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第二章 異世界ど田舎村を救え!
俺、夏はやっぱりスイカです
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夏の風物詩は多いが、暑い日にはなんといってもこれだ。
「おーい。スイカ食べようぜ!」
と午前中、皆に声をかけて庭に出た。
そこには早朝のうちに畑から採ってきた丸々とした縞模様のある緑色の……
「おにいちゃ。まるいのなに?」
「スイカっていう果物だよ、ピナレラちゃん。瓜の仲間だけど甘くて美味いぞう」
言うなり俺は庭の一部のコンクリ部分を軽く水洗いして砂や泥を流した後、――スイカを叩きつけて割った。いや砕いた。
「ぴゃっ」
ピナレラちゃんが驚いて後ずさり、信じられないものを見る目で俺を見上げた。
「お、おにいちゃ。しゅいかしゃん、しゅいかしゃんにひどいことしないで!」
「あ、いや、ごめん、ビックリさせちまったか。スイカはこれが一番美味い食べ方なんだよ」
「ユウキさん、なに馬鹿なこと言って」
「本当、本当。包丁で切るよりこうして食べるほうが美味しいんだよ」
朝採れを地面に叩きつけて砕き、その場で食べる。スイカが一番新鮮なうちに、一番楽にできる食べ方だ。
それでも嘘つきを見る目でユキりんとピナレラちゃんが見てくるので、俺は救いを求めてカズアキを見た。
お前は毎年俺たちと一緒にスイカ食ってるべ!?
「本当だよ。包丁できれいにカットするより美味しいんだ」
砕いたスイカを一欠片とって、鮮やかな赤い果肉をしゃくしゃくと食す。少し口の中をもごもごさせて種はその辺にぴゅっと吐き出した。
果肉の美味しいところだけ食べて、皮は傍らに用意してたバケツの中にぽいだ。後でまとめた種と一緒に普段の生ゴミと同じように処理して、畑の肥料に加工したり、土にそのまま戻したりする。
カズアキがそう言うなら、とお子たち二人は恐る恐る砕いたスイカに手を伸ばした。そして一口。目を見開いた後でしゃぶしゃぶ食い始めた。
「スイカしゃん、おいちい! あまいね!」
「暑い日に染みますね。おいしい」
「だべ?」
ばあちゃんの畑には夏になるとスイカの苗を植えている。
もう年だから重いスイカは腰に悪いしやめろって言ってんのに、毎年東京に送ってくれてたんだよなあ。ありがたいこってす。職場に持っていっておやつで食べたっけ。
スイカ自体はこの異世界にもあるそうだが、もっと円環大陸の南側が主だそうだ。アケロニア王国では栽培してないそうで、うちで食いきれない分は村の人たちにお裾分けの予定だ。
今後も種から苗が育てられればいいんだが……業者から毎年買ってたのは苗のほうだし、どうかなあ。
スイカはばあちゃんちだけでなく、もなか村に畑を持ってた世帯はだいたい栽培していた。
もなか村に実際住んでたのはばあちゃんち、村長、勉さんの三世帯だけだったが、隣町に住んで本籍と住民票だけもなか村に残してた農家の人たちの田畑もこっちに丸ごと転移しちまったからなあ。
村ごと転移した後は、ど田舎村の人たちにも田畑の手入れを頼んであった。
少しずつど田舎村の特産の薬草栽培に切り替えていたが、この夏はとにかくスイカだ。
大玉と中玉の中間くらいのサイズかな。ブランドスイカの尾花沢産には負けるが、なかなか甘くて美味いっぺさ。
毎日何十個と食べ頃になるスイカは、希望者にはど田舎村の人たちに分けた。食いきれない分は隣町に出荷してもらってる。珍しいからなかなか高値で売れてるそうだ。
食べ方も簡単だし、絞ってジュースにすれば夏は塩少々を振って簡易スポーツ飲料になるし、黒い種を除いて凍らせてからミキサーにかければスムージーも美味だ。
大人たち用にはカクテルもいける。
ど田舎村にも流通してるジンやレモンと混ぜれば、ジュース並みにごくごく飲めてしまう夏に最高のスイカカクテルの出来上がり。
果汁だけを使っても、スムージーを使ったフローズンカクテルも美味い。
ここは元々村人の数も少ないし、夕方になると庭の広い男爵の屋敷に集まって、食材を持ち寄ってほとんど毎日のように俺たちは簡易パーティーをやっていた。
夏野菜どっさり採れるもんだから、新鮮な野菜たっぷりのディナーは最高だった。
もなか村が栽培してた枝豆も、ど田舎村の人たちに受け入れられて何よりだったべ。
最初は皆ふつうに塩茹でを食べてたけど、次第にハーブ塩を試したり、オリーブオイル漬けになったりと現地らしい味付けに応用されていったのも面白かった。
男爵の屋敷の料理人さんがヴィシソワーズみたいな冷製ポタージュに仕上げてくれたのはヤバかった。
枝豆の旨みと甘みを上手く生かしてて、ピナレラちゃんみたいな幼児から俺たち大人まで皆大好きになったもんだ。
NEXT→夏は……🍛🍛🍉🍨
「おーい。スイカ食べようぜ!」
と午前中、皆に声をかけて庭に出た。
そこには早朝のうちに畑から採ってきた丸々とした縞模様のある緑色の……
「おにいちゃ。まるいのなに?」
「スイカっていう果物だよ、ピナレラちゃん。瓜の仲間だけど甘くて美味いぞう」
言うなり俺は庭の一部のコンクリ部分を軽く水洗いして砂や泥を流した後、――スイカを叩きつけて割った。いや砕いた。
「ぴゃっ」
ピナレラちゃんが驚いて後ずさり、信じられないものを見る目で俺を見上げた。
「お、おにいちゃ。しゅいかしゃん、しゅいかしゃんにひどいことしないで!」
「あ、いや、ごめん、ビックリさせちまったか。スイカはこれが一番美味い食べ方なんだよ」
「ユウキさん、なに馬鹿なこと言って」
「本当、本当。包丁で切るよりこうして食べるほうが美味しいんだよ」
朝採れを地面に叩きつけて砕き、その場で食べる。スイカが一番新鮮なうちに、一番楽にできる食べ方だ。
それでも嘘つきを見る目でユキりんとピナレラちゃんが見てくるので、俺は救いを求めてカズアキを見た。
お前は毎年俺たちと一緒にスイカ食ってるべ!?
「本当だよ。包丁できれいにカットするより美味しいんだ」
砕いたスイカを一欠片とって、鮮やかな赤い果肉をしゃくしゃくと食す。少し口の中をもごもごさせて種はその辺にぴゅっと吐き出した。
果肉の美味しいところだけ食べて、皮は傍らに用意してたバケツの中にぽいだ。後でまとめた種と一緒に普段の生ゴミと同じように処理して、畑の肥料に加工したり、土にそのまま戻したりする。
カズアキがそう言うなら、とお子たち二人は恐る恐る砕いたスイカに手を伸ばした。そして一口。目を見開いた後でしゃぶしゃぶ食い始めた。
「スイカしゃん、おいちい! あまいね!」
「暑い日に染みますね。おいしい」
「だべ?」
ばあちゃんの畑には夏になるとスイカの苗を植えている。
もう年だから重いスイカは腰に悪いしやめろって言ってんのに、毎年東京に送ってくれてたんだよなあ。ありがたいこってす。職場に持っていっておやつで食べたっけ。
スイカ自体はこの異世界にもあるそうだが、もっと円環大陸の南側が主だそうだ。アケロニア王国では栽培してないそうで、うちで食いきれない分は村の人たちにお裾分けの予定だ。
今後も種から苗が育てられればいいんだが……業者から毎年買ってたのは苗のほうだし、どうかなあ。
スイカはばあちゃんちだけでなく、もなか村に畑を持ってた世帯はだいたい栽培していた。
もなか村に実際住んでたのはばあちゃんち、村長、勉さんの三世帯だけだったが、隣町に住んで本籍と住民票だけもなか村に残してた農家の人たちの田畑もこっちに丸ごと転移しちまったからなあ。
村ごと転移した後は、ど田舎村の人たちにも田畑の手入れを頼んであった。
少しずつど田舎村の特産の薬草栽培に切り替えていたが、この夏はとにかくスイカだ。
大玉と中玉の中間くらいのサイズかな。ブランドスイカの尾花沢産には負けるが、なかなか甘くて美味いっぺさ。
毎日何十個と食べ頃になるスイカは、希望者にはど田舎村の人たちに分けた。食いきれない分は隣町に出荷してもらってる。珍しいからなかなか高値で売れてるそうだ。
食べ方も簡単だし、絞ってジュースにすれば夏は塩少々を振って簡易スポーツ飲料になるし、黒い種を除いて凍らせてからミキサーにかければスムージーも美味だ。
大人たち用にはカクテルもいける。
ど田舎村にも流通してるジンやレモンと混ぜれば、ジュース並みにごくごく飲めてしまう夏に最高のスイカカクテルの出来上がり。
果汁だけを使っても、スムージーを使ったフローズンカクテルも美味い。
ここは元々村人の数も少ないし、夕方になると庭の広い男爵の屋敷に集まって、食材を持ち寄ってほとんど毎日のように俺たちは簡易パーティーをやっていた。
夏野菜どっさり採れるもんだから、新鮮な野菜たっぷりのディナーは最高だった。
もなか村が栽培してた枝豆も、ど田舎村の人たちに受け入れられて何よりだったべ。
最初は皆ふつうに塩茹でを食べてたけど、次第にハーブ塩を試したり、オリーブオイル漬けになったりと現地らしい味付けに応用されていったのも面白かった。
男爵の屋敷の料理人さんがヴィシソワーズみたいな冷製ポタージュに仕上げてくれたのはヤバかった。
枝豆の旨みと甘みを上手く生かしてて、ピナレラちゃんみたいな幼児から俺たち大人まで皆大好きになったもんだ。
NEXT→夏は……🍛🍛🍉🍨
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