異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ

真義あさひ

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第二章 異世界ど田舎村を救え!

俺、もなか村のグレーゾーン再認識

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 ヤベェのは国からの支援金、助成金の使い道だな。

 俺がもなか村に戻るきっかけになった、ばあちゃんが受給した高齢者支援金。あれは、もなか村に本籍のある六十五歳以上なら無条件で村から支給されるものだったそうで。
 そう、隣町や別の地域に住んでても、本籍地さえもなか村にあれば誰にでも支給されていた。
 もなか村にちゃんと住んでいた六十五歳以上は俺のばあちゃんだけ。他の支給対象者の大半は隣町に住んでいる。

『もなか村に住んでないのに受給したのか!? 不正だー!』などと誰かが騒ぎ始めたらヤバい。
 でも受給する本人たちだってわかってるから、わざわざ自分たちでバラすわけがない。

 それにこの仕組み自体を組んだのは国のお偉いさんだそうだ。ふつうどの自治体も居住地って決めてるところをしれっと本籍地でOKだとしてるところ。
 ……黒寄りのグレーだ。俺は日本の政治の薄っすら暗いところを覗いてしまっている。
 政治家がどうやって国の予算から合法的にカネを抜いてるかの実例だからな……

 村長たちも頑張ってたんだなとは思う。
 もう、ばあちゃん、村長、勉さん、それに俺しかいなかった廃村寸前の限界集落もなか村。
 いつ電力会社が電気の供給を止めるかわからなかったから、国からの助成金で村役場だけでなく民家や農家、酪農家にはそれぞれ太陽光発電機を設置させた。廃業が決まってたもなか酒造もだ。
 隣町とを繋ぐ一日三本のシャトルバスは完全な赤字だが維持し続けていたし。これのお陰で免許も車もないばあちゃんは通販だけでなく隣町にも買い出しに行けたし、隣町から村役場にお勤めの人たちも出勤できていた。
 小規模ながら配送業者の支部もあったし、最後の商店が廃業した後は村役場内に売店も作った。
 この努力は認めないわけにはいかなかった。

 ただ村長が少し気になることを言い出した。

「本当なら住民水増し偽装なんかする前に、アケロニア王国に戻って来れたはずなんだべ」
「んだ。そんぐれえ、もなか村の魔力を貯めてたのに急に消えちまったときがあっだ!」
「確か……十四年前だったあ」

 その頃の俺は今のユキりんと同じ年頃だ。中二の頃だな。
 中二のとき……何かあったっけ? 夏休みや冬休みのときなら家族でばあちゃんちに帰省して、山に川にと野猿のように走り回ってた頃だ。

 あの頃はまだ父方の従兄弟も生きてて、長い休みのときは叔父さんとばあちゃんちに帰省してたっけ。
 冬はあんまり家から動けなかったけど、従兄弟が同学年だったから宿題が捗った。
 うちの親父や叔父さんの車でスキー場も行ったなあ。

 夏はばあちゃんが弁当やおやつを作ってくれて、水筒にたっぷりの麦茶を入れて山にピクニック。
 山菜や山ブドウ、コケモモみたいな野生の果物を探すのが楽しかった。お盆までの短い期間だけど川泳ぎも盛り上がったよなあ。
 普段料理はお袋任せの親父が張り切って作ってくれた芋煮、美味かったよな……

 などと思い返しているうちに、民放のもなか村の消失事件の特集は終わった。

「おいユウキ。ネット掲示板、いつの間に書込みしでだ?」
「こっち来てからすぐですね。お二人から詳しい話を聞く前」

 村長と勉さんもスレを見たいと言ったので、一応URLをメッセージアプリでそれぞれに送っておいた。
 閲覧専用アプリもあるが他に見たいスレがなければブラウザから見るだけで充分だろう。
 書き込みはしないと言うのでほんと見るだけ。

「プッ。ピナレラちゃんとユキリーン君の写真まで載っけとるで!」
「日本にいたときなら絶対やりませんでしたけどね。ここ異世界だし、日本でスレ見てる連中が俺たち相手に変なことできるわけもないので」

 気づいたら『異世界幼女を見守り隊スレ』まで派生して俺が掲示板にあげた画像が網羅されている。
 そろそろ俺も調子に乗るのをやめて情報コントロールしなきゃかな。





NEXT→御米田は久し振りにネット掲示板に書き込みをした……(元カノぷちざまぁ回)

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