黒狼陛下は人質皇子に抱かれたい

こじまき

文字の大きさ
5 / 35

5 深夜の吐精【マクシス目線】

しおりを挟む
深夜、僕は国王陛下のテントで横になっていた。王のテントで寝泊まりすることを求められたから、行軍中の性のはけ口として利用されるのかと思っていたが、違った。

なのに陛下が何も言わずに寝間着に着替えてベッドに入ろうとするので、思わず「僕に祝福を授けてくださるのではないのですか?」と聞いたら、彼は目を見開いて、日に焼けた顔でもわかるくらい真っ赤になったのだ。

なんだか…予想外で少し可愛かった。

少しためらったあとに彼は「そういうつもりはない」とだけ言った。考えてみれば、祝福はヴァルグランド人に対して行われるもので、僕は対象ではないのだろう。

予想と違ったからか、少し…ほんの少しだけ残念だと思ってしまう。セックスしたいわけではないのに。

「明日から長時間の移動が続くから、疲れるはずだ。しっかり寝ておくように」
「はい」

邪魔にならないようにベッドの端で寝ていると、「もっと真ん中に来ていい」と苦笑された。戦場なのにハーブの匂いがする清潔なシーツで、僕はうとうとし始める。緊張もあるが、彼の低い声はどことなく優しくて安心するのだ。

深夜、自分の名を呼ばれた気がして、意識が夢の中からゆっくりと戻ってくる。

「マクシス、マクシスッ…」

空耳ではない。誰かが甘い切なげな声で僕を呼んでいる。うっすらと目をあけると、国王陛下がベッドの上に座り、僕の名を呼んでいた。ランタンに照らされて、傷だらけの鍛え上げられた身体が浮かぶ。

「ああっマクシスッ…気持ちいいっ…ん…」

声と一緒に何度も何度も上下に滑る音。薄目のまま視線を低くすると、陛下は大きなペニスをつかんで、上下に擦っている。そして右手に上下運動を任せたまま、左手で乳首をもてあそぶ。

「ああっ…乳首いいっ、マクシス、気持ちいっ…乳首弱くてっ…も、すぐイク…」

「あっ」という高い声とともに、ガイセル王は動きを止めた。そして息を整える。ランタンに照らされた顔は、切なげに寝たふりをしたままの僕を見つめている。

今、陛下が頭の中に僕のことを思い描きながら達したということは、明らかだった。「今日会ったばかりなのに」と混乱する。顔合わせのときは「皇子」と呼んでいたのに、今は愛おしそうに「マクシス」と呼んでいたことも、よくわからない。

息を整えたあと、陛下はそっと僕の頬に触れ、髪を撫でた。

「マクシス、ごめん…ごめんな…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される

Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。 中1の雨の日熱を出した。 義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。 それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。 晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。 連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。 目覚めたら豪華な部屋!? 異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。 ⚠️最初から義父に犯されます。 嫌な方はお戻りくださいませ。 久しぶりに書きました。 続きはぼちぼち書いていきます。 不定期更新で、すみません。

僕の事を嫌いな騎士の一途すぎる最愛は…

BL
記憶喪失の中目覚めると、知らない騎士の家で寝ていた。だけど騎士は受けを酷く嫌っているらしい。 騎士×???

既読無視の年下幼馴染みの部屋に行ったら、アイドルグッズだらけだった。しかも推しは俺

スノウマン(ユッキー)
BL
国民的アイドルの朝比奈 春人(あさひな はると)はいつもラインを既読無視する年下の幼馴染、三上 直(みかみ なお)の部屋をとある理由で訪れる。すると部屋の中はアイドルのグッズだらけだった、しかも全部春人の。 『幼馴染の弟ポジジョン×国民的アイドルのお兄さん』になる前のドタバタコメディです。

ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!

ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!? 「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

処理中です...