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第一章 異世界転移、村ごと!
その頃、日本では~side元後輩、お社長と一緒にファミレスオフ再び2
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「あちしんち、ご先祖様のお墓があの子の故郷にあっでなあ」
「もしやご親戚でしたか?」
「馬鹿言うでね! そっだらあちしもイケメン顔でなきゃおがしいべ!?」
「お社長、自分で言ってるし」
どっと場が笑いで弾けた。お社長もゲハハハと馬鹿笑いしている。
「知ってるべ? 今話題の〝もなか村〟」
「「「「ああ~!」」」」
もうユウキ先輩が現代の怪奇事件、『もなか村の異世界神隠し事件』の中核人物なことは知れ渡っている。
不思議とあの八十神と元カノさんは知らないんだよな。事件そのものはいま世の中でホットだから知ってるようだけど、ユウキ先輩の故郷だと理解していない様子だった。
所詮、どっちも先輩への興味なんてその程度だってことなんだろう。
みどり社長はもなか村に住んでたわけじゃなかったそうだ。
でも盆暮れの墓参りのとき家族ぐるみで挨拶する程度の顔見知りではあったらしい。
「あちし、あの子大好きなんだあ。あの子、初めて会ったときあちしを見て何で言っだと思う? 『怒らないで聞いてけろ。おばちゃんとおじちゃん、どっちだ?』て。怒らねて! ちゃんと聞いでぐれだほーが、あちしだって嬉しんだがら!」
そう。このオバサンは元から田舎のイモ顔だが、それを逆手に取ってわざと演歌歌手崩れの小汚いオッサン演出をしてる節がある。
それで初めて会う他人が困惑するのを楽しむ趣味の悪いお人でもあった。八十神も洗礼にあったようで何よりですな。
ただし、前にユウキ先輩が「鼻毛は切ったほうがいいですよ」と言ったら「東京もバンコクも空気が悪いがらゴミ吸わねえようにっで鼻毛伸びるの! あちしだっで好きで伸ばしてるわけねえべ!」とお社長を半泣きに追い込んでいた。
まあそこで先輩も「みどり社長もですか!? 俺も最初に東京来たときは伸び伸びで学校でいじめられましたよ~。仕返しに油性ペンで鼻毛描いてお揃いにしてやりましたけど!」とか言ってた。
……こいつら同類なんだなとオレは思ったもんスわ。陰キャのオレとは人種どころか出身星まで違うんじゃないのってぐらい。
ちなみに鼻毛を描いてやった同級生とは今でも友達らしい。……この人の強キャラっぷりは正直他ではお目にかかったことがねえっス。
鼻毛カッターはドラッグストアで売ってるから買ったほうがいいっスよ……
ともあれ、初めてお社長とユウキ先輩がもなか村で会ったとき、互いの家族と一緒に撮った写真があるそうで。
オレたちはお社長がデカい本革の手帳から取り出した、ラミネート加工され大切にしてることがわかる写真を見せてもらった。
写真の中は家の居間のようだ。壁際にこたつとちゃぶ台を立てて退かして、畳の上に全員が立った集合写真だった。
みどり社長は旦那さんと高校生ぐらいの男の子二人。
ユウキ先輩はご両親と祖母、それに叔父夫婦と同い年の従兄弟。
先輩と従兄弟さんはどちらもお揃いの暖かそうなもこもこトレーナーに半ズボン姿。あどけない顔で笑っている。四歳ぐらいかな。
「うっわ、可愛い……! これ男って知らなかったら幼女じゃん……!」
「そんだ。同じ東北ど田舎モンだっちゅうのにね。あちしは小汚えイモ顔、あっちは涎出るほどかわゆくて男前に育っだ。世の中不公平だっぺ!」
しかし何より、その写真には気になることがあった。
「ユウキ先輩のパパさん、デカいっスねえ!」
見た感じ190はゆうに超えてる。同じように写真を見ていた女性陣たちからキャアッと黄色い声が上がった。
冬なのかな。もっさりした紺色のはんてんを羽織った、三十手前の短い顎ひげの男性だ。
「ンッフフフフフ……これがあちしのお気に入りのパパしゃん! ええ男だべ?」
先輩とよく似た黒髪黒目のパパさんは、先輩にはない目元の色気がすごい。別に流し目なわけでもないのに男のオレでもゾクっときた。
あと全身から滲み出る只者じゃない感が半端ない。写真からでもわかるぐらい覇気がすごい。
