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第一章 異世界転移、村ごと!
俺、幼女に怒られる(本望!)
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「ただいま……」
出かけるときばあちゃんに言われた通り、夕飯前には山から降りて戻ってきた。
「おにいちゃ、おかえり!」
「……おかえりなさい」
家を出たときよりションボリして帰宅した俺を出迎えてくれたのはピナレラちゃんとユキりん、それに。
「ユキちゃん、お邪魔してますぅ」
「おう、邪魔しとるぞ」
「村長……勉さん……な、なんで急に?」
「お前の様子がおがしいって空さんがメッセージくれたんだべ」
「んだんだ。ま、座れ座れ」
居間のちゃぶ台の前に、男爵の屋敷にいたはずの村長と勉さんがいた。
俺は夕飯も断って自室に引っ込もうとしたんだが、居間を出る前に勉さんに捕まって座布団に強制的に座らされた。
しかも席は部屋の奥側、お誕生日席に。
「で? 何があったの?」
「おにいちゃ……」
「………………」
村長が笑顔で俺に圧をかける。ピナレラちゃんも心配そうな顔。うっ、幼女を不安にさせる罪深き俺なんて死んでしまえばいい……
ユキりんは入口近くの離れた席に座って腕組みして俺のことを無表情ぎみに見ている。いいから話せコラ、と言わんばかりの圧を感じる。
俺は観念して口を開いた。
「実は……」
俺は語った。語ってしまった。
結婚したかった女に不適切な品質の物を贈ろうとして、事前察知されて捨てられてしまった哀れな男の物語を。
……熱を入れて語れば語るほど皆が引いてるような気もするが……もう語り出した俺は止まらない。
「えっとお。前に振られたて聞いたときは話だけだったな? どら、ユキちゃん捨てた彼女さん、写真さ見せてみろ?」
「んだなや。どんくれえの美女かおらたちが確かめてやる」
「……これだけど」
俺はスマホ内の元カノの写真を見せた。アルバム機能にフォルダ分けしてまとめた厳選ショットから適当に一枚。
「ほお~こりゃ色白でなかなか……」
「悪ぐねえな。顔は」
村長と勉さんが感心している。そう、元カノはとても可愛らしい女性だった。街中をデートしてると男の半分は振り返るほど。
ユキりんも二人の後ろからスマホ画面を覗いている。が特に感慨もなさそうな、つまらなさそうな顔のままだ。
「もーっ、おにいちゃー!」
元カノの写真を見てまた自分の世界に潜り込んでしまいかけた俺を、ピナレラちゃんの幼児特有のキーンとした甲高い大声が引き戻した。
ビリビリと障子紙が震えるほどの高音波だ。な、なんだべ!?
「おにいちゃ! しょんなおんにゃがどうした!?」
「ぴ、ピナレラちゃん?」
いつも胸を張るときは、まだぽんぽんの柔らかなお腹のほうが張り出てたはず。
なのに今日のピナレラちゃんは一味違った。お腹はどーんと腰から据わって、ぽよよんとせず引き締まっている……!
目つきも据わっていた。そしてビシッと小さなお手々でユキりんを指さす。
「みなしゃい! ユキリーンちゃのほうがかわいいでしょ!?」
「!? 確かに!」
このときの俺の心境を表す顔文字はまさにこれだ。
Σ(˙꒳˙)!? ...!
「待って待って、そこに僕を絡めるのやめて、ほんとに」
いきなり話を振られたユキりんが慌てている。だがもうピナレラちゃんは止まらない……!
「しょれに! あたちのほうが、おおきくなったらもっとめんこいおなごになるべ!?」
「「「間違いねえっぺ!」」」
俺たちもなか村の男三人の声が合わさった。
ユキりんは俺たちのテンションについていけなかったか、輪の中から微妙に外れている。
今でさえこんなに可愛いピナレラちゃんだ。元カノと同じ二十五歳の頃には間違いなく近隣に名の轟く美女となっているだろう!
俺とばあちゃんの影響でピナレラちゃんにもなか弁が移りつつある。ふ……家族って感じがしていいな!
「平和な人たちだなあ。……心配して損した」
ユキりんが呆れたように溜め息を吐いている。
だがちょっと前までの俺は本当に死にそうなほどヘコんでいたのだ。
かくして俺は一度思い出した元カノの顔を再び衝撃で忘れた。
そうだな……とりあえず思い出しそうになったら麗しの美少年の顔を眺めて目の洗浄とリセットだべ!
とユキりんを見つめたら、この間なにも知らずにうっかりストロング梅干しを丸ごと食べてしまったときのような顔で背けられた。まだ塩対応なのかユキりん……懐かなさすぎだっぺ!
もうこの際だからスマホ内の写真も削除しようと思って、ばあちゃんから飯ができたと声がかかるまでの間にスマホをいじった。
だが元カノとの思い出フォトアルバムを見て、俺は違和感を覚えた。
なんだ? 彼女はこんな顔だったか?
守ってあげたくなるような小柄で可愛い女性なのは間違いなかった。だが、以前彼女に感じていた強い思いがすっぽり抜け落ちている。
それに、この顔……いま改めて見返すと、自分の好みからはだいぶ離れてると思う。
俺の好みはぶっちゃけるとユキりん系の綺麗な顔立ちだ。それからすると彼女は可愛いすぎる。
皆に半ば怒られ続けておしゃべりしながら、元カノの写真や動画をスマホから複数選択でごそっと削除だ。
うっわ、元カノ関連の写真だけで何GBスマホの容量食ってたんだ。過去の自分にドン引きした。
フハハハハハ! あれも! これも! ぜーんぶぜーんぶ、消去! 消去! 消去だー!!
