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ユーグレン究極の選択
ユーグレンの過ち
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ヨシュアの技は直接的であまり遊びがない。すぐユーグレンを高めさせて早く本番に持ち込みたいのか見え見えの動きだ。
そういえば先ほどは自分も溜まっていると言っていたか。
熱くてぬめる舌の感触、ことさら立てられる濡れた音。ユーグレンを飲み込んで膨れた頬は薄っすらと上気して染まっている。
「そ、その、ヨシュア。……カズンは一緒ではなかったのだな」
恐る恐る青銀の髪を撫でながら聞いてみたら。
するとぴたりと動きを止めて、深く飲み込んでいた性器を口から引き抜いた。唾液で濡れた口元を手の甲で拭いユーグレンを見上げて、――銀の花咲く 湖面の水色の瞳で睨んできた。
「しばらく来ないと思いますよ。理由はわかってると思いますけど?」
「あれは、私も……反省している」
(どういうことだ?)
口が自然に動く。少し意識を過去を探るように動かすと、該当する出来事の記憶が想起されてくる。
前回、カズンとヨシュアが二人でユーグレンを訪れたとき、ユーグレンはある〝やらかし〟をしでかしていた。
国王に即位したユーグレンは、ヨシュアやカズンとは遠距離恋愛することになった。もうユーグレンは簡単には自国を離れられないためだ。
とはいえ、三人全員が環使いであることから、環を通じて手紙や物品のやりとりは容易だった。
中でも大魔道士の称号と能力持ちのヨシュアは空間転移術が使えたので、ユーグレンの都合に合わせて今回のようにカーナ神国からアケロニア国王の私室まで飛んでやってくる。
それでも、会える機会は少なかった。月に一度あれば良いぐらいだ。
距離と時間が離れた分だけ、濃厚な関係を結ぶに至ったのは思わぬ幸運というやつか。
ただし、二人との関係には代償があった。
先王となった母グレイシアから突きつけられたのは、彼らとの愛人関係を認める代わりに正妃だけでなく複数の側妃と愛妾を持てということだった。
それも国内外の貴族や平民の女性たちから均等に、たくさんの。
それでもヨシュアとカズンとの関係は続いていた。
ところが、だ。
前回、あらかじめ夜にユーグレンの私室で逢瀬の約束をして集まった三人だったが、当のユーグレンがかなりの時間、遅れてきた。
しかもしたたかに酒を飲んで、乱れた衣装で。――私室に戻ってくる前、別の妃と一戦済ませてきたことが一目でわかる姿だった。
いつものユーグレンならばスケジュール調整して、二人と逢う同じ日に妃や愛妾たちとの閨事を入れることは絶対になかった。
ところがその日に限って晩餐で酒を飲みすぎて、介抱した側妃の一人の部屋に連れ込まれてしまった。
あとはもうなし崩しだ。側妃を抱いてそのまま眠ってしまい、数時間経ったらアルコールが少し抜けて目を覚ました。
そこで今晩あったはずの本来の予定を思い出して慌てて私室に戻って来たはいいものの……
深酒が完全に抜けていなかったユーグレンの思考は麻痺していた。
本来なら事情を話してヨシュアとカズンに謝り、今日はそのまま戻ってもらうべきだった。
けれどユーグレンにとって本当に愛する二人と逢える機会はごく少ない。今回を逃せば次は来月か、またその翌月かという逢瀬なのだ。
だから、というのは後から思えばただ自分に都合がいいだけの言い訳だった。
側妃の部屋から戻って私室に二人の姿を見て、元から酒で緩んでいた理性の箍が完全に吹っ飛んで、そして。
――側妃との情事の痕跡も、移った女物の香水の匂いも落とさないまま二人を抱いた。
以降、カズンはユーグレンをあからさまに避けるようになった。
環経由で手紙を送っても返事もなくなってしまった。
ユーグレンサイテー…
そういえば先ほどは自分も溜まっていると言っていたか。
熱くてぬめる舌の感触、ことさら立てられる濡れた音。ユーグレンを飲み込んで膨れた頬は薄っすらと上気して染まっている。
「そ、その、ヨシュア。……カズンは一緒ではなかったのだな」
恐る恐る青銀の髪を撫でながら聞いてみたら。
するとぴたりと動きを止めて、深く飲み込んでいた性器を口から引き抜いた。唾液で濡れた口元を手の甲で拭いユーグレンを見上げて、――銀の花咲く 湖面の水色の瞳で睨んできた。
「しばらく来ないと思いますよ。理由はわかってると思いますけど?」
「あれは、私も……反省している」
(どういうことだ?)
口が自然に動く。少し意識を過去を探るように動かすと、該当する出来事の記憶が想起されてくる。
前回、カズンとヨシュアが二人でユーグレンを訪れたとき、ユーグレンはある〝やらかし〟をしでかしていた。
国王に即位したユーグレンは、ヨシュアやカズンとは遠距離恋愛することになった。もうユーグレンは簡単には自国を離れられないためだ。
とはいえ、三人全員が環使いであることから、環を通じて手紙や物品のやりとりは容易だった。
中でも大魔道士の称号と能力持ちのヨシュアは空間転移術が使えたので、ユーグレンの都合に合わせて今回のようにカーナ神国からアケロニア国王の私室まで飛んでやってくる。
それでも、会える機会は少なかった。月に一度あれば良いぐらいだ。
距離と時間が離れた分だけ、濃厚な関係を結ぶに至ったのは思わぬ幸運というやつか。
ただし、二人との関係には代償があった。
先王となった母グレイシアから突きつけられたのは、彼らとの愛人関係を認める代わりに正妃だけでなく複数の側妃と愛妾を持てということだった。
それも国内外の貴族や平民の女性たちから均等に、たくさんの。
それでもヨシュアとカズンとの関係は続いていた。
ところが、だ。
前回、あらかじめ夜にユーグレンの私室で逢瀬の約束をして集まった三人だったが、当のユーグレンがかなりの時間、遅れてきた。
しかもしたたかに酒を飲んで、乱れた衣装で。――私室に戻ってくる前、別の妃と一戦済ませてきたことが一目でわかる姿だった。
いつものユーグレンならばスケジュール調整して、二人と逢う同じ日に妃や愛妾たちとの閨事を入れることは絶対になかった。
ところがその日に限って晩餐で酒を飲みすぎて、介抱した側妃の一人の部屋に連れ込まれてしまった。
あとはもうなし崩しだ。側妃を抱いてそのまま眠ってしまい、数時間経ったらアルコールが少し抜けて目を覚ました。
そこで今晩あったはずの本来の予定を思い出して慌てて私室に戻って来たはいいものの……
深酒が完全に抜けていなかったユーグレンの思考は麻痺していた。
本来なら事情を話してヨシュアとカズンに謝り、今日はそのまま戻ってもらうべきだった。
けれどユーグレンにとって本当に愛する二人と逢える機会はごく少ない。今回を逃せば次は来月か、またその翌月かという逢瀬なのだ。
だから、というのは後から思えばただ自分に都合がいいだけの言い訳だった。
側妃の部屋から戻って私室に二人の姿を見て、元から酒で緩んでいた理性の箍が完全に吹っ飛んで、そして。
――側妃との情事の痕跡も、移った女物の香水の匂いも落とさないまま二人を抱いた。
以降、カズンはユーグレンをあからさまに避けるようになった。
環経由で手紙を送っても返事もなくなってしまった。
ユーグレンサイテー…
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