なんていうんだろう。世紀末でも征服するのかなって印象。人相がいいから怖い感じはしないんだけどね。
確か外資の、目利きで有名なバイヤーだったらしいス。
NEXT→御米田は日本に帰国した父親と電話で会話した……(噂のパパしゃん)
「もしやご親戚でしたか?」
「馬鹿言うでね! そっだらあちしもイケメン顔でなきゃおがしいべ!?」
「お社長、自分で言ってるし」
どっと場が笑いで弾けた。お社長もゲハハハと馬鹿笑いしている。
「知ってるべ? 今話題の〝もなか村〟」
「「「「ああ~!」」」」
もうユウキ先輩が現代の怪奇事件、『もなか村の異世界神隠し事件』の中核人物なことは知れ渡っている。
不思議とあの八十神と元カノさんは知らないんだよな。事件そのものはいま世の中でホットだから知ってるようだけど、ユウキ先輩の故郷だと理解していない様子だった。
所詮、どっちも先輩への興味なんてその程度だってことなんだろう。
みどり社長はもなか村に住んでたわけじゃなかったそうだ。
でも盆暮れの墓参りのとき家族ぐるみで挨拶する程度の顔見知りではあったらしい。
「あちし、あの子大好きなんだあ。あの子、初めて会ったときあちしを見て何で言っだと思う? 『怒らないで聞いてけろ。おばちゃんとおじちゃん、どっちだ?』て。怒らねて! ちゃんと聞いでぐれだほーが、あちしだって嬉しんだがら!」
そう。このオバサンは元から田舎のイモ顔だが、それを逆手に取ってわざと演歌歌手崩れの小汚いオッサン演出をしてる節がある。
それで初めて会う他人が困惑するのを楽しむ趣味の悪いお人でもあった。八十神も洗礼にあったようで何よりですな。
ただし、前にユウキ先輩が「鼻毛は切ったほうがいいですよ」と言ったら「東京もバンコクも空気が悪いがらゴミ吸わねえようにっで鼻毛伸びるの! あちしだっで好きで伸ばしてるわけねえべ!」とお社長を半泣きに追い込んでいた。
まあそこで先輩も「みどり社長もですか!? 俺も最初に東京来たときは伸び伸びで学校でいじめられましたよ~。仕返しに油性ペンで鼻毛描いてお揃いにしてやりましたけど!」とか言ってた。
……こいつら同類なんだなとオレは思ったもんスわ。陰キャのオレとは人種どころか出身星まで違うんじゃないのってぐらい。
ちなみに鼻毛を描いてやった同級生とは今でも友達らしい。……この人の強キャラっぷりは正直他ではお目にかかったことがねえっス。
鼻毛カッターはドラッグストアで売ってるから買ったほうがいいっスよ……
ともあれ、初めてお社長とユウキ先輩がもなか村で会ったとき、互いの家族と一緒に撮った写真があるそうで。
オレたちはお社長がデカい本革の手帳から取り出した、ラミネート加工され大切にしてることがわかる写真を見せてもらった。
写真の中は家の居間のようだ。壁際にこたつとちゃぶ台を立てて退かして、畳の上に全員が立った集合写真だった。
みどり社長は旦那さんと高校生ぐらいの男の子二人。
ユウキ先輩はご両親と祖母、それに叔父夫婦と同い年の従兄弟。
先輩と従兄弟さんはどちらもお揃いの暖かそうなもこもこトレーナーに半ズボン姿。あどけない顔で笑っている。四歳ぐらいかな。
「うっわ、可愛い……! これ男って知らなかったら幼女じゃん……!」
「そんだ。同じ東北ど田舎モンだっちゅうのにね。あちしは小汚えイモ顔、あっちは涎出るほどかわゆくて男前に育っだ。世の中不公平だっぺ!」
しかし何より、その写真には気になることがあった。
「ユウキ先輩のパパさん、デカいっスねえ!」
見た感じ190はゆうに超えてる。同じように写真を見ていた女性陣たちからキャアッと黄色い声が上がった。
冬なのかな。もっさりした紺色のはんてんを羽織った、三十手前の短い顎ひげの男性だ。
「ンッフフフフフ……これがあちしのお気に入りのパパしゃん! ええ男だべ?」
先輩とよく似た黒髪黒目のパパさんは、先輩にはない目元の色気がすごい。別に流し目なわけでもないのに男のオレでもゾクっときた。
あと全身から滲み出る只者じゃない感が半端ない。写真からでもわかるぐらい覇気がすごい。
なんていうんだろう。世紀末でも征服するのかなって印象。人相がいいから怖い感じはしないんだけどね。
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