、恐ろしい噂しか聞かないのだから。
「誇り高きヴァルグランドの国王陛下にご挨拶申し上げます。カエルンブリアの第一皇子、マクシス=アウレリオにございます。両国の平和の架け橋となるために参りました」
震えないようにしたくても、どうしても声が小さく震えてしまう。怯えていることが伝わってしまっただろうか。「顔を上げよ」と言われて、ゆっくりと顔を上げる。
日に焼けた肌に、黒髪、赤い目。左目の上から左の頬にかけて、大きな傷がある。長い時間を戦場で過ごしてきた人だということが、すぐにわかる。僕などとは全然違う、強い人…
国王陛下は赤い目に驚くほど温かい光を宿して、「歓迎する」とおっしゃった。心から歓迎してくださっているような優しさに、少し戸惑いながら「ありがたく存じます」と返す。
「これから一週間ほどかけてヴァルグランドに戻る。その間は野営となるが問題ないか」
「はい」
「敵に狙われることも考えられるので、俺のテントで過ごすように」
ああ、やはり僕は彼にも性玩具として扱われるのだろう。そう思いながら「ご配慮に感謝いたします」と答えようとしたとき、リュート殿が遮った。
「ガイセル、まだ祝福の終わってない兵士が三人いるんだぞ」
呼び捨てに敬語なしのおっしゃりよう。二人が親しい間柄だとすぐわかる。きっと戦場で背中を守りあった仲なのだろう。国王陛下はきりっとした濃い眉を少しだけ上げた。
「祝福を授けるのは戻ってからでも遅くない。皇子の安全が最優先だ」
リュート殿がちっと舌打ちして僕を睨み、テントを出て行った。
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