靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき

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25 宣戦布告

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私が屋敷内を自由に歩き回れるまで回復するのを待って、お父様と母がパルバラへと引っ越していった。母は王都に来てから事件に巻き込まれ続ける私を心配して、一緒にパルバラに帰ろうと勧めたが、私はここで伯爵令嬢&女主人代行修行を頑張ってみることに決めた。お兄様やジヴァたちと離れがたい気持ちが勝ったのだ。

ちなみに母は師匠と弟子にもパルバラに帰りたいか聞いたが、「お気遣い感謝するが、こちらで新しい靴屋も見つけたし、王都のほうが刺激的なものでね(師匠談)」と言って、彼らも王都に残ることに決めた。

というか、新しい靴屋を見つけたのに、何故まだホークボロー邸に住んでいるんだろう?気になって聞いたら、弟子に「もう粗食には戻られへん」と納得できすぎる返事をもらった。弟子はこのごろさらに体が丸くなっている。

二人少なくなった食卓では、アレンお兄様が家長の席に座り、母が座っていた席に私がつく。夕食をとりながら、「デイジーもすっかり女主人が板についてきたね」というカラバスお兄様の言葉に「そう言っていただけて光栄です」と笑顔を返したのもつかの間、続けて全員を凍り付かせる発言が飛び出した。

「デイジーはさ、もしかして一生ここの女主人でいるつもり?あ、つまり、アレン兄上に求婚されたら承諾する気があるのかってことなんだけど」

えええええ、いきなり何!?

カラバスお兄様を見て、アレンお兄様を見て、しかし言葉を返せない私に、カラバスお兄様は続けた。

「建国記念日のパーティーでファリカステ様が言ってたよね…僕がデイジーのこと好きだって。あれは本当のことだよ。妹としてじゃなく、デイジーが好きなの」

赤面して口をパクパクさせるしかない私と、驚きを隠せないアレンお兄様とイーライお兄様。

師匠と弟子も食べるのを中断して事態を凝視している。給仕係をつとめていたレオニやジェニン、ジヴァも目を見開いて絶句だ。

それを見てカラバスお兄様はニヤリと笑い、「兄上たちがモタモタしてるなら、デイジーは僕がもらうよ。もちろんデイジーの気持ち次第だけど…僕はもう容赦しないからね。兄上たちにもデイジーにも」と言い捨てて、私の頬にキスをして食卓を後にした。

放置された私たち三人の雰囲気といったら…

いたたまれなくて「私ももう休みます」とそそくさとダイニングを出たら、うしろからアレンお兄様の「カラバスあいつ…!」といううめき声が聞こえ、イーライお兄様の殺気を含んだ魔力が漏れてきた。
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