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浮かんで、弾けた泡
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九月某日。私は生まれた。母親に抱かれた写真は、未だに捨てられずにいる。
親より祖父母に愛された私は、小さい頃から祖父母にべったりくっついていた。「おいで~。」と呼ばれると、キャッキャ言いながら抱き着くのだ。祖父の車に乗って、虫取りや駄菓子を買ってもらったり、祖母の迎えにも着いて行ったり、とにかく甘えん坊だったと思う。それを見ていた母は、二年後に弟を生んだ。言わずもがな、弟は母親に愛された。「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい。」そう言われ続けると、わがままは自然と言わなくなった。怒られるのはいつも私だったから、段々と内気になり悪くなくても謝るようになった。弟の写真ばかり増えていくから私は写真が嫌いになって、家族写真しか写りたくなくなっていた。あの頃の私は子供らしくはなかったと思う。
小学校に入学してから数日後に男子から体型のことを馬鹿にされた。教科書に載っていたイラストの女性が太っていて、「あいつじゃん!」と指をさされて笑われた。まだ小学生だった事もあってそこまで気にはしなかったけど、愛想笑いを覚えたのだ。笑っておけばいいって思ってた。
小学三年生になると、私の周りは異性を意識し始める年頃になっていた。私は弟がいることもあって、男子と話す方が楽しくて楽だったので毎日のように男子と話していた。それを見たクラスの女子リーダーが、気に食わない私をいじめ始めるのだ。最初は、名字を馬鹿にされた。男女六人に大声で言われ、その日初めて泣きながら帰ったのだ。自分の名字が物凄く嫌いになり、母親に「何で名字、変なの?」と聞いたほどだ。
次に、体型のことでいじめられる。白米を毎日のようにおかわりして、お菓子やコーラも好きで、当たり前のようにぶくぶくと太っていった。そのせいで、ジーパンはもちろん入らず、ジャージで学校に通っていた。周りの女子達は、ショートパンツやスカートを履いているのに私だけ水色のジャージだった。
「ねえ、何でいつもジャージなの?」
ニヤニヤしながら聞いてくる女子リーダーは、体型が細くて可愛かった。
「ジーパン入らなくて......。」
「デブだから?」
傷付いたはずなのに、私はお得意の愛想笑いで誤魔化した。いつもお菓子を買ってきてくれる祖母に、「ダイエットするからいらない。」と断ると「確かに食べ過ぎかもねぇ。」と言われ、本格的にダイエットを始めたのだった。その時に流行ったバナナダイエットをして、何とか二ヶ月後にはジーパンが入るぐらいまで成功したのだ。
小学四年生。痩せたこともあり、友達も増えて明るさを取り戻していた。本当に毎日が楽しくて、いじめられていた事なんてすっかり忘れていた。特に仲が良かった友達三人と一緒に遊んだりお喋りをしたりするのが楽しくて仕方がなかった。そんなある日、下駄箱で靴を履き替えようとしていると仲が良い友達三人が私にこう言ってきたのだ。
「不潔だよね。臭いよ。」
何を返せなかった。愛想笑いもできなかった。そして私は、いじめられていたことを思い出し、学校に行くのが嫌で仮病を使うようになった。そんな私を、母は決して許さなかった。「学校に行け!」と怒鳴り散らすのだ。ひどい時は頬を叩かれることもあった。
「いじめられている!」
「あんたが何かしたからでしょ!」
話すら聞いてもらえなかった。何を言っても母の逆鱗に触れるだけだった。学校に行けばクラスの皆から笑われ、物や靴を隠された。席替えをすれば机は離されるし、給食当番になれば「うげー」「こいつが盛ったご飯いらねー」と言われる。学校から解放され、家に帰れば母は私を睨む。最終的に「あんたの被害妄想。」そう言われた。朝になればベッドで泣いて小さく「行きたくない」を連呼した。そんな毎日を繰り返していると、死んだら楽なのかな?と考えるようになった。
当時九歳。初めて、死にたいと思うようになった。
親より祖父母に愛された私は、小さい頃から祖父母にべったりくっついていた。「おいで~。」と呼ばれると、キャッキャ言いながら抱き着くのだ。祖父の車に乗って、虫取りや駄菓子を買ってもらったり、祖母の迎えにも着いて行ったり、とにかく甘えん坊だったと思う。それを見ていた母は、二年後に弟を生んだ。言わずもがな、弟は母親に愛された。「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい。」そう言われ続けると、わがままは自然と言わなくなった。怒られるのはいつも私だったから、段々と内気になり悪くなくても謝るようになった。弟の写真ばかり増えていくから私は写真が嫌いになって、家族写真しか写りたくなくなっていた。あの頃の私は子供らしくはなかったと思う。
小学校に入学してから数日後に男子から体型のことを馬鹿にされた。教科書に載っていたイラストの女性が太っていて、「あいつじゃん!」と指をさされて笑われた。まだ小学生だった事もあってそこまで気にはしなかったけど、愛想笑いを覚えたのだ。笑っておけばいいって思ってた。
小学三年生になると、私の周りは異性を意識し始める年頃になっていた。私は弟がいることもあって、男子と話す方が楽しくて楽だったので毎日のように男子と話していた。それを見たクラスの女子リーダーが、気に食わない私をいじめ始めるのだ。最初は、名字を馬鹿にされた。男女六人に大声で言われ、その日初めて泣きながら帰ったのだ。自分の名字が物凄く嫌いになり、母親に「何で名字、変なの?」と聞いたほどだ。
次に、体型のことでいじめられる。白米を毎日のようにおかわりして、お菓子やコーラも好きで、当たり前のようにぶくぶくと太っていった。そのせいで、ジーパンはもちろん入らず、ジャージで学校に通っていた。周りの女子達は、ショートパンツやスカートを履いているのに私だけ水色のジャージだった。
「ねえ、何でいつもジャージなの?」
ニヤニヤしながら聞いてくる女子リーダーは、体型が細くて可愛かった。
「ジーパン入らなくて......。」
「デブだから?」
傷付いたはずなのに、私はお得意の愛想笑いで誤魔化した。いつもお菓子を買ってきてくれる祖母に、「ダイエットするからいらない。」と断ると「確かに食べ過ぎかもねぇ。」と言われ、本格的にダイエットを始めたのだった。その時に流行ったバナナダイエットをして、何とか二ヶ月後にはジーパンが入るぐらいまで成功したのだ。
小学四年生。痩せたこともあり、友達も増えて明るさを取り戻していた。本当に毎日が楽しくて、いじめられていた事なんてすっかり忘れていた。特に仲が良かった友達三人と一緒に遊んだりお喋りをしたりするのが楽しくて仕方がなかった。そんなある日、下駄箱で靴を履き替えようとしていると仲が良い友達三人が私にこう言ってきたのだ。
「不潔だよね。臭いよ。」
何を返せなかった。愛想笑いもできなかった。そして私は、いじめられていたことを思い出し、学校に行くのが嫌で仮病を使うようになった。そんな私を、母は決して許さなかった。「学校に行け!」と怒鳴り散らすのだ。ひどい時は頬を叩かれることもあった。
「いじめられている!」
「あんたが何かしたからでしょ!」
話すら聞いてもらえなかった。何を言っても母の逆鱗に触れるだけだった。学校に行けばクラスの皆から笑われ、物や靴を隠された。席替えをすれば机は離されるし、給食当番になれば「うげー」「こいつが盛ったご飯いらねー」と言われる。学校から解放され、家に帰れば母は私を睨む。最終的に「あんたの被害妄想。」そう言われた。朝になればベッドで泣いて小さく「行きたくない」を連呼した。そんな毎日を繰り返していると、死んだら楽なのかな?と考えるようになった。
当時九歳。初めて、死にたいと思うようになった。
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