異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ

真義あさひ

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第二章 異世界ど田舎村を救え!

俺、従兄弟の転移理由を知る

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 死んだはずの従兄弟カズアキの出現には、俺だけじゃなく村長と勉さんも驚愕していた。
 数少ない親戚の子供だ。二人もカズアキのことは小さい頃からよく知ってるいる。お年玉くれたりしてたもんな。

 俺たちの話に一区切りついた頃合いを見て、二人がカズアキがアケロニア王国に異世界転移してきた見解を話してくれた。

 村長たちはバブル期のゴルフ場の湧水汚染をきっかけに大地を流れるパワーライン龍脈の存在を知り、その力を利用したアケロニア王国への帰還を考えついた。
 それから数十年かけて、もなか村の墓を通る龍脈パワーを慎重に村の中に書き込んだ魔法陣に流して溜め込んでいったと。

「だけんど十数年前、回復してきた土地の力が一度ごそっと消失したことがあっだんだあ」
「これがカズアキがこっちに転移しだとき消費されたんじゃなか?」
「あ、そうです、山の中で足元にいきなり光の魔法陣が浮き出てて。気づいたら目の前に青銀の髪の綺麗な女の人がいて、いろいろこの世界のことを教えてもらったんです」

 ……魔王様だっていうユキりん一族のご先祖様けえ。俺のことは串刺ししようとしたのにカズアキには随分親切だべな?
 俺とカズアキの何が違うというのだ。いやわかってる。図太い俺と、天然気質で素直なこいつとは多分前世で積んだ徳が違うのだろう。く、悔しくなんてないんだからな!

「んだ。最初は村全体じゃなくて、もなか山の祠を基点にした魔法陣にしとったんだあ」

 それからまた十数年、また龍脈の力が回復してきたとき、異世界人ともなか村人のクォーターながら魔力強めの俺が戻ってきて転移が決行されたと。

 俺の記憶が正しければ、昼間のハイキングで居場所がわからなくなったカズアキはちゃんと夜までには戻ってきた。
 ということは、カズアキはまた元の日本に転移し直すってことだが……だが……戻ったらこいつは……

 

 飯の準備ができたということで、話はひとまず一区切りだ。ようやく俺たちは飯にありつけた。
 もう夕方のほうが近いから昼飯を兼ねた早めの夕飯だな……

 料理人がまずは食べやすいカナッペ風の前菜を出してくれた。米やパンは炊いたり焼いたりしてる途中だそうで、順次出てくるそうだ。
 調理に一区切りついたようでばあちゃんも厨房から戻ってきた。

「ユキリーン。なんかぐだぐだ言っとったが。おめえもリースト家の男なら本当の理由は別にあるべな?」
「え」
「おらは王都のウェイザー公爵家の出だ。王都にいだ頃はリースト伯爵家と交流もあっだ。ガキどものいじめだの見た目だの、リースト一族の男がんなこと気に病むわけがねえ」
「んだんだ。本音は別のとこだべ? おいちゃんたちに話してみ?」

 おい勉さんと村長がユキりんに絡み出したぞ。
 助けるべきか見守っていると、空気を読まずにカズアキがユキりんに話しかけていた。

「ユキリーン。久し振りだけど元気そうで良かった」
「魔術師様も。そ、それでその後どうなりましたか!?」

 あれ? と俺は気づいた。そういえば保護した直後、ユキりんが言っていたじゃないか。


『光の剣を持った魔術師が逃げる手助けをしてくれたんです。逃げるのに必死だったからあまり覚えてないけど……黒髪と黒目で、あなたに似ていた気がする』


 そうか、魔術師とは異世界転移してきてこの世界で活躍してたカズアキのことだったか。
 光の剣はあのLEDの多色コンサートライト。まさかこう繋がってくるとは。

「君によく似た、僕らより少し年上のお姉さんが透明なガラス容器に入ってあの奴隷商の倉庫にいたのを見た。君を助けてから外に運ばれるのを見て追いかけたけど……見失っちゃったんだ。ごめん」
「そ、それ! オデットお嬢様です、ご本家の……!」

 オデット? と皆が首を傾げたところでユキりんがハッと我に返った。
 恐る恐る周りを見回している。事情がわかったらしい村長や勉さん、うちのばあちゃん、あと男爵なんかが訳知り顔でニコニコ笑顔だ。
 俺やカズアキは何が何やらだ。
 村長が説明してくれたところによると。

「あんなあ。リースト一族てのはえらい面倒な一族なの。自分てめえの大事なものだけあれば他はどうでもええって自己チュー連中の群れなんだべ。特に好きな子に向ける執着は怖いぐれえでな」
「……ユキりん。まさかあれこれ言ってたけど、この村に留まってる理由はそのオデットって子のためか?」
「………………はい」

 ユキりんはかなり長く逡巡した後コクリと頷いた。

「オデットお嬢様は数年前、王都から行方不明になったリースト伯爵家ご本家の方です。僕の……初恋の人でした」

 おおおお、と場が沸いた。ご年配が多いからフレッシュな恋バナに誰もが興味津々だ。もちろんこの俺も。




NEXT→🍕🍕🍕

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