異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ

真義あさひ

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第二章 異世界ど田舎村を救え!

おまけ 俺、夢でウパルパ様を覗き見る

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 夢はいつも唐突だ。

 ここは……以前見た覚えのある、王様の王宮の中だ。観葉植物がたくさんある、誰かが眠っている部屋だ。
 前に見たときは誰かわからなかったが、今回は視点が変わっていて顔を見ることができた。

 黒髪黒目の二十代前半の男。――王様の親戚で恋敵の勇者メガネ君だ。もっとも眠っている今は眼鏡はなかったけれど。

 以前は王様が髪を撫でていたが、今回はいない。
 代わりに枕元にいたのは虹色キラキラに光る手のひらサイズの、半透明ピンクのウーパールーパーだった。

 ウパルパ様! ウパルパ様じゃないか! え、このお方って本体はこんなにミニマム……? そうか、あの小山みたいなどーんと巨大な姿はこけおどしかあ。

 俺は素早く大きな観葉植物の影に隠れて様子を窺った。

「とも、とも。はやくおっきするのだ。われもう待ちくたびれてしまったのだぷぅ」

 小さな前足でぺちぺちと勇者君の頬っぺたを叩いている。
 王様の大剣チート魔石から召喚されたときと同じ、ものすごく可愛い萌え声で。

「ねえやがおいしいアップルパイを焼いてくれたのだ。われがまんしてさいごの一切れをともに残してやってるのだぷぅ。だからとも……」

 青くて大きなお目々からぽろぽろと真珠粒のような涙がこぼれていく。
 ど田舎村に奴隷商の手先が急襲したとき、ウパルパ様はバフだけ付与して俺たちのことは放ったらかしでアップルパイおやつを食べに帰られてしまった。
 だがそのおやつを勇者君のために、お裾分けをちゃんとキープしていたらしい。良い子か……!

「ごめんなさいなのだ。われが強いウパルパだったら今ごろ、ともはこんなにお寝坊さんにならずに済んだのに。われがただのかわゆいウパルパにすぎなかったばかりに……」

 切ない述懐と謝罪だが、自己肯定感高いなあウパルパ様! 寝てる相手にもすかさず自分の可愛さアピールとは。やりおるわこのウーパールーパー。そういうの嫌いじゃないぜ。

「われ、まいにち訓練してるのだ。ねえやみたいに強い結界でみなを護れるように。もうにどと、ともみたいな者を出さないように……ぷぅ」

 それからウパルパ様はお菓子作りの上手なお姉ちゃんやお父ちゃんに仲間たち、好きな子たちの惚気なんかを散々ぷぅぷぅ語っていた。
 その様子を盗み聞きしながら、俺の表情からはスンッと表情が抜けていく。

 まず、どうも王様の好きな竜殺しのべっぴんしゃんは今、ウパルパ様の元で側近やってるらしい。
 おい王様、勇者君どころか両生類に好きな子奪われてるでねが!

 そんでなんかハーレム持ってるっぽいんだがこのウーパールーパー。う、羨ましくなんかないぞう!
 やはり嫁っ子を得るには王様よりウパルパ様を崇めるのが良さそうだべ!

 ウパルパ様は「勇者君ともも一緒だったらもっと楽しかったのだぞ」としんみりしている。
 というかウパルパ様、もしかしなくても勇者君まで自分のハーレムに追加する気満々か……? ウパルパ様、恐ろしいお子だべ!

「また来るのだ。あのなまいきな親戚がいないときにぷぅ」

 ちゅっと勇者君の頬っぺたに可愛いキスをして、ウパルパ様はぷぅっとネオンイエローの魔力の塊を吐き出し、よちよち歩いてその中へと消えていった。
 空間転移術か? 神人というのは伊達ではないようだ。





NEXT→眠る勇者の部屋に王様が来た……

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