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夏休みは海で冒険なのだ(完結)
大人たちは揚げタコ焼きでビールなのだ
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その日のお夕飯は、ルシウス君と料理人のオヤジさんが獲りまくってきた貝類中心のメニューとなった。
数種の貝入りのカレーライスに、貝と夏野菜入りのスープ、貝と青菜とキノコのバター炒め。
あとは食べやすい野菜スティックを特製の酸っぱいリンゴ酢のドレッシングで。
ピアディ用には、夏野菜や果物をカットしたものをガラスの器に盛り付けて。
今の暑い時期はキュウリや白瓜など瓜系の野菜が水分たっぷりで美味しい。
カレーは、食紅でピンクに色付けした炊き立てライスをピアディのウーパールーパーの形に型抜きして、カレーの海で泳ぐキャラクター料理でのご提供だった。
「まあ! ピアディちゃんカレーですね、可愛いです!」
聖女様が大喜びする可愛い料理だった。これも近いうちに例の海の家のメニューに加わるそうな。
そして何と、昼間の海の家で提供されたタコ焼きや海鮮焼きなどの丸いボール再びである。
「同じ食べ方だと芸がないだろう? 油でカリッと揚げてもらったんだ」
厨房から料理の皿を運んできた黒髪黒目の勇者君が、山盛りの揚げタコ焼きの皿を手にドヤ顔をしている。
こんがり揚げられたタコ焼きの香ばしさといったら、もう。
そのままでも、甘めのソースをかけても、添えられた刻んだ青ネギと一緒でも堪らないやつだ。
「これはもう」
「ビール一択」
お酒を嗜む面々が飲む気満々だ。
「ずるい! 揚げタコ焼きとビールはずるい!」
「ぷぅ(おとうたん、いまは子どもなんだからがまんするのだー)」
てしてし、と短い前脚で、ビールを飲みたがるルシウス君を宥めた。が、宥めきれなかったようでルシウス君はプンプンしたままだ。
「仕方ない。今晩だけ大人に変えてやるか」
「姉様! 違います、大人に〝戻る〟んです! 僕は大人が本来の姿なんですからね!」
「そうだったか?」
しれっと言ってのける魔王おばばは、ビールのグラス片手にもう片方の手を軽く振った。
おばばの虹色キラキラを帯びた夜空色の魔力がルシウス君を包み込む。
「ち、ちょっと姉様! このまま大人に戻ったら……!」
夜空色の魔力に包まれたルシウス君が慌てている。
子どもの姿で、子供の服を着ているルシウス君が、大人の体格の良いイケオジ聖剣の聖者様に戻ったら子供服が弾けて破れてしまうではないか。
「き、着替えてきますー!」
まだ大人に戻りきらないうちに、慌てて食堂を出ていくルシウス君だった。
数種の貝入りのカレーライスに、貝と夏野菜入りのスープ、貝と青菜とキノコのバター炒め。
あとは食べやすい野菜スティックを特製の酸っぱいリンゴ酢のドレッシングで。
ピアディ用には、夏野菜や果物をカットしたものをガラスの器に盛り付けて。
今の暑い時期はキュウリや白瓜など瓜系の野菜が水分たっぷりで美味しい。
カレーは、食紅でピンクに色付けした炊き立てライスをピアディのウーパールーパーの形に型抜きして、カレーの海で泳ぐキャラクター料理でのご提供だった。
「まあ! ピアディちゃんカレーですね、可愛いです!」
聖女様が大喜びする可愛い料理だった。これも近いうちに例の海の家のメニューに加わるそうな。
そして何と、昼間の海の家で提供されたタコ焼きや海鮮焼きなどの丸いボール再びである。
「同じ食べ方だと芸がないだろう? 油でカリッと揚げてもらったんだ」
厨房から料理の皿を運んできた黒髪黒目の勇者君が、山盛りの揚げタコ焼きの皿を手にドヤ顔をしている。
こんがり揚げられたタコ焼きの香ばしさといったら、もう。
そのままでも、甘めのソースをかけても、添えられた刻んだ青ネギと一緒でも堪らないやつだ。
「これはもう」
「ビール一択」
お酒を嗜む面々が飲む気満々だ。
「ずるい! 揚げタコ焼きとビールはずるい!」
「ぷぅ(おとうたん、いまは子どもなんだからがまんするのだー)」
てしてし、と短い前脚で、ビールを飲みたがるルシウス君を宥めた。が、宥めきれなかったようでルシウス君はプンプンしたままだ。
「仕方ない。今晩だけ大人に変えてやるか」
「姉様! 違います、大人に〝戻る〟んです! 僕は大人が本来の姿なんですからね!」
「そうだったか?」
しれっと言ってのける魔王おばばは、ビールのグラス片手にもう片方の手を軽く振った。
おばばの虹色キラキラを帯びた夜空色の魔力がルシウス君を包み込む。
「ち、ちょっと姉様! このまま大人に戻ったら……!」
夜空色の魔力に包まれたルシウス君が慌てている。
子どもの姿で、子供の服を着ているルシウス君が、大人の体格の良いイケオジ聖剣の聖者様に戻ったら子供服が弾けて破れてしまうではないか。
「き、着替えてきますー!」
まだ大人に戻りきらないうちに、慌てて食堂を出ていくルシウス君だった。
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