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ユーグレン究極の選択
三度目の夢見~愛された未来(仮)
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「お帰り、二人とも。じゃあ次はいよいよ本命の、カズン君とヨシュア君の愛を得た未来へ」
「ぷぅ(まりょくのちょぞうはまだまだじゅうぶんなのだー)」
夢から覚めた、と思ったらすぐ次だ。
「どのくらい先の未来へ行くことになりますか?」
「五年くらい先でどうかな? 今君は確か」
「今年二十四になります」
「うん、なら三十路手前だね」
「ぷぅ(夢見の術、またまたはつどーう!)」
* * *
「お久し振りです、ユーグレン様。……お疲れ気味のようですね?」
ハッと気づくと見慣れた 湖面の水色の瞳がユーグレンの顔を覗き込んでいた。
その麗しの顔は……
「よ、ヨシュア!?」
「? ええ、あなたのヨシュアです。ふふ、湯浴みしてオレを待っててくれたんですね」
としなやかな白い指を伸ばしてヨシュアがユーグレンの前髪に触れた。少しだけ湿り気の残る黒髪を指先で弄ぶ様子を、ユーグレンは信じられない思いで凝視した。
「何だ? 何なのだこれは、ヨシュアが私にこんなに優しく触れるなんて」
「ユーグレン様? お疲れなんですか」
慌てて周囲を確認する。国王の居室だ。在位時代の祖父や母が住んでいた部屋でもある。
アケロニア王族は質実剛健な一族だ。部屋の中の家具の配置や壁紙などもあまり変わりがない。
『夢見に自分が入り込んで体験できるよう設定してやった。束の間の〝夢〟を見るとよい』
「!?」
耳元で神人ジューアのひそめた声が聞こえた。次いで寝室の部屋のドアが閉じる音がする。しばらく時間をおいてまた戻ってくるのだろう。
(そういう気を回す方でしたっけ、ジューアお姉様!?)
自分はバスローブ姿で寝台に腰掛けている。
対してヨシュアは濃いグレーのスラックスに白いシャツ姿のラフな部屋着姿だった。
足元には白いふわもこのスリッパを素足で履いている。現実でも彼がルシウス邸で使っている綿毛竜の羽毛で作った部屋履きだ。
「酒で夜を過ごすのも良いですが、あいにくオレも溜まってて。……はあ、宰相って結構不便ですよ、下手に娼館も行けないし愛人を作るのにも一苦労だし」
「なっ、愛人がいるのか!? ヨシュア!」
「いたらこんな夜中に国王陛下の寝室に忍び込んだりしやしません。……ちょっとどうしてしまったんです? 本当に調子でも悪いんですか?」
不思議そうに首を傾げた後、ヨシュアが寝台に腰掛けたユーグレンの前に跪いた。
何をするのかと見ていると、バスローブの合わせを開かれて、下着を中途半端に下ろされた。と思ったら。
「えっ、な、えっ、……えええっ!?」
下着の中に大人しく収まっていたはずの陰茎をひんやり冷たい手と指で掴まれて、先端の丸い部分を舌先でぺろっとアイスクリームをすくうような動きで舐められた。
そしてすぐに、形の良い唇の中に深く飲み込まれていく。
「ヨシュア、ちょっと待ってくれ、これは、これは……っ」
冷たい手と、熱い口の中の感触のコントラストに脳が混乱するのがわかる。
幹を支えていたほうと反対の手指が、陰嚢を柔らかく揉み始める。ユーグレンの弱いところだ。なぜそこを知っているのか。
(じ、弱点を把握されるほど繰り返し関係を結んだとしか思えぬー!)
暴発しそうだ、とぎゅっとかたく目を瞑った。
だが予想に反してユーグレンの性器は耐久性があった。それに気づくと余裕が出てきて、慣れた様子で口淫するヨシュアを観察することになった。
「ぷぅ(まりょくのちょぞうはまだまだじゅうぶんなのだー)」
夢から覚めた、と思ったらすぐ次だ。
「どのくらい先の未来へ行くことになりますか?」
「五年くらい先でどうかな? 今君は確か」
「今年二十四になります」
「うん、なら三十路手前だね」
「ぷぅ(夢見の術、またまたはつどーう!)」
* * *
「お久し振りです、ユーグレン様。……お疲れ気味のようですね?」
ハッと気づくと見慣れた 湖面の水色の瞳がユーグレンの顔を覗き込んでいた。
その麗しの顔は……
「よ、ヨシュア!?」
「? ええ、あなたのヨシュアです。ふふ、湯浴みしてオレを待っててくれたんですね」
としなやかな白い指を伸ばしてヨシュアがユーグレンの前髪に触れた。少しだけ湿り気の残る黒髪を指先で弄ぶ様子を、ユーグレンは信じられない思いで凝視した。
「何だ? 何なのだこれは、ヨシュアが私にこんなに優しく触れるなんて」
「ユーグレン様? お疲れなんですか」
慌てて周囲を確認する。国王の居室だ。在位時代の祖父や母が住んでいた部屋でもある。
アケロニア王族は質実剛健な一族だ。部屋の中の家具の配置や壁紙などもあまり変わりがない。
『夢見に自分が入り込んで体験できるよう設定してやった。束の間の〝夢〟を見るとよい』
「!?」
耳元で神人ジューアのひそめた声が聞こえた。次いで寝室の部屋のドアが閉じる音がする。しばらく時間をおいてまた戻ってくるのだろう。
(そういう気を回す方でしたっけ、ジューアお姉様!?)
自分はバスローブ姿で寝台に腰掛けている。
対してヨシュアは濃いグレーのスラックスに白いシャツ姿のラフな部屋着姿だった。
足元には白いふわもこのスリッパを素足で履いている。現実でも彼がルシウス邸で使っている綿毛竜の羽毛で作った部屋履きだ。
「酒で夜を過ごすのも良いですが、あいにくオレも溜まってて。……はあ、宰相って結構不便ですよ、下手に娼館も行けないし愛人を作るのにも一苦労だし」
「なっ、愛人がいるのか!? ヨシュア!」
「いたらこんな夜中に国王陛下の寝室に忍び込んだりしやしません。……ちょっとどうしてしまったんです? 本当に調子でも悪いんですか?」
不思議そうに首を傾げた後、ヨシュアが寝台に腰掛けたユーグレンの前に跪いた。
何をするのかと見ていると、バスローブの合わせを開かれて、下着を中途半端に下ろされた。と思ったら。
「えっ、な、えっ、……えええっ!?」
下着の中に大人しく収まっていたはずの陰茎をひんやり冷たい手と指で掴まれて、先端の丸い部分を舌先でぺろっとアイスクリームをすくうような動きで舐められた。
そしてすぐに、形の良い唇の中に深く飲み込まれていく。
「ヨシュア、ちょっと待ってくれ、これは、これは……っ」
冷たい手と、熱い口の中の感触のコントラストに脳が混乱するのがわかる。
幹を支えていたほうと反対の手指が、陰嚢を柔らかく揉み始める。ユーグレンの弱いところだ。なぜそこを知っているのか。
(じ、弱点を把握されるほど繰り返し関係を結んだとしか思えぬー!)
暴発しそうだ、とぎゅっとかたく目を瞑った。
だが予想に反してユーグレンの性器は耐久性があった。それに気づくと余裕が出てきて、慣れた様子で口淫するヨシュアを観察することになった。
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