出かけるときばあちゃんに言われた通り、夕飯前には山から降りて戻ってきた。
「おにいちゃ、おかえり!」
「……おかえりなさい」
家を出たときよりションボリして帰宅した俺を出迎えてくれたのはピナレラちゃんとユキりん、それに。
「ユキちゃん、お邪魔してますぅ」
「おう、邪魔しとるぞ」
「村長……勉さん……な、なんで急に?」
「お前の様子がおがしいって空さんがメッセージくれたんだべ」
「んだんだ。ま、座れ座れ」
居間のちゃぶ台の前に、男爵の屋敷にいたはずの村長と勉さんがいた。
俺は夕飯も断って自室に引っ込もうとしたんだが、居間を出る前に勉さんに捕まって座布団に強制的に座らされた。
しかも席は部屋の奥側、お誕生日席に。
「で? 何があったの?」
「おにいちゃ……」
「………………」
村長が笑顔で俺に圧をかける。ピナレラちゃんも心配そうな顔。うっ、幼女を不安にさせる罪深き俺なんて死んでしまえばいい……
ユキりんは入口近くの離れた席に座って腕組みして俺のことを無表情ぎみに見ている。いいから話せコラ、と言わんばかりの圧を感じる。
俺は観念して口を開いた。
「実は……」
俺は語った。語ってしまった。
結婚したかった女に不適切な品質の物を贈ろうとして、事前察知されて捨てられてしまった哀れな男の物語を。
……熱を入れて語れば語るほど皆が引いてるような気もするが……もう語り出した俺は止まらない。
「えっとお。前に振られたて聞いたときは話だけだったな? どら、ユキちゃん捨てた彼女さん、写真さ見せてみろ?」
「んだなや。どんくれえの美女かおらたちが確かめてやる」
「……これだけど」
俺はスマホ内の元カノの写真を見せた。アルバム機能にフォルダ分けしてまとめた厳選ショットから適当に一枚。
「ほお~こりゃ色白でなかなか……」
「悪ぐねえな。顔は」
村長と勉さんが感心している。そう、元カノはとても可愛らしい女性だった。街中をデートしてると男の半分は振り返るほど。
ユキりんも二人の後ろからスマホ画面を覗いている。が特に感慨もなさそうな、つまらなさそうな顔のままだ。
「もーっ、おにいちゃー!」
元カノの写真を見てまた自分の世界に潜り込んでしまいかけた俺を、ピナレラちゃんの幼児特有のキーンとした甲高い大声が引き戻した。
ビリビリと障子紙が震えるほどの高音波だ。な、なんだべ!?
「おにいちゃ! しょんなおんにゃがどうした!?」
「ぴ、ピナレラちゃん?」
いつも胸を張るときは、まだぽんぽんの柔らかなお腹のほうが張り出てたはず。
なのに今日のピナレラちゃんは一味違った。お腹はどーんと腰から据わって、ぽよよんとせず引き締まっている……!
目つきも据わっていた。そしてビシッと小さなお手々でユキりんを指さす。
「みなしゃい! ユキリーンちゃのほうがかわいいでしょ!?」
「!? 確かに!」
このときの俺の心境を表す顔文字はまさにこれだ。
Σ(˙꒳˙)!? ...!
「待って待って、そこに僕を絡めるのやめて、ほんとに」
いきなり話を振られたユキりんが慌てている。だがもうピナレラちゃんは止まらない……!
「しょれに! あたちのほうが、おおきくなったらもっとめんこいおなごになるべ!?」
「「「間違いねえっぺ!」」」
俺たちもなか村の男三人の声が合わさった。
ユキりんは俺たちのテンションについていけなかったか、輪の中から微妙に外れている。
今でさえこんなに可愛いピナレラちゃんだ。元カノと同じ二十五歳の頃には間違いなく近隣に名の轟く美女となっているだろう!
俺とばあちゃんの影響でピナレラちゃんにもなか弁が移りつつある。ふ……家族って感じがしていいな!
「平和な人たちだなあ。……心配して損した」
ユキりんが呆れたように溜め息を吐いている。
だがちょっと前までの俺は本当に死にそうなほどヘコんでいたのだ。
かくして俺は一度思い出した元カノの顔を再び衝撃で忘れた。
そうだな……とりあえず思い出しそうになったら麗しの美少年の顔を眺めて目の洗浄とリセットだべ!
とユキりんを見つめたら、この間なにも知らずにうっかりストロング梅干しを丸ごと食べてしまったときのような顔で背けられた。まだ塩対応なのかユキりん……懐かなさすぎだっぺ!
もうこの際だからスマホ内の写真も削除しようと思って、ばあちゃんから飯ができたと声がかかるまでの間にスマホをいじった。
だが元カノとの思い出フォトアルバムを見て、俺は違和感を覚えた。
なんだ? 彼女はこんな顔だったか?
守ってあげたくなるような小柄で可愛い女性なのは間違いなかった。だが、以前彼女に感じていた強い思いがすっぽり抜け落ちている。
それに、この顔……いま改めて見返すと、自分の好みからはだいぶ離れてると思う。
俺の好みはぶっちゃけるとユキりん系の綺麗な顔立ちだ。それからすると彼女は可愛いすぎる。
皆に半ば怒られ続けておしゃべりしながら、元カノの写真や動画をスマホから複数選択でごそっと削除だ。
うっわ、元カノ関連の写真だけで何GBスマホの容量食ってたんだ。過去の自分にドン引きした。
フハハハハハ! あれも! これも! ぜーんぶぜーんぶ、消去! 消去! 消去だー!!